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部屋の中の象④「滑り止めの関東私大に行きたい」──20年後に知った息子の本音

息子が別居後に打ち明けてくれたことと、

私が長年見てきた出来事を、一つにつなげて振り返ってみました。

私は長い間、夫婦喧嘩の問題ばかりに目を向けていました。

父親から息子への愛情の乏しさや、

「私は夫にとって大切な存在ではなかった」

という現実を、受け止めきれていなかったのです。

その結果、

息子を苦しい環境で育ててしまいました。

そして、息子が長い間抱えてきた悲しみを知った時、

私は大きな衝撃を受け、深く反省しました。

このシリーズでは、

その時初めて見えてきた「部屋の中の象」を、

息子の言葉と、私自身の体験を通して記録しています。

何が正しかったのか。

家族にとって、本当に大切なものは何だったのか。

そんなことを考えるきっかけになれば幸いです。



前回、息子が高校生になり大学受験に向けて話し合う家族の話は、こちら。


受験に向けて、夫に実家に戻ってもらう数カ月前まで話はさかのぼります。

この先は、息子本人に関わる個人的な出来事を記しています。
プライバシーへの配慮から、有料部分とさせていただきます。


高校2年生のころ


息子は、中学生の頃から大学進学を目指していた。

高校入学時には、地方の国立大学を目標に勉強していた。

高校2年生のころ、私がフルタイムで働き始めて半年ほど経った頃のことだ。

夫は私に、

「税込年収500万円あれば大学は卒業させられると兄夫婦も言っている。だから仕事を辞めてくれ」

と言ってきた。

私は驚いた。

「学費の貯金はある。でも、仕送りの貯金はないよね。本当にあなたの給料だけで払えると言っていたの? 借金をしなくても大丈夫だと言っていたの?」

当時の私は、教育費について何度も調べていた。

年収500万円前後では、大学進学後に家計が赤字へ転落するというシミュレーション記事や、奨学金を利用している世帯の年収データも見ていた。子どもの人数までは分からなかったが、夫の年収帯では奨学金を利用している家庭が多かったことを覚えていた。

どうしても納得できず、妹に相談した。


本当に私がフルタイムの仕事を辞めても、節約すればやっていけるのか、と。

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