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施行された改正道交法に関する調査

自転車に係る改正道交法が施行されて2か月になる。施行1か月弱の段階での調査であるが、マーケティングリサーチ会社の(株)アイディエーションが行った「道路交通法改正に関する調査」の結果がリリースされたので紹介する。この調査結果のとらえ方はいろいろあると思うのでできるだけ客観的な調査結果を引用させていただくことにする。


|調査概要

○調査会社:株式会社アイディエーション(本社:東京都渋谷区)
○調査の対象:自転車または自動車(バイク・原動機付自転車を除く)を
      週1回以上利用する方(全国の男女669人)
○調査実施期間(本調査期間):2026年4月21日(火)〜4月27日(月)の期間
○調査手法:インターネットリサーチ
○本調査:669サンプル、
    自転車ユーザー330サンプル、自動車ドライバー339サンプル
○調査事項:道路交通法改正に関する調査

|調査背景・目的

同社では
2026年4月1日、道路交通法の改正により「自転車交通反則通告制度(青切符)」と「自動車が自転車を追い越す際の義務」が施行され、自転車の信号無視や歩道走行などの違反行為に対して反則金が課されるようになったこの制度がSNSやメディアでも大きな話題を呼んでいたことから、制度の浸透状況と生活者のリアルな声を明らかにするため、本調査を実施した。
という。

|調査結果

同社の調査結果の概要を要約すると次のとおり。

【青切符制度の認知】
➤ 制度の認知・理解状況等
青切符制度の認知率は約94%と非常に高い。しかし「内容まで理解している」と回答したのは48.4%、45.3%は「聞いたことがある程度」という。

出典:株式会社アイディエーションのリリース資料より抜粋引用

➤ 制度を知ったきっかけ(情報接触媒体)
テレビ・ラジオ(75.6%)が最多、次いでネットニュース(32.7%)、SNS(15.2%)と続く。
年代差が最も顕著だったテレビ・ラジオを年代別みると、50代(82.8%)・60代以上(83.8%)で特に高く、10代・20代は約60%だったという。

出典:株式会社アイディエーションのリリース資料より抜粋引用

➤ 認知率と遵守意向

イヤホン両耳装着・夜間ライト未点灯・携帯電話ながら運転・信号無視・傘さし運転・並走は、認知・遵守意向ともに80%以上と高い数値を示し、「歩道走行」については認知率が約80%と高いが、遵守意向は約43%だったという。

➤ 厳しいと感じる違反行為について
「歩道走行禁止」を「厳しい」と感じる割合は74.3%と最多、次いで「逆走」(49.3%)。
青切符制度についてどう思うかを聞いた自由記載設問では「車道走行は危険・難しい」が78件と最多、「自転車専用レーンなどの道路整備が先決」(49件)。

出典:株式会社アイディエーションのリリース資料より抜粋引用

➤ 自転車運転時の交通ルール意識変化
自転車ユーザーの約75%が「意識が変わった」、ただし「大きく変わった」は3割にとどまる

青切符制度の施行後、自転車を運転する際に交通ルールを守ろうという意識が変わったと回答した人は約75%であり、その内訳は「大きく変わった」と答えた人は31.2%、「やや変わった」は44.2%だったという。

出典:株式会社アイディエーションのリリース資料より抜粋引用

【追い越しルールに関して】
➤ 内容の認知・理解状況等

「自動車が自転車を追い越す際の義務」の認知率としては約78%、その内訳では内容まで理解していると回答したのは40.4%、改正があったことを聞いたことがある程度との回答は37.7%であった。

出典:株式会社アイディエーションのリリース資料より抜粋引用

➤ 情報を知ったきっかけ(情報接触媒体)
追越しルールに関する制度を知ったきっかけとして最も多かったのはテレビ・ラジオ(63.2%)、次いでインターネットニュース(28.7%)、SNS(14.2%)と続く。年代差が最も顕著だったSNSでは、10代(28.3%)、30代(24.5%)、60代以上では6.3%であったという。

出典:株式会社アイディエーションのリリース資料より抜粋引用

➤ 認知率と遵守意向
認知度では、「自転車を追い越す際、少なくとも1m以上の側方間隔が必要」(約69%)についての認知度は約69%であるが、遵守意向は約59%。
「安全が確保できない場面では後方で待機する」「十分な側方間隔が確保できない場合は時速20〜30キロ程度まで減速」の2項目は認知・遵守意向ともに低かった。

➤ 追い越しルールと罰則について
追い越しルールと罰則について「厳しい」と感じるかを聞いたところ、上位2項目は「3ヶ月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金」(62.9%)、「反則金7,000円・違反点数2点」(54.3%)、「自転車を追い越す際は1m以上の側方間隔が必要」(51.7%)であった。
また、自由記載回答では「道路が狭くて守れない・危険」が75件、「制度に対して反対・批判」(48件)、「渋滞の原因になる」(42件)と続く。

出典:株式会社アイディエーションのリリース資料より抜粋引用

➤ 自転車運転者の運転時の意識変化
追い越しルールの施行後、自転車を追い越す際の運転意識の変化について、「大きく変わった」は29.6%、「やや変わった」は38.0%であり、両者を合わせた意識が変わったのが約68%であった。

出典:株式会社アイディエーションのリリース資料より抜粋引用

|調査に関する総論

調査会社における本調査の総論の概要は次のとおり。

両制度ともに認知率は高く、「施行されたこと自体は知っている」という状況は約1か月で実現された。また自転車ユーザーの約75%、自動車ドライバーの約68%が「運転意識が変わった」と回答しており、制度施行による意識変容への一定の効果は確認できている。
一方、課題は大きく2つ。
○「内容理解の不足」。青切符制度で約45%、追い越しルールで約38%が「聞いたことがある程度」にとどまっており、制度の存在を広めるフェーズから、正しく理解してもらうフェーズへの移行が必要。
○「歩道走行禁止」に象徴されるルールと道路環境のギャップ。認知率が約80%ありながら遵守意向が約43%、厳しいと感じる割合が約74%。これは生活者の「ルールに従いたくない」という意識の問題ではなく、「今の道路では守りたくても守れない」という現実を反映していると考えらる。
制度の「周知」から「納得」へ、生活者の実態に寄り添った交通安全の促進が、今まさに求められている。

出典:株式会社アイディエーションのリリース資料より抜粋引用

|おわりに

アンケート調査であるが、自転車ユーザーも車の運転者もまだまだ他人事、自分のこととはとらえていない人たちが多いような気がする。
先日取締り1か月の検挙状況が警察庁から公表されたが、それをみても、遠慮しながら取締りをしているという感じがする。特に、自転車ユーザはこれまでの甘え(自転車は歩道走行できて当然)という原則と例外の反転した意識を払しょくするようにしないといけないだろう。
なぜなら、警察による違反の取締りは、やや甘いかもしれないが、現実的には歩道において自転車の関与する事故が発生している現状を、自分のものとしてとらえていただきたい。民事訴訟では自転車側に大きな責任を負わせる内容の判旨が多く出されているこのである。
歩道通行することができないのではなく、や無得ない場合などには通行することができ、かつ歩行者優先の意識をもって運転すればよいだけだ。
歩道を車道の如く自転車が疾走することが問題なのである。

参考資料