フジロックの思い出(2):2017年(Day2)
こんにちは、大豆柴です。
Spotifyプレイリストを自慢しているnoteです。
今年も開催の迫るフジロックについての記事を続けます。
あらすじ
念願のフジロックに初到着した大豆柴。
持ち物の準備は万端だったが、到着が遅れて1日目はあっという間に終了。
2日目は、参戦のきっかけとなった小沢健二とCorneliusが出演予定だが、ちゃんと楽しめるのか?
My Fuji Rock Festival '17
前編と同じプレイリストに、期間中に印象に残った(うち配信されている)曲を詰め込んでいます。
聴き流しながら読んでいただければと思います。
東奔西走のDay2
前述した目当てのアーティスト二組が連続出演するこの日。
目当てはそれだけではありませんでした。
思春期に憧れたMondo Grosso
大沢伸一によるバンドプロジェクト。
筆者は思春期にある縁で、自分より一回り大人の友人グループと交友があったのですが、その時にお姉さん達が聴いていたのが、このバンドがbirdをボーカルに迎えた「LIFE」。
こういうの聴いてるオトナお洒落!!
と、音楽そのものよりもこれを生活に取り入れてる人に憧れたものでした。
この年、十数年ぶりに同名義での新譜「何度でも新しく生まれる」がリリースされ、リード曲「ラビリンス」にはボーカルとして女優の満島ひかりを迎え、Mステでも話題になりました。
四皇の一角、Aphex Twin
イギリス出身の電子音楽アーティスト「リチャード・D・ジェームス」の最も有名な名義。
筆者が出会ったのは、大学の授業でした。
専攻外で一定数の取得が必要な単位、いわゆる一般科目のひとつで「芸術論」という科目があり、面白そうという理由で取ってみたやつです(単位は取れなかった)
その講義の1発目で紹介されたMVがこれ。
新しい環境で、突然でっかい鈍器で渾身の一発を頭にぶん殴られたような衝撃を受け、瞬間でこの世界観に沼りました。
今では、筆者の中で洋楽四皇の一角という存在です。
他はUnderworld、Radiohead、Bjorkです。
(そろそろ筆者の年がバレそうですね)
幸運にも、2016年にアンダワとレディへをサマソニで初体験できたので、この日のヘッドライナーに彼、明日がビョークで、四皇コンプリート!という算段だったのでした。
ちなみに、会場にはこんな顔出しパネルも設置されてました。
当然撮りましたよ、口角を最大限に上げて。

砂地のバカンス
ところで、プレイリストにサザンが入ってますね。
まさかサザンがフジロック出てたの!?と思った方がいたらごめんなさい。
これらを演奏していたのは「桑田研究会バンド」なる方々。
フジロック会場の最西端にある砂地のエリアは、かつて「オレンジコート」なるステージのあった場所です。
この年には既にその名のステージは廃止されていましたが、すぐ近くのフィールド・オブ・ヘブンの邪魔にならない規模の小さなステージのひとつとしてOrange Café(近くのフードコートエリアを含めた名前)が存在しました。
この日も朝からずっと雨は止まなかったわけですが、彼等のアクト中だけは湘南の海風を感じる謎のバカンス気分でした。
同じステージでは「王様(TRIPLE KING)」も初体験しました。
往年のハードロックをハイレベルなバンド生演奏で完コピしつつ、ボーカルは宴会芸のような出で立ちで「直訳ロック」する彼。
なんか子供の頃にTVで見た気がするが、生きてたのか!と思ってしまいました笑
MCの冗談にも90年代前半のような空気を感じつつ、生演奏の迫力は笑いながらも圧巻でした。

東西に長い会場の走行計画
フジロックの多様性を体感した昼が過ぎ、いよいよメインミッションです。
目当ての4アーティストをきちんと観ることができるのか。
タイムテーブルを整理します。
Cornelius /GREEN STAGE 18:50-20:00
小沢健二 /WHITE STAGE 20:10-21:10
Aphex Twin /GREEN STAGE 21:00-22:30
Mondo Grosso /RED MARQUEE 23:00-00:00
小沢健二 /PYRAMID GARDEN 23:30~
フェスの風物詩として、目当てのアーティストのタイムテーブルがダダ被りで取捨選択を迫られる、というのがありますが、それと同じか少し低い確率で「頑張ればいけるのでは?」というパターンになることもありますよね。
しかしここの難易度こそフジロックならではです、エリア間の移動がとんでもない。
まず公式MAPがこちらです。
この画ですと上が北です。

さすが、分かりやすいのですが、実際の位置関係を空から見てみましょう。
noteは縦の方が見やすいので北を左側に回転させた航空写真です(2025年にGoogleマップからキャプチャし、筆者が情報付記)

めっっっっっちゃ長いんですよね、フジロックの会場って。
オレンジ~ピラミッドって、直線距離でも5kmぐらいはありますか。
ドラゴンドラで向かえるデイドリーミングは位置的には完全に別会場ですので画像から除外しました。
山ですから、麓とはいえどアップダウンもあります。
Day2は土曜日で、来場者も多く混雑しています。
しかも前日から雨が続いており、地面はぬかるんでおります。
Mission1:Cornelius
5時間の観覧計画、第1ステージです。
終演後あるいは最悪巻きでホワイトへ向かえるよう、グリーンの上手側に位置取りし、垂れ幕とアンビエントな音響に浸りながら出番を待ちます。

コーネリアスにハマったのも大学時代からでした。
そのころ既に小山田圭吾は同名義での活動を一区切りし、YMOやオノヨーコなどのサポートがてら、「攻殻機動隊」や「デザインあ」などの劇伴を手掛けており、折角好きになってもライブを観る機会や新譜に触れる機会がありませんでした。
なので2017年「Mellow Waves」は本当に待望でした。
「Point」「Sensuous」でこの名義での音世界は極め切ったと思っていたところを超えてきて、しかも歌を大事にしているのが好印象でした。
この日のライブではSensuousツアー期からの演出に新譜の構成を追加したようなセットリストを展開してくれ、生コーネリアス初体験は大満足に終わりました。
・・・なので途中で抜けるなんて考えられず。
終演してメンバーが並んでお辞儀するタイミングで、それを背にホワイトへの競歩を開始。
Mission2:小沢健二
でもまあやはり、筆者と同じく元フリッパーズの2人を両方観たい人ってきっと多かったはずで、ところ天国からホワイトへ渡る橋あたりでいよいよ行列が渋滞し、10分では可聴エリアに滑り込むのがやっとでした。
都内の朝ラッシュのように人並みに流されながらホワイト後方に辿り着きますが、あまりの混雑ぶりにステージは見えず、遠くからは時折悲鳴も聞こえました汗
後から知った話、やはりオザケンでホワイトには入場規制がかかったようです。
そんなステージ後方は緩やかなモッシュ状態のホワイトの夜空に、ついに会場の誰もが知っていたであろう、あのイントロが木霊します。
スチャダラパーの煽りが聴こえたところで、おしくらまんじゅうのボルテージは最高潮に!(ついに使ったこの表現)
筆者は勿論、絶対に周りの人達もステージなんてまるで見えていませんでしたが、もう全員で大合唱です、ブギーバックを。
スチャのパートすら「ドカー!」「ルカー!」「すきー!」部分だけじゃなくて全部暗唱。笑
すっごい、楽しかった。。。
きっとオザケン本人もこの日の印象を強く記憶してくれたのでしょう。
後年の作品「薫る(労働と学業)」という曲で「土砂降りの雨の中で騒ごう、フジロックみたいに」という歌詞を挟んでくれています。
ステージ後半になってくるとヘッドライナーの下へ動き出す人々も現れたのか、モッシュは解消されたものの、ようやくホワイトPAテント付近まで移動できたぐらいで、実物の小沢健二はこの時点で拝むことができませんでした。
でもなんか、元々この人ってフィクションみたいな人物像あるしな、と妙に納得した記憶があります。
繰り出される新曲勢も耳馴染みが良く、やはりこの場も終演まで離れることはできませんでした。

Mission3:Aphex Twin
さて、既にヘッドライナーのステージは始まっています。
オザケンの余韻もおざなりに(ダジャレか)、グリーンへの競歩を倍速です。
一方通行のボードウォークを可能な限り追い越し走行です。
さっきまで落ち着いていた雨が途端に強くなってきました。
それと同時に、歩けば歩くほどこの苗場の自然を破壊せんとする重低音とノイズの木霊が近づいてきます。
リチャード、始まってんな!
こんなにワクワクする雨の徒歩はありませんでした。
グリーンに到着する頃にはいよいよ土砂降り。
そしてその雨粒を可視化でもしてるかのうような大量のレーザーがステージから放たれ、同時に不健康な電子ビートが会場全体を覆っていました。

残念ながら当然ながら、目まぐるしくリズムも音像も変えていくこのステージにセトリなどといった可視化できる区切りは無く、プレイリストも歯抜けになります。
彼のパフォーマンスを音声や映像で再現しきるのは不可能だと思います。
これは後追いできる空間じゃない。
でもあの「2017年の土砂降りの苗場にこれをわざわざ体験しにきた日本人」というペルソナを完璧に絞ったVJでの悪魔の遊びの様子だけは、めちゃくちゃ喧伝してえと思いました。
簡単にいうと、彼は自身の顔写真を部分省略した画像をアー写にしてたんですが、それを次々と別人の素材にも適用していくっていう。
観客、他の出演アーティスト、レジェンドなミュージシャンたち、政界、ニュースやワイドショーを騒がせていた人物、そして自分自身を容赦無く玩具にするパフォーマンス。
土砂降りと轟音とレーザーを同時に浴び続けるオーディエンスにはすべてがドラッグのように作用し、ここだけのヤバい広場でみんな爆笑しながら踊り狂っていました。
言葉が足りてる気がしないので、公式のライブレポートも読みやがれ。
Mission4:Mondo Grosso
ここまでで感動は満腹でしたが、会場を去るなんてとても考えられませんでした。
興奮状態のままレッドマーキーへ移動。
グリーンとレッドマーキーの間は近いですが、人気アーティストだったりこの日のような天候だと雨宿りに訪れる人も多く、ここでもやはり後方(ほぼテント外)に位置取り。
時刻はもう23時。
モングロのハウスミュージックが始まると、近くで売ってた何らかの炭酸系の酒(記憶が無い笑)との相性が抜群に。
でも演者の顔も少しは観たいな〜と思っていると、おいでなすったのは満島ひかり。
ボーカル登場時はスクリーンも使われて顔を見ることができました。
うわあ本物だ!とテントの中は大盛り上がり。

「いや芸能人観に来たつもりじゃないし」という素振りを誰に見られてるでもないくせに自分に取っていた筆者ですが、踊りも素敵でしたし、何よりそこから続くボーカルリレーと歌モノの連続には興奮が止まりませんでした。
birdも出演してくれましたし、特に大沢伸一「OUR SONG」のアンセム感がたまりませんでした。
プレイリストよく見ると曲順が逆だな、記憶が改竄されている…
Mission5:小沢健二、再び
その頃だったか、この日だけはオリーブ少女と化していた相棒から現在位置の確認連絡が。
土砂降りの中をホワイトからピラミッドまで無事に移動できた模様。
ここまで来ると自分自身も体力を心配しましたが、計画の中止は後悔するし、ここまでの感動を語り合いたいと判断し、最後の移動を開始しました。
ここからですよ、一番長い道。
フジロックではキャンプサイトを利用する人のみに専用のリストバンドが配布されます。
これによって利用者専用のルートが使用できるんですね。
みんながみんなテントに近寄れたらセキュリティも何もないですからね。
一方、ピラミッドガーデンというエリアは会場メインゲートを出て苗場プリンスホテルよりも東側に位置し、ここもまた別会場のような雰囲気を持っています。
つまり、めっちゃ遠いってことですが、キャンプサイトを使わない人がピラミッドガーデンに向かおうとすると、苗場プリンスホテル脇ではなく宿などがある苗場の道側を歩いていく必要があるのです。
これがもの凄くタイムロスになります…

エリア付近に近付く頃には出演予定から1時間が経とうとしていました。
間に合わなかったか…と思っていましたが、他のエリアと違う、なんだか"温かな"空間が目の前に広がると同時に、吟遊詩人のアコースティックな歌声が聴こえてきました。

聴き取ったのは小沢健二「神秘的」。
今ではこの時の遠巻きに聴こえてきた記憶と直ぐリンクできます。
その後はステージ付近、なんとか目視で本人を確認できる位置まで到着。
小沢健二は実在してたし、ちゃんと苗場に居た!
ホワイトではMCもまともに聴こえなかった、彼のステージの名物ともいえる朗読のターンも嗜むことができました。
フジロックでのこの談話(?)は彼自身が後にグッズとして書籍化してくれています。
夏休みのルーツを辿る話が特に面白かったな。
それにしても、遅れてきたのに随分たっぷり聴けるなと思っていましたが、後日知った話では90分近くステージに居てくれたそうです。
「流動体について」は音源よりも繰り返し繰り返しサビを歌ってくれて、この年の筆者のテーマソングに選ばれました(知らんがな)
Mission Complete!
なんと、無理めに思ってたミッションをコンプリートしてしまいました。
こうして自分史上でも屈指の祝祭めいた日として刻まれる2日目が終わりました………
と思ったら、過去のデータを見たところなんとこの後にレッドマーキーまで戻ってNina Kravizと石野卓球を観覧してたらしいです。
体力お化けか!お前オレじゃないだろ!

想像してたとおり、大ボリュームの記事となりました。
6000字間際。
次回で最終日とその後に触れ、2017年のフジロックについて感想を締めたいと思います。
全部の年について書くのは間に合わない気がしてきました笑
引き続き、ご愛顧のほど。
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まさかとは思いますが、もし戴けたのであれば、謹んで愛犬のおやつ代とします。笑