【37歳で乳がんになった看護師】手術〜左乳房全摘、センチネルリンパ節生検、リンパ節郭清、広背筋皮弁法術〜
手術台に横になると、
ものすごいスピードでモニター等の機械がつけられていった。
まな板の上の鯉すぎる。
ポッポッポとリズムよく自分の脈拍が聞こえる。
…鳩?
緊張と寒さで血管が出なかったのか、
麻酔科の先生が右腕でのルート確保に失敗し、右手背が使われることになった。
これは術後絶対邪魔になるやつだ。
そう思いながら鯉は鯉に徹した。
「ちょっと眠くなるよー。」
と声をかけられ麻酔薬が投与され始めた。
点滴の刺入部がめちゃくちゃ痛くて、
え!点滴漏れてない⁉︎大丈夫⁉︎薬が濃いだけ⁉︎
と思っていたら意識が飛んでいた。
そこからワープして、
夢を見ている時にものすごい勢いで起こされた。
「やぎさーん!終わりましたよー!」
いやめっちゃ眠い…寝かせてくれよ…
とイライラしながらなんとか目をこじ開けた。
目を開けた瞬間、挿管チューブがらめに入ったような気がする。
次に意識が戻ったのはドナドナされてエレベーターに乗る頃だった。
猛烈に寒い、震えが止まらない。
ねむいさむいねむいさむい。
状況がいそがしい。
看護師さんが電気毛布をかけてくれ、
震えながら再び眠った。
手術内容は、
「乳房の摘出は2時間で終わりました。
センチネルリンパ節生検で3ヶ所を検査した結果、
1ヶ所に転移が見られたのでリンパ節はとりました。
形成外科による再建手術が終わったのは16時でした。」
とのことだった。
眠った瞬間、起こされた感覚だったのに、
私は7時間もあの台の上にいたのか。
しばらくして今度は暑くて目が覚めた。
19時頃にはいとこにLINEを送ってびっくりされた。
その前に一通りXのチェックもした。
オタクなので。
痛み止めの点滴を入れてくれていたおかげか、
手術の傷は痛いより重いという感じで、
それほどつらくはなかった。
それよりも、尿道カテーテルが体を動かすと不快すぎた。
うちに入院している患者さんたちは、
なぜみんなこんな管を入れられて平気そうにしているんだ。
めちゃくちゃ気持ち悪いじゃないか。
20時頃、お腹の動きは弱かったものの飲水の許可がおりた。
ベッドの頭を上げてもらい水を飲んでいたら、
乳腺外科の先生が現れ、
リンパ節郭清のことを伝えられた。
あぁ、左乳だけじゃなくリンパさんともお別れだったか。
37年間お世話になりました。
21時。
推しグループがアルバム発売を控えていて、
メンバーごとにティザー映像が発表されていた。
この日は推しの映像が出る日で、
手術のご褒美だ!とウキウキしながら観た。
この時の私はまだ、
これから長い長い夜が始まることなんて予想もしていなかった。
