スパイ防止法:必要性と危険性
みなさん、こんにちは。
いつまで、暑い日が続くんだと言いたくなりますが、仕方ないですね。暑さ対策していきましょう。
さて、最近、参政党が提出しようと躍起になっているスパイ防止法案。これの必要性と危険性について検討していきます。目次は以下の通りです。
ゾルゲ事件から考える必要性
大東亜戦争時、ソ連のスパイとして日本をソ連侵攻に向かわせないため動いていたリヒャルト・ゾルゲ。昭和研究会(首相の諮問機関)の尾崎秀実と結託して、当時の政府をコントロールしました。具体的に言うと、尾崎がゾルゲに日本の情報を渡し、尾崎は昭和研究会の一員として、当時の近衛首相に中国を徹底的に武力制圧することを進言します。もちろん、目的はソ連に日本軍を向かわせないためです。彼らはスパイとして処罰されましたが、時既に遅し。日本軍は泥沼から抜け出せなくなっていました。詳しい話はこちらより。
このことを考えると確かにスパイは取り締まる必要があるように思えます。次に反対の立場から考えていきます。
パノプティコンから考える危険性
哲学者フーコーは、人々を恐怖に陥れ、思想や行動を萎縮させるには、「実際に監視すること」が必要なのではなく、「相手に監視していると思わせること」が重要と説きました。
これをスパイ防止法に当てはめて考えると、スパイ防止法で本当のスパイが捕まえられるかどうかはおいておいて、国民自身が自ら、自分の思想信条や行動に制限をかけることが考えられます。
そんな社会、あなたは望みますか?
それに、
スパイの定義はどうなるのでしょうか?
国益に反することをした人がスパイでしょうか?国益とは何でしょうか?スパイ防止法の危険性をこういう形で説明し、中国などを利しているかもしれない私はスパイでしょうか?
スパイかどうかは権力側の意向で決められるのではないか?
という可能性も考えるべきだと思います。スパイ防止法の賛同者は、自分がスパイ防止法で処罰されないという絶対の自信を持っているのでしょうか?反革命罪を作って大量の身内を処刑してきた共産主義国家を見ていると、スパイ防止罪も同じような結果をもたらすのではないかと思ってしまいます。
それに、スパイ防止法に反対する意見を表明しただけで、
スパイ防止法に反対する→そいつには何かやましいことがある→スパイかもしれない
と国民同士で監視し合う社会が完成します。
そんな社会に住みたいですか?
私は絶対に嫌です。だからといって、日本が他国のスパイによって滅ぼされるのも嫌ですけどね。
「凡庸なる悪」はスパイか?
ナチスによるユダヤ人虐殺の実務者であったアドルフ・アイヒマン。大戦後はアルゼンチンで別人として生活をし、奥さんの誕生日に贈る花を買ったところをイスラエルのモサドに逮捕されました。彼は、裁判で自分の無実をこう証明しようとしました。(要約)
「私は当時のナチスドイツの法律、命令にしたがっただけだ。有罪というのは何かの法に反した行為を罰するのであるから、私は無実だ。私が有罪というなら何の法に反したのかを証明する必要がある。」
これを見ていたユダヤ人哲学者のハンナ・アーレントは、これを見て
「彼は悪人でなく、単なる役人である。」
と評しました。さらに、これを「凡庸なる悪」と表しました。
つまり、罪の意識もなくルールに従い、職務を遂行し、結果的に悪に加担してしまうという構造をアイヒマンの例から見出だしたのです。アイヒマンのしたことは当時のドイツの法には抵触していないかもしれませんが、特定の民族を対象に殺戮行為をしたということで明確な国際法違反ですから、当時の指揮命令系統は厳格に裁かれるべきです。
では、現在の日本に目を向けましょう。自公政権、財務省、外務省は、日本の国益を損なおうとして日々緊縮財政を行い、アメリカの世界戦略に協力しようとしているのでしょうか?そういう人もいるかもしれません。しかし、(私の推測ですが)多くの議員や役人は淡々とお役所仕事をしているだけではないでしょうか。つまり、彼らは「凡庸なる悪」なのではないでしょうか。しかし、これだけ日本を貧困化させ、アメリカに好き放題にされている。明らかに日本の国益に反している行為をしていると言えるでしょう。さて、彼らはスパイ防止法のスパイの要件に含め、スパイとして裁かれるべきでしょうか?
最後に
さて、今回はスパイ防止法について、必要性と危険性の観点から検討しましたが、自分はまだまだ勉強不足(海外の事例など調べられていない)なので、必要性も感じながらも危険性も感じているというアンビバレントな状態です。まあでも、現時点でどちらかに投票しろと言われたら、反対に投じますかね。まずは、スパイの要件がどういうもので、冤罪を防ぐための手段として何があるのか知りたいところです。皆さんはどう思いますか?なにか、参考となる情報などがあれば教えてください。
それでは、今日はここまで。
以上。
