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僕らはアニマルポリスKIDS 第1話

傷ついてる動物達を見過ごせない!

#ペット #動物愛護 #児童書  

今は2070年
 肩を並べていた先進国よりも恥ずべき話だが200年ほど遅く
 2050年年にみんなの願いが叶いでやっと日本にも
 アニマルポリスが設立された。
 設立時に付属ボランティアとして、ジュニア部が設けられた。
 正式名は アニマルポリスキッズ
 子供達が捨てられたり怪我をしたりして困っている動物たちを
 見つけやすい目線を持っている事や、かすかな救いを求める鳴き声も
 聞き逃さない聴覚を持ち、尚且つ、行動範囲の広さ=保護範囲の広さ
 なども考慮されたゆえだ。
 まあ分かりやすく言えば、暇な時間が大人よりあるし、目線が大人より
 低く動物たちを見つけやすいし、モスキート(蚊の飛ぶ音)
 音がよく聞こえる=かすかな音も聞き逃さない。
 なんとなんといっても子供たちの情報網は侮れないからね!
 でも、ジュニア部開設本当の理由は子供の頃からの
 動物たちへの愛護の意識の向上も期待されたんだ。
 もちろん、学校が終わってからの部活動みたいな
 短い時間だけど、結構俺たち大活躍してるんだよ。
 子供だからと馬鹿にはできない。
 みんながそれぞれが持っている知識で、捨てられたり傷ついた
 ペットや野生動物たちを助けてあげたい!
 って気持ちが原動力なんだ。
 大切にしてもらえないペットたちはアニマルポリスに保護され、
 新たに大切にしてくれる新たな里親を見つけるんだ。
 無責任な飼いを摘発もするんだ。
 ペットを大切に出来ない悪い飼い主はアニマルポリスが許さない。
 もちろん、動物を虐待する人たちもね。
 可哀想な動物たちを救いたい!その為に毎日活動しているんだ!
 ではメンバーを紹介するね。小学校の5年生から高校生の5人。
 
 僕は片桐 護 17歳 高校2年生。
 すべての生き物が大好き!
 なんでも助ける!(害虫以外はね)
 両親と祖母、17才のミックス犬ロンと15才のミックス猫の
 ミーコと住んでいる。               
 
 藤木 葵 16歳 高校1年生   
 主に哺乳類が好き。
 可哀想な生き物たちの為に、頑張りたい!と、熱く語る。
 両親と5才の保護犬マロと、3才のましろという真っ白い猫が家族。
 
 里中 優貴 15歳 中学3年生 
 彼は主に、は虫類・両生類・魚類・昆虫等を
 とても愛でている。
 しかもそれらへの知識が豊富で心強い。
 みんな頼りにしているよ。
 女子たちの苦手部門でもあるからね。
 彼の家は亀、蛇、魚から昆虫までたくさんいる。
 両親と妹と住んでいるけど、みんな気持ち悪がっているとか。
 数は数えたことがないらしいが、多分30種で74匹前後かと。
 数えるのはもはや面倒なんだとか。
 は虫類、両生類、魚類の飼育免許も持っているよ。
 
 榊原 時彦 13歳 中学1年生 
 彼もすべての生き物が大好き。主に野生動物の知識は半端ない。
 絶滅危惧種への愛情は特に半端ない。
 家族は両親と祖母と、保護猫で、大福餅のようにもっちりとして
 しっぽがちょんまげのような猫の、まげ大福11才がいる。
  
 橘 由真 11歳 小学5年生   
 彼女も生き物は大好き。両親と鳥と猫が家族
 特にお母さんの影響で鳥が大好き。
 しかも彼女もとっても鳥に詳しい。
 趣味は散歩がてらのバードウォッチング。
 彼女の家にも鳥がたくさん。
 大型インコ数種・文鳥から十姉妹。
 さらになんと、猫のちょび10才とねね7才もいる。
 ほんとうは捕食関係なんだけど、彼らは子猫の時から
 鳥がいるので鳥の事は仲間だと思ってるらしい。
 お母さんはずっと巣から落ちている雛を保護しては
 育てて放鳥してくれていた。
 それはほぼ毎年で、とても大変だったとか。        
 でも今はアニマルポリスがあるから安心なんだって。
 
 みんな動物が大好きだからシフト以外の日でも土・日でも
 活動したいメンバーばかり。
 それぞれのもっている知識を生かして傷ついたり辛い思いをしている
 動物たちを1秒でも早く、多く助けたい。
 その気持ちはみんな同じ。
 大人のアニマルポリスに頼りにされる時もあるんだよ。
 もちろん経験は彼らには負けるけど、僕たちだって負けてはいない。
 そんなアニマルポリスキッズだけどまだまだ仲間が必要なんだ!
 只今メンバー募集中。
 
 少し話が出たけど、大人のアニマルポリスも紹介するね。
 もちろん僕たちと同じ様に動物たちへの愛情と正義感とを持ち、様々な
 経験と正確な知識で沢山の生き物たち助けている。
 僕たちは彼らに指示を貰って保護活動をお手伝いしているんだ。
 (ここだけの話、里中や榊原は巡査顔負けのコアな知識を持っていると
  僕は思っている。)
 
 巡査は3名
 沖田巡査部長 35歳 
 アニマルポリスの管理者。
 常に冷静で一番頼りになる人だ。
 しかも動物も大好き。家では元保護犬を2匹飼っている。
 ルナ8才とミミ9才
 どちらも飼育放棄だった。今は沖田さんの家族。
 奥さんと娘さんにも可愛がられてとても幸せそうだ。
 
 町田巡査 28歳 
 彼も経験豊富で頼りになる。悪質な飼い主は容赦しない。
 動物が好きなのだが独身で一人暮らしなので、
 我慢してシェルターの動物たちに癒しを貰っている。
 
石川巡査 23歳   
 まだ経験2年目だけど動物の為なら何のその。
 常に熱い心を持つ、ペットポリスの紅一点。
 怒ったり泣いたり忙しい人だが、
 それもすべて動物のへの愛情からくるもの。
 家には猫のキジトラのプーマ5才とゼブラ8才がいる。
 元保護猫達。
 彼らも幸せそうだよ。
 葵と性格が似ているから2人は気が合う姉妹の様。
 
 それとこの人達を忘れてはいけない。  
 獣医師2名 
 清水Dr 
 年齢不詳 でも僕が知っている限りでは、一番の名医だ。
 
 広瀬Dr 本人希望の年齢不詳 3人の男の子を育てあげたお母さん。
 子育てもほぼ終了で、今は動物たちの為に燃えている。
 とても熱い心の持ち主。
 大型犬のアフガンハウンド8才と暮らしている。
 一度に前書きしても分かりにくいと思うから
 シェルター内部の事は又おいおい紹介するね。
 
 2070年5年5月25日(金) 
 午後4時半 電話が鳴った。
 部署には固定電話まだあるよ。
 ぼくんちにはもうないけどね。
 固定電話と言っても、テレビ電話だからね。
 電話は僕が受けた。
「はい。アニマルポリスです。どうされましたか?」
 と、お伺いすると
「スズメの雛が巣から落ちててとても弱っ       
 ているの。どうしてよいのか分からなくて。
 でもそのままほおっておけなくて。」
 と、五十代くらいの女性からの通報が入った。
「分かりました。場所を教えて頂けますか?」
 と、言い、彼女から場所を聞きをスマホで確認し、
 会議中の沖田部巡査部長にメールで連絡した。
「分かった。とりあえず君たちが、その場所に向かってくれ。
 ではよろしく。」
 と、の指示を受けた。
 今日の、シフトは僕と葵と由真ちゃん。
 それに6時から時彦が参加出来るみたい。今日はピアノだとか。
 まあ、本業の勉学が優先との決まりだから仕方ない。
 鳥だから由真ちゃんは外せない。
 最年少だけど鳥の事では頼りになる。
 悩んだ末、由真ちゃんと葵ちゃんにお願いした。
 僕はお留守番。
 署には至る生き物に対応できる道具と餌が用意されている。

 小さな鳥用のキャリーバッグとまだ保温が必要と考えられるので
 小さなヒーターを毛布にくるんで入れた。
 あとはとりあえず摺り餌を少々。
 少しずつ流し込めるようにシリンジも用意した。
 準備が出来たので
「じゃあ。行って来るね。」
 と、言って、2人が出掛けた。
 通報者に教えてもらった場所に自転車で駆け付けた。
 署から十分ちょっと。
 通報してくれたと女性が心配そうにまだ見守ってくれていた。
「通報ありがとうございます。
 アニマルポリスキッズの藤木と橘です。」
 と、2人は証明書を見せた。
「ありがとう。この仔なの。」
 と、小さな段ボール箱に暖かそうな布をひいてくれたいた。
 人間の匂いが付かない方が良い。
 と、考え手袋をして対応してくれたらしい、
「大分弱っていますね。でも正しい対応をして頂き
 ありがとうござ いました。           
 温めて頂けたので生存率は上がりました。
 まだ育つかどうか分かりませんが、
 こちらで保護しますね。後はお任せください。」
 と、由真ちゃんが言った。
 素手で鳥を触ると人間の匂いが付き親が見捨てたり、鳥から人間にも
 感染する鳥インフルエンザというウィルスの感染が危険なんだ。     
 だから感染を防ぐためにも直には触らずに手袋する必要があるんだ。
 せっかく善意で通報してくれた人に感染したら大変だからね。
 まだ卵からかえって十日も経たない、ほとんど毛のない雛だった。
 周りに巣を探したが巣もなく、もし巣に戻したところで
 弱っているの育たないと由真ちゃんは判断した。
 鳥などを保護する場合、もし幼鳥が飛ぶ練習をしていた場合は、
 臭いが付かないように安全で自転車や車に引かれない様な場所に
 移動させて置けば親が雛に餌を与えにくる場合もある。
 離れた場所でそっと見守り、もし親が対応してくれたら
 親鳥に任せるのが一番。
 なぜかというと人間が育てるのはやはり難しいから。 
 由真ちゃんのお母さんは鳥育てのベテランだけど、それでも難しい。
 野生の生き物は、特に小さな鳥たちは難しいんだ。
 それにね親がいるなら親のそばがいいに決まっているよ。
 まずはこの場所で出来る応急処置として由真ちゃんが
 水でといた摺り餌を雛の口を開けて少しだけ2滴程流した。
 くったりした雛は反応が薄い。
 でも諦めずにくちばしと舌に何度も優しく刺激を与えた。
 雛はゆっくりだけど飲み込んだ。
 飲み込むのを確認して摺り餌を少しづつ流し込んだ。        
 咽ない様にゆっくりと10㏄のシリンジの摺り餌を母鳥のくちばしが
 雛に餌を与えるのと同じ角度で慎重に飲む込む力に合わせて
 何度かに分けて与えた。
 根気よく何度も続け雛は5㏄をとりあえず飲み込んでくれた。
 その間、通報者さんも見守ってくれていた。   
 心配でその場から離れられなかったようだ。
 「では、署に持って帰り対応しますね。
  ありがとうございました。」
 と、お礼を言って、その場を後にした。
 署に連れて帰り、沖田巡査部長に報告した。
 「ああ、二人ともご苦労様。」
 と、言った。
 「親鳥も近場に見られませんでした。
  巣も探しましたが見つけるのは難しく、
  もし巣があったとしてもこの状態のまま放置すれ
  ば死んでしまうだろう。と判断しました。」
 と、年上らしく葵が報告した。
 「うん。分かった。じゃあ清水Drに看てもらおう。」
 清水Drは
 「弱っているからとにかく栄養を体が受け付られるかが勝負だね。
 とにかく諦めずに根気よく頑張ってみて。」
 と、の診断結果だった。
 もしかしたら、親が育たないと判断し見捨てた雛かもしれないし、
 もしかしたらやんちゃで暴れて巣から落ちたという
 不慮の事故かもしれない。
 とにかく私たちは育ってくれるようにこの小さな命に
 出来るだけの事をしてあげるしかないのだ。
 この命ははまだ生きようと頑張っているんだから。
「私もここに入っている時に時間が許す限りお手伝いします。」
 と、由真ちゃんが言った。
「ありがとう。心強いね。」
 と、清水Drが言ってくれた。
 応急処置で直ぐに摺り餌を少し与えていた事と保温で、
 雛は少しだけかすかだが鳴けるようになっていた。
 由真も葵も少しだけ希望が見えた気がした。
 保護した生き物たちは署のとなり別館のシェルターに入院する。
 巡査たちは夜勤の通報対応ががあるので、
 夜も交代で宿直がある。
 その時も保護された仔たちの事が気になりちょいちょい
 覗きに行ってくれてる。
 僕らに負けない位生き物好きだからね。
 でも通報の対応や保護が一番優先だ。
 アニマルポリスのDrの勤務時間は9時~5時だけど
 緊急オペなどが必要な場合、連絡を入ればどちらかが交代で
 対応してくれている。
 それにとなりの施設にも心強いシェルタースタッフがいるしね。
 ここにも入院時のインターンの獣医師が3名常勤し
 (もちろんシフト)で夜勤でも対応してくれている。
 重篤な病気で獣医師でないと目が離せない場合もあるからね。
 病気が治ると、次はリハビリ施設がある。        
 野生の生き物達が自然界で暮らしていける様に対応したり
 再び放す場所を考える。
 一度保護した生き物たちは1cmのチップを装着される。
 その後も元気でいるかの確認も出来るんだ。
 鳥部門・爬虫類・両生類・哺乳類部門。
 それに絶滅危惧種部門。
 リハビリにはその動物たちの知識に長けた職員がいる。
 部門ごとで対応し、徐々時間をかけて元の野生の生活に戻していく。
 野生に戻せない子たちは国で保護され、シェルター運営の様々な鳥園・
 爬虫類園、魚園そして哺乳類は野生動物園、それと絶滅危惧種園に
 分けられ生涯をそこで暮らす。
 絶滅危惧種は特に慎重に扱われる。
 絶滅してしまう恐れがある種類だから。
 もう100年後には見る事が出来なくなってしまうかもしれない。
 日本古来の種、ニホンオオカミも日本カワウソも朱鷺も絶滅してしまっ 。
 人間のせいであると言っても言い過ぎではない。
 だからこそに人間は守らなければならい。
 その他に全国にある動物園に希望されて動物園で
 暮らしていく仔もいるよ。
 国全体で野生動物たちも守るようになっているんだ。
 日本固有種は外来種にも絶滅に追いやられたのだけど、
 外来種の彼等に責任は無いのだ。
 お金儲けの為に持ち込んだ人間が悪いのだ。
 中途半端な気持ちでに可愛いからと飼い、持て余し捨てた
 飼い主が悪いのだと僕は思っている。 
 でも、彼等は駆除され、多くの命を奪われたんだ。
 今では、外来種指定で害獣として捕獲されたり傷ついて保護された
 外来種たちはみな可哀想だけど、もう繁殖が出来ないように
 避妊・去勢手術を施され外来種保護動物センターにて一生を終える。   
 そこは動物園の様に運営されている。アライグマやヌートリア・
 きょん・コンゴウインコ・台湾リス・カミツキガメ・ミドリガメ・
 ブラックバス・等など外来種の種類は沢山。
 飼い主が持て余し捨ててしまったために
 日本古来の動物たちが追いやられて住めなくなってしまった
 事への警告でもあるのだ。
 それを僕たちは忘れてはいけないから。
 その戒めを忘れてはいけないと外来種保護施設が設立された。
 何度もいうが彼らが悪いわけではない。
 駆除されるのはあまりにも不憫だと思う。
 
 今回のスズメの雛はまずシェルターへ入院だ。
 ちゃんと育てばいいんだけどね。
 キッズたちも通報がない時はシェルターで保護された生き物たちの
 お世話を手伝っている。
 と、言うか手伝いたい!お世話がしたいのだ。
 日に日に助けた仔たちが元気になると嬉しい。
 アニマルポリスは助けを求めている生き物達の保護のい窓口でもあり
 僕らはちゃんとケアのお手伝いもするんだ。 
 とりあえず7時になったので、由真は報告書をは提出して、
 今日のアニマルポリスキッズの任務は終了。
 帰り道
「知ってた?今日、雛を見て思い出したけど、
 鳥って可愛いのに目が怖い時があるよね。
 特に鶏の目。恐竜の目に似ているな~。
 と、子供の時から思っていたら、
 やっぱり恐竜の子孫だった。
 はっきりと判明したのはまだ50年位前なんだけどね。」 
 と、僕が言うと、もちろん時彦と優貴は知っていた。 
「恐竜がもし生きていたらきっと可愛いよね。
 小さいのは…。」
 と、葵が言った。
 大きいのはね…僕ら食べられてしまう。
 皆で想像して怖くなった。
 でも、それはそれで楽しそう…かな。
 なんて冗談を言いながら由真ちゃんを送ってそれぞれの家に
 自転車で帰った。
 それぞれの家に帰った。
 
 もうすぐ夏休み。早く来ないかな。
 朝から一日中アニマルポリスキッズの活動が出来るのにな。
 でも小学生は宿題があるからね。大変だ。

 2070年 6月11日(日)
 今日は朝からアニマポリスキッズの活動ができる。 
 今日はみんな勢ぞろい。休みの日はみんなほとんど揃う。
 由真ちゃんは毎日雛の様子を見に行ってお世話をしていた。
 少しずつ元気に成長している。
 網戸越しの日光浴も欠かさずに行いすくすくと育っている。
 由真ちゃんにも口をあけて『ご飯くれ~。』
 と、羽ばたきながらピーチクとアピールするようになった。
 この頃は籠ごと外に出し日光にもちゃんとあてて外の景色にも
 慣れさせているのだ。
 夜はまだ冷えるし、蛇等外敵に狙われない様に室内にいれているよ。
 でも昼間だからと安心は出来ない。見守りは必要なんだよ。
 外敵の蛇は1cmの隙間から入って来てくるから、
 雛などひとたまりもない。飲み込んでしまう。
 まあ、大きくなってきたし、そろそろ飛べるようにリハビリセンターに
 移動しその後は大空へ冒険に旅立つ。
 彼等には生きる事がもう冒険なのだ。
「まあ、ひとまず安心だね。僕らがやってあげられることは
 もうないのかも。無事退院だ。」
と、優貴が言った。
「でも、正直少し寂しいね。」
と葵がぽつりとつぶやいた。
「うん。そうだね。」
 と、やっぱりみんな思ってた。
 雛の話で盛り上がっていたところに通報があった。
 午前10時
「犬みたいなたぬきかな?なんか公園の側溝でうずくまっているよ。」
と、20代の男性からの通報だ。
 住宅地に迷い込んで帰り路が分からず弱っていたのか?
 通報者から場所を確認し、対象が野生動物なので日曜出勤の沖田巡査部長と僕と時彦で向かう事にした。
 今日はアニマルポリスの車にて向かった。普段は子供たちだけの
 場合は自転車だけどね。
 大きめのキャリーと保温ヒーターに哺乳類用ミルクと流動食と補液一式。
 後は普通に止血が出来る様な包帯とか、まあ車には応急救護用具は
 何でも積んである。本当は動物用の救急車もあるんだよ。
 でも、そこまでの緊急性はないと判断したみたい。
 ミルクと流動食は幼獣でなくても弱っている場合は胃や腸に
 負担にならないから食べやすいのだ。
 とりあえず通報者から教えてもらった場所へ急行した。
 車道から歩道迄歩いて移動した。
 通報者は急いでいたのでもういなかったが体長40cmぐらいの
 生き物が側溝にうずくまっていた。
 歩行者道路に近い公園だ。当たったとすれば車ではない。
 今は歩行者や自転車が走行する場所と車やバイクが走行する道は
 ほとんど分かれている。
 今の車の性能は良く動物が車にひかれることはほぼない。
 猫が飛び出してもひかれることはない。
 小鳥でさえ当たらない様に急停止する。
 虫はまだ難しいかな?
 センサーが関知して即運転が停止されるのでまずひかれて
 死んだりする事はない。
 車内の人は鞭打ちになりそうだけどね。
 それに今は車やバイクが走る場所は動物が入れないように
 区分けされている。はず。
 引かれるとすれば自転車かな?
 と、いうかなんで野生動物がこの場所に紛れ込んだりしたんだろう?
 最近は広葉樹や実のなる樹木を森に植樹しつづけた成果が表れ
 空腹で森から町に降りてくる動物もほとんどいないのに?
 ただこの場所は確かに里山に近いと言えば近い、
 もしかしたら親離れしたばかりで方向が分からなくなり
 他の動物たち例えばカラスに追われて動けなくなってしまったのか?
 それならありうる。
 「自転車に当たったのかな?それならその時に
  通報してくれればいいのに。
  アニマルポリスは24時間体制なんだし。」
 と、僕が怒った口調で言うと、
 「忙しかったのかもしれないね。
  それに僕たちみたいに動物が好きじゃない 
  人もいる。色んな人がいるからね。」
 と、沖田巡査部長がため息を尽きながら言った。
「でもこうして通報してくれる人がいたんだ。
 世の悪い事ばかりじゃない。」
 とも言った。そうだよな。
 と、僕も時彦も腹立たしさががあったけど納得もした。
 革の手袋を三人共装着し(革の手袋でないと噛まれたら大変)、
 毛並みは野生動物の独特の硬い感じ。
 その生き物を沖田巡査部長がまずは撫でた。    
 ぐったりしているから抵抗も出来ない様。
 なされるまま。熱がありそうだ。弱っているのは確か。
 事故か病気かは分からないがとりあえず車の中に持ち込んだ。
 怖がって暴れたり、もし逃がしてしまうともう二度と助けて
 あげる事も出来なくなる可能性もある。   
 もっと体力を消耗するし、ストレスで死んでしまうかも
 しれないという事だ。
 だから毛布にくるみ慎重に確実にケージに入れ
 揺れない様に両手でケージごと抱えて車まで運んだ。
 多分その生き物はホンドタヌキだと思われた。
 絶滅危惧種(頭数が少なく絶滅してしまうと予想されている種)だ。  
 野生動物に詳しい時彦が色々調べてみても
 多少のやせがみられるがホンドタヌキではないか。と
 判断した。とりあえずは車で出来る事をやるしかない。
 まずは蚤やしらみ駆除駆除の薬を首から背中に垂らした。
 ミルクを皿から飲む元気は少しあった。
 ミルクをまずは20㏄だけ飲ませた。
 沢山を飲ませても弱っていると胃が受けつけず吐く事もある。
 吐くことは体力を余計に消耗させてしまうのだ。
 六月とはいえまだ夏とはいえない。

 ずっとうずくまっていたのか?夜や朝方はまだ少し冷え込 み、
 昼は暑くなり寒暖差が激しい。しかもここ最近猛暑だ。                                         水分も飲めていないだろうから低体温や脱水も考えられる。

 車の中にある保定の台に乗せ、ケージの上部を開け、
 僕がホンドタヌキを暴れないように優しくなでながら抑えた。
「大丈夫だ。楽になるからな。」と、声をかけた。
 少し呼吸が早い気がするが、興奮も考えられる。
 僕が声を掛けながらタヌキを撫でて気をそらせている間に
 沖田巡査部長が背中を消毒し手早く針をさして補液を入れ始めた。
 始め少しだけ暴れたが直ぐに疲れておとなしくなった。
 少し温かい補液を250㏄入れ終えてからそっと見守りながら
 署に向かった。
 いつもクールな時彦だけど車の中でキャリーのタヌキに
「頑張れよ。もうすぐだからな。」と、祈るように声をかけて続けていた。 体温が触った感じ低体温ではかったのでヒーターは
 熱中症も懸念され使わなかった。署に付いた。
 車を降りキャリーを運び込みながらもタヌキに向かって
「大丈夫だよ。怖がらないで。」
と、声を掛け揺れない様に治療室まで運んだ。
 キッズのみんながガラス越しに興味深々で覗いていた。
「ホンドタヌキだって?絶滅危惧種だね。」
「元気になればいいね。」
 と、みんな口々に心配し祈るように見守った。
 広瀬Drの診察の結果ウイルス感染を起こし、少し弱っていたところに
 自転車に当たったのか、他の動物に追いやられどこからか落ちたのか?   
 あばら骨にヒビ入っているらしい。
 幸い内臓に傷はなく、でも少し熱がある。
 他の野生動物に咬まれたのかもしれない。  
 それと右足もくじいて腫れていた。歩くのも痛かったと思われる。
 とにかく様子を見るしかない。
 呼吸も安定してきたし心臓の音もしっかりしているので
 今のところ 命の危険はなさそう。     
 補液を入れたおかげで脱水がましになったのか
 少し食欲が出てきた。
 暫くは抗生物質と炎症を抑える薬を与えて様子を見るしかない。
 もちろん睡眠と栄養をしっかり摂れるように配慮して。
 診察の後、柔らかい餌を少し与えたら食べ始めた。  
 とりあえず3時間置きに少しづつ与えて様子を見る事にした。
 少しずつ食べた方が栄養は吸収されやすい。
 病気で疲れた体や胃にも。  
 後はシェルターのスタッフに任せれば大丈夫そうだ。
 こうして、ホンドタヌキを保護することが出来て良かった!と、
 思いながら報告書をわかる範囲で優貴が書いてくれて提出し後は
 沖田巡査部長が確認して今日のキッズの任務は終了。
 そうして日曜日の夕方になりそれぞれの家に帰って行った。
 それぞれの家でホンドタヌキの話題で持ちきりだったに違いない。
 だって僕らの両親は動物好きに決まっているから。
 家の母さんなんて可哀相に…と。 
 ホンドタヌキをの話を聞いただけでタヌキのこと思って泣いてたよ。

 
 




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