【童話】ことばのもり(5)
ふわふわさんが なにか いっています
「う~ん よく わかんないや」
ゆうくんは ふわふわさんが なにを いっているのか わかりませんでした
「ここで なにしているの? って ふわふわさん いってるよ」
あかくんは ふわふわさんと おはなし できるみたいです
「おかあさんを さがして いるんだよ」
ゆうくんが いいました
「もりに ずっと いるけど おかあさんは いないとおもう って ふわふわさん いってるよ」
あかくんが いいました
「そうなんだ でも どうしよう」
ゆうくんが いいました
「もりの そとまで あんないする って ふわふわさん いってるよ」
あかくんが いいました
「ふわふわさん ありがとう」
ゆうくんが いいました
ふわふわさんが ちゅうがえり しました
「でも よるだから もう おねんね しようね って ふわふわさん いってるよ」
「うん テントを だして」
ゆうくんと あかくんは テントで ぐっすり おねんね しました
あさに なったので ゆうくん あかくん ふわふわさんは もりのそとに むかいます
もりは ひろく でぐちまで たくさんの きょりを あるきました
あるく きのこ そらとぶ おうち おおきな かいじゅう おかあさんの にせもの ほんとうに いろいろな ことが ありました
うれしかったり ないたり おこったり わらったり しました
ゆうくん あかくん ふわふわさんは ようやく もりのでぐちに つきました
もりのそとは おおきな にじの はしが かかっています
「やっと ついたね」
ゆうくんが いいました
「よくがんばったね きをつけていくんだよ って ふわふわさん いってるよ」
あかくんが いいました
「そっか ふわふわさん ばいばい だね」
ふわふわさんは うなずいて てをふっています
ゆうくんも てをふります
「じゃあ いこうか あかくん」
ゆうくんは もりを でました
しかし あかくんは もりを でられませんでした
「あかくん あかくん こっちにおいで」
みえない かべ のせいで あかくんは もりから でられません
「まだ でられないみたいだね って ふわふわさん いってるよ」
「なんで?」
「だいじょうぶ そのうち でられるよ って ふわふわさん いってるよ」
「でも でも」
もりが だんだんと とうめいに なっていきます
「にいにい ばいばい」
あかくんが いいます
もりが さらに とうめいに なっていきます
「こういうときは またね って いうんだよ」
ゆうくんが いいます
「にいにい またね」
あかくんが てをふりました
「あかくん またね」
ゆうくんも てをふりました
ことばのもりが すっかり きえてしまいました
ゆうくんは かなしくなって しまいました
ゆうくんが たっていると なにかが ゆうくんの あしに あたりました
ゆうくんが あしもとを みると くろいなにかが くっついています
「わあ!」
ゆうくんは びっくりして ころんでしまいました
「にゃあ」
「クロちゃん?」
くろいなにかは ねこの クロちゃんでした
「クロちゃん! むかえにきて くれたの?」
ゆうくんは クロちゃんを だっこ しようと しましたが するりと にげられました
「にゃあ」
クロちゃんは すこし あるいては ゆうくんを みます
「ついてこいって いってるの?」
「にゃあ」
ゆうくんは クロちゃんと にじの はしを あるきます
つづく
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