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第1章③ 「明るい時間」 に 襲われる

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×  犯罪は夜だけ起きる
〇 犯行は朝も昼も関係なく起きる


■「夜だけ危ない」という幻想

「泥棒は夜に来る」
「犯罪は暗い時間に起きる」
そう信じていませんか?

でも実際には、朝も昼も関係なく起きているのです。
私が刑事として現場で多く見てきたのは、昼間の油断を突いた犯行でした。

■ 昼間こそ狙われる空き巣

統計では、住宅侵入窃盗の多発時間帯は午前10時〜午後2時。
多くの住人が仕事や買い物で家を空けている時間です。

私が取調べを担当した犯人もこう言ってました。
「夜は家に人がいる可能性が高い。昼間なら堂々とやれる」

実際、昼寝中や洗濯物を干しているわずかな時間に侵入されるケースもありました。
“夜は危険で昼は安全”という思い込みが、最大の隙になっていたのです。

■ 強盗やストーカーも「昼」に起きる

昼間に狙われるのは空き巣だけではありません。

・強盗事件

日中に一人で在宅していた高齢者宅が押し入られ、現金を奪われるケースが実際にありました。「昼間だから大丈夫」と思って玄関を開けていたことが、逆に命の危険を呼び込んだのです。
特に高齢者の場合、昼間は訪問介護サービスや親族の訪問など、人の出入りが多いと認識されやすく、犯人にとっては「容易に侵入できる」という誤った認識を与えてしまうこともあります。

・ストーカー事案

 被害女性が帰宅するタイミングを狙って、昼間にマンションのエントランスで待ち伏せする。「明るいから安心」という心理が、逆に警戒心を薄めていました。
ストーカーは、被害者の行動パターンを把握し、最も警戒心の薄い時間帯を狙います。昼間は人通りが多い場所でも、死角や監視カメラの少ない場所を巧妙に利用することがあります。

・訪問販売・点検商法

「水道の点検です」「近くで工事していて…」と昼間に訪ねてくるケース。明るい時間だから怪しくない、と思い込むことで詐欺被害に発展することもある。
特に注意したいのは、近年増加している「アポ電強盗」です。事前に電話で家族構成や資産状況を聞き出し、昼間に強盗に及ぶ手口で、高齢者を中心に被害が拡大しています。

こうした犯罪もまた、「昼間だから大丈夫」という油断を突いています。

■ 数字が語る「昼間のリスク」

・住宅侵入窃盗のピークは 午前10時〜午後2時。

・一戸建て住宅は侵入窃盗の33.0%を占める。

・侵入口の7割以上は窓や玄関から。

空き巣や強盗から命と財産を守る 「住まいの防犯対策」 | 政府広報オンライン

訪問販売などの悪質商法の相談件数は、昼間の時間帯に集中するという消費生活センターの報告もある。
具体的には、午前10時から午後4時までの時間帯が全体の約7割を占めています。

数字を見れば、「夜=危険、昼=安全」というイメージがどれほど根拠のないものか分かります。

■ 犯罪学・心理学から見る「昼間の盲点」

・正常性バイアス

 「昼間だから安全だろう」と思い込む。
これは、人間が危機的な状況に直面した際に、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりする心理的な傾向です。
過去の災害事例では、避難勧告が出ても「自分は大丈夫だろう」と思い込み、避難が遅れて被害に遭うケースが多数報告されています。

・社会的錯覚

「明るい時間なら周囲に人がいて見てくれる」という誤解。実際には、人は他人の家や行動に注意を払っていません。
特に都市部では、多くの人が自分のことに集中しており、周囲の異変に気づきにくい傾向があります。

・犯人のリスク計算

「夜は在宅率が高い。昼間は人目があっても怪しまれにくい」と計算して動く。犯人は、時間帯だけでなく、曜日や季節、地域の特性なども考慮して犯行計画を立てます。例えば、夏休み期間中は、子どもたちが家にいる時間が長いため、空き巣を避ける傾向があります。

このズレが、昼間の被害を増やす原因になっています。

■ 今すぐできる対策リスト

① 昼間でも必ず施錠する

洗濯物やゴミ出しの短時間も油断しない。犯人は、ほんの数分の隙を狙って侵入します。オートロック付きのマンションでも、油断は禁物です。

② 在宅中も玄関・窓の管理を徹底

 強盗やストーカーは「開いているドア」を狙う。チェーンロックやドアスコープを活用し、不審な訪問者には絶対に対応しないようにしましょう。

③ 来訪者は必ず確認する

訪問販売や点検業者を名乗っても、身分証を確認する。身分証だけでなく、会社の連絡先を調べて、本当にその会社に所属しているか確認することも重要です。

④ 不審者に声をかけ合う地域習慣

 明るい時間でも「こんにちは」の一言が抑止力になる。地域住民同士の挨拶は、犯罪抑止だけでなく、地域の連帯感を高める効果もあります。

⑤ “昼は安全”という思い込みを捨てる

 昼間こそ狙われる、という意識を持つ。常に警戒心を持ち、防犯意識を高めることが重要です。

⑥ 防犯カメラの設置

 玄関や庭に防犯カメラを設置することで、犯罪抑止効果を高めることができます。特に、録画機能付きの防犯カメラは、万が一被害に遭った際に証拠として役立ちます。(「録画中」のステッカーも効果的)

⑦ センサーライトの設置

 人感センサー付きのライトを設置することで、不審者の侵入を検知し、威嚇することができます。特に、死角になりやすい場所に設置すると効果的です。

⑧ 補助錠の設置

 窓やドアに補助錠を設置することで、侵入に時間がかかるようにし、犯行を諦めさせることができます。特に、クレセント錠だけでなく、複数の補助錠を設置すると効果的です。

■ 地域差への対応

  • 都市部: マンションの高層階でも空き巣被害が発生しています。ベランダからの侵入や、宅配業者を装った犯行に注意が必要です。

  • 地方: 高齢者の一人暮らしが多く、訪問販売詐欺やアポ電強盗の被害に遭いやすい傾向があります。地域住民同士の見守り活動が重要です。

■日常の “クセ” を変えれば 8割 防げる

「犯罪は夜に起きる」という思い込み。
その油断が、昼間の空き巣だけでなく、強盗やストーカー、訪問詐欺まで呼び込んでいます。

私が刑事として見てきた現場は、“夜の恐怖”より“昼の油断”が被害を広げていた。
そして、日常のちょっとした習慣を変えるだけで、被害の8割は防げます。

どうか今日から、「昼間の隙」にも目を向けてください。
それが、大切な人を守る確実な一歩になります。

■ 防犯意識向上のための情報源

  • 警察庁Webサイト: 犯罪統計や防犯対策に関する情報が掲載されています。

  • 消費者庁Webサイト: 悪質商法に関する情報や注意喚起が掲載されています。

  • 地域の防犯団体: 防犯講習会やパトロール活動など、地域の防犯活動に参加することで、防犯意識を高めることができます。

 

『進化する犯罪…その先へ。』

私が代表を務める 刑事事象解析研究所(ケイジケン) では、
学校や企業、地域で「昼間にこそ起きる犯罪」や「日常のクセが招くリスク」について、実例や心理学の知見を交えてお伝えしています。

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森 雅人(防犯法人ケイジケン代表理事) ゆくゆくは元刑事が運営するシェルター、リアル「メゾン・ド・ポリス」を運営したいと思ってます!