『おーい、財布どこ行った?』 呼べど返事はない。
「確か、あそこに置いたはず…」
頭の中には、あの場所に置いてある映像がはっきり浮かんでいる。
「でも、そこには『ない』」
先週だったか?
今は…今はどこ?
毎日、毎日、探し物。
忘れた記憶だけが、私より先に歩いていく。
先日、使ったバッグの中で、ボッチで待っているのを見つけた。
また同じ。
脳内GPS、今日も迷子。
通算したら、年間で何時間になるのだろう。
計算したら、きっと、己を呪うのに違いない。
頭を冷やそうと、冷蔵庫を開けたら。
牛乳の横にお財布が、きちんと立てかけてあった。
さぞかし涼しくお過ごしのことでしょう。
お札様は湿気が取れてピン。 カードもヒンヤリ。
「しばらくそこでお過ごしください」と、そっとドアを閉めた。
そして、夕方、買い物へ。
「あらら」お財布が、ない。
夕焼けのきれいな夕暮れの事でした。
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ありがとうございました。
