私の中の西洋コンプレックスー2009年4月ヨーロッパひとり旅 No3「パリのプリティ・ウーマン」
*この記録は、2009年4月から1か月弱のヨーロッパ1人旅から帰った後、作成したポートフォリオ的な小冊子誌を、旧ブログで公開し、その記事を再構成してnoteに移動したものである。
当然、現在とは、ユーロ円の相場も、物価もかなり違う。日本でのアイフォン発売が、2008年にはじまったばかりで、スマホもなかった。ガラケーも電源を切ったまま旅行中は使わなかった。現在の海外旅行事情とは、状況が異なることを、お知らせしておきたい。
モンマルトルの丘にそびえ立つサクレ・クール寺院に、長い間行く気が起きなかったのは、急な石の階段を登るのが怖かったため。極度の高所恐怖症(後でわかったことだが、ケーブルカーやミニバスもある)。
意を決して登ることにした。60代くらいの2,3人グループの女性観光客がすたすた登っていたので大したことはないと思う。個人的には途中で辺りを見渡すと冷や汗が出た。
「恐い恐い早く早く」と頭の中で唱えながら登っていくと、寺院前広場に着いた。前方には下の広場に続く階段があり、パリ市内が一望できる。
劇場の座席のようにみんな座りこんで、食べたり、お喋りしたりしている。
日本で言う修学旅行のような学生の集団もいたし、観光客、地元の人もいたと思う。
やがて、映画「プリティ・ウーマン」の挿入歌、ロイ・オービソンの「オー・プリティ・ウーマン」が聞こえ始める。
階段の中腹で黒人ミュージシャンが管楽器を演奏していた。選曲がいいなあと思う。これなら世界中の人が知っていて世代を問わない。寺院前にたむろしていた人も、集まりはじめる。
その誘うようなリズムに抵抗できなくなった黒人のおばちゃんが、踊りはじめる。両腕を天に向かって垂直に伸ばし、腰を振ってくるくる回って魅せる。「ヒューッ、ヒューッ」と歓声が上がる。みんなも一緒に合唱する。
パリ、休日の昼下がり、快晴、音楽、ダンス。
これで浮かれずにいられようか…
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