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ストックホルムからのお手紙:19日目2


2025/5/27
スカンセン野外博物館

頼みの綱、フニクラ乗り場に着いた時、
「え?」
なんだか怪しい雲行きです。
スタッフのお兄さんがこちらをチラチラ見ながら、乗り場の入口に鎖をかけているではありませんか。
「あの、これ乗りたいんですけど」
お兄さんは首を振ります。
そしてたぶん「もう終わりの時間だから乗れないよ」的なことをおっしゃいます。
で、そそくさと片付けを始めています。

「オーマイガー!」
私は思い切り悲しげな表情で
「ええ?私は帰れないのですか?」
「ここから車椅子でどうやって帰ればいいの?」
と訴えました。
お兄さんは困り切った顔で
「ちょっと待って、車椅子で下れそうな道を考えるから」
そういいながら私が持っていた地図をしばらく見た後に、
「よし、この道なら多分車いすでも通れると思うから」と案内をしてくださいました。
「OK、行ってみます」
方向音痴なので自信がありませんでしたが、もう閉園時間が迫っているし、他に道はわからないので教えられたとおりに進むしかありません。

今来たこの道かえりゃんせ

しばらく走るとやっぱり今来た道です。この先は急な下り坂が・・・
「やっぱりねぇ、どうしよう。下りられるかなあ」と思ったら
「そっちじゃないよ、こっち」突然後ろからさっきのお兄さんが現れ私の前を歩いていきます。
慌てて後をついていくと、なだらかな下り坂に出ました。
「ここをまっすぐ行けば出口に出られるよ」そう言って、お兄さんは事務所の方へ帰っていかれたのです。
ずっと後ろからついてきてくださったのですね「神!」

やがて、無事に出口に到着。
窓口の女性にトラム乗り場への道を教えていただきスカンセン野外博物館の外へ出ることができました。
「ああ、よかった。これで帰れる!」

ところが、その先の一般道もまたまたかなりの急な下り坂、自動車も通ります、そして歩道はありませんでした。
「いやいや、危険すぎるでしょう。まだ中の急坂の方が安全かも。
もう一回中へ入れてもらえないかなあ」

で、出口へ戻ってみたらもう閉園時間が過ぎて窓口の女性が帰ってしまう寸前でした。
急いで、スマホの通訳機能で事情を説明。

「トラムに乗りたいけれどこの先の道は急坂過ぎて車椅子では怖いです」
と訴えました。女性は私のスマホに超高速で何かを打ち込み私に手渡してくれました。
「反対方向にもう一つトラムの乗り場があります。車椅子で行かれるにはこちらの道をアドバイスします」
と書いてありました。
私はニッコリ笑顔で「サンキュー。行ってみます」とお礼を言って走り出しついに、トラム乗り場に到着。
トラムが来たので周りの乗客の方たちに助けていただき乗車できました。
セントラルステーションまで帰り着き、いつもの地下鉄に乗ったときはほっとしてどっと疲れてしまったほどです。

よく考えてみると、ストックホルムでのバリアフリーの前提は車いすユーザーの単独行動ではなく、サポートする人が一緒に行動すれば何の問題もないということのような気がします。
それくらいパーソナルサポートが制度として十分機能しているのではないでしょうか。

街中で単独行動をしている車いすユーザーはほとんど見かけませんでした。
一度だけ電動車いす(というより電動バイクのようにどこでも走れそうな電動車いす)の方をお見掛けしましたが、ほとんどの方はそばに必ず誰かが一緒に行動されているのです。

バイクみたいな電動車いす?
この後すごいスピードで走り去っていかれました!

入場料なども障碍者本人は一般と同じ料金で、介助者は無料ということになっています。

スカンセン野外博物館に行きたいのは本人で、そのために必要なサポートは何の問題もなくしっかり利用できる仕組みです。
設備を完璧にするよりは、それを利用できるサポートをしっかりさせる。
そんな考え方に改めて気づけた大冒険の一日でした。

さて、次は何をしようかな?
ノートパソコンに向かいChatGPTさんと作戦会議を始める車いすおばあちゃんです。


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