見出し画像

ゆるストイック──努力が報われない世界で、私たちはどう生きるか

八田零さんの企画「あなたの心に残る言葉2025」2度目の参加です。

佐藤航陽さん著【ゆるストイックーノイズに邪魔されず1日を積み上げる思考】のあとがきに、心を奪われました。

※この文章は、佐藤航陽さんの著書【ゆるストイック】のあとがきと、著者の背景に触れた第一印象をもとに書いています。全編を読了した上での書評ではありません。

「努力は報われる」「夢は叶う」と教えられてきましたが、「マイナス地点からスタートした人もハンデを覆すことができるのか?」という疑問をずっと抱いていました。

ゆるストイック

この問いかけは、ずっと私の胸の中にあった違和感そのものでした。

佐藤航陽さんという人


佐藤さんは大学時代に起業し、現在は宇宙系企業で国連やJAXAと協業するCEO。
米「Forbes」誌の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)にも選出された成功者です。

驚いたのは、そんな彼が、二極化した格差社会や親ガチャ問題についても率直に言及していることでした。

生い立ちを調べてみると、
佐藤さんは母子家庭で育ち、弁護士志望でしたが、制度変更で進学が困難になり、夢を諦めた経験を持っていました。

この背景を知った時、彼の言葉が単なる理想論ではなく、「本物の実感」から来ていることに気づきました。

氷河期世代と親の経済力


私は短大卒業後、3年留学資金を貯めるために地元企業で働き、1996年から1年間イギリス語学留学をしました。

帰国後は、氷河期ど真ん中で20代半ばでも派遣社員しか選択肢がありませんでした。

2007年から外資系の正社員となり、その後も何度か転職をしましたが、どの職場でも出会った若い同僚たちは、国籍問わず一流大学出身、海外留学経験あり、そして恵まれた家庭環境の中で育った方ばかりでした。

最近、20代の大手企業勤務の方々と話す機会がありました。高校生から高額な英会話レッスンを受け、自信に溢れ、英語も堪能で、人柄も素晴らしい。まさに、企業が即戦力として採用したくなるような人たちです。

彼女たちを見て、改めて痛感しました。
親の経済力は、子供の未来に直結する。

私は大学進学を希望していましたが、偏差値が低く、浪人する経済的余裕もなく、補欠合格した短大に進学。悔しい思いをしました。

「がんばらなくてもいいよ」「自由に生きよう」という言葉の裏で

「がんばらなくてもいいんだよ」と寄り添う言葉はとても魅力的です。

ただ、それを発信している人たちは逃げ帰る場所があり、頼れる親がいて、恵まれた環境で育った人たちである場合がほとんどです。

彼らは甘い言葉の責任は一切取ってくれません。そして、それを発信している人たちは本を書いて、メディアに出て、誰よりも「がんばっている」という矛盾があります。

ゆるストイック

昨年、無職になったとき、
「起業すればいい」と何人かの起業経験者に言われました。

けれど、彼らは若い頃に起業し、やり直しができた人たち。または、40代で起業しても、元々大手企業で役職に就き、社会的地位と貯金があった人たちです。

私は、50代。社会的地位はありません。おひとりさまで、家族は高齢の母と家族を持っている妹しかいないため、逃げ帰る場所はないに等しいです。(帰る場所はありますが、経済面サポートは厳しい)

SNSで自由な生き方を発信する人たちは、大抵は経済的に安定したパートナーがいて、明らかに恵まれた環境にいる人たちです。

経済的な基盤があれば、自由になれる、好きなことができる、さらに気張らず起業の準備ができるでしょう。

私は今は、スタートアップ企業で正社員として働き、生活に不自由はありません。でも、過去に投資してきた学びや海外経験の結果、老後資金には不安があります。

最後に


佐藤さんのような、成功してもなお「報われない努力」を見つめる人がいることに、救われました。

この本は、会社で評価される、起業ためのノウハウ本ではありません。

混沌とした時代を、どうやってしなやかに生き抜いていくか。そんなヒントをくれる、珍しい一冊だと感じました。

SNSも本も発信者の言葉が本物であるかが最近とても理解できるようになりました。最近はテンプレート的な内容が溢れているので。。

これからも私は、

「がんばりすぎず、でも、あきらめず」ゆるストイックに静かに、確かに、自分の歩幅で生きていこうと思います。

いいなと思ったら応援しよう!