金縛りはなぜ起こるのか――「幽霊を見た」と感じる脳の仕組み
夜、目が覚めた。
部屋は見えている。
意識もある。
なのに、身体が動かない。
声を出そうとしても出ない。
そして、部屋の隅に「誰か」がいる気がする。
そんな経験をした人は、昔から世界中に存在します。
日本では「金縛り」と呼ばれ、昔は霊や怪異の仕業として説明されることもありました。
でも現在では、この現象にはかなりはっきりした医学的な説明があります。
そして、ここからが面白い。
金縛りは単に「身体が動かない」という現象ではありません。
夢の世界と現実の世界が、一時的に重なったような状態になることがある。
だからこそ、人は「本当に誰かが部屋にいた」と感じるほどリアルな体験をすることがあります。
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金縛りの正体は「睡眠麻痺」
医学的には、金縛りは「睡眠麻痺(sleep paralysis)」と呼ばれる現象に当たることがあります。
典型的なのは、
意識が戻っているのに、REM睡眠に伴う筋肉の力が戻っていない
という状態です。(NCBI)
REM睡眠は、鮮明な夢を見やすい睡眠段階です。
このとき脳はかなり活発に活動しています。
一方で、夢の内容に合わせて身体が大きく動いてしまわないよう、骨格筋の活動が強く抑えられます。
つまり、
「夢の中で走っているから、現実の身体も走ってしまう」
ということが起きないように、身体が一時的に動きにくい状態になるわけです。
普通なら、
眠る
↓
REM睡眠になる
↓
身体の筋肉が抑制される
↓
REM睡眠から目覚める
↓
身体も動かせる
という流れになります。
ところが、睡眠麻痺ではこのタイミングが少しずれる。
意識のほうが先に戻ってしまい、REM睡眠の筋肉抑制が一時的に残る。
これが、あの「身体が動かない」という感覚につながります。(PubMed Central (PMC))
では、なぜ「誰かがいる」という感覚まで出てくるのでしょうか。
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