この気持ちは、なんだろう?
ふとした瞬間、心がざわついて、どうしようもなく落ち込んでしまうことがあります。
誰かに傷つけられたわけでもない。大きな失敗をしたわけでもない。
でも、胸の奥が、じんわりと痛くなる。
昔の私は、そういうときに「また調子が悪くなった」とだけ思っていました。
不安定な自分、情けない自分、感情に振り回される自分に、うんざりしながら過ごしていたのです。
でも、あるときふと、こう思ったのです。
「この気持ちは、なんだろう?」
たったそれだけの問いかけが、私の中で小さな扉を開いてくれました。
名前がつくと、向き合いやすくなる
「不安なのかな?」「寂しいのかも?」「罪悪感かもしれない」
最初は、どれもピンとこなかったけれど、自分の気持ちに名前をつけてみようとするだけで、少し気持ちが落ち着きました。
まるで、正体のわからない霧の中に、ひとつひとつラベルを貼っていくような作業。
「これが悲しみか」「これは怒りだな」
そんなふうに整理されると、対話ができるようになるんです。
「そうだよね、悲しかったんだよね」
「うん、たしかに、それは怒っていいことだった」
名前がつくと、向き合える。
向き合えると、少しずつ、ほどけていく。
それを知ってから、私は感情に名前をつけることを意識するようになりました。
「私は幸せになってはいけない気がする」
ある日、「幸せになってはいけない気がする」という気持ちにぶつかりました。
これは、今までにない重たい感覚でした。
楽しいことがあっても、「こんなことしてていいのかな」と思ってしまう。
誰かに褒められても、「私にはもったいない」と感じてしまう。
笑顔になりかけると、「お前に笑う資格なんてあるのか」という声が、心の奥から響く。
それは、たぶん「罪悪感」だったんだと思います。
過去の失敗、誰かを傷つけた記憶、自分の不完全さ。
それらが胸の中にこびりついて、「幸せになる資格なんて、自分にはない」と思い込ませていたんだと気づきました。
幸せって、なんだろう?
そこから私は、「幸せ」という言葉そのものに疑問を持つようになりました。
幸せって、特別な人だけが手にしていいものなんだろうか?
誰かと比べて、自分が「勝ち取った」と思えるものじゃないとダメなのか?
間違いを犯した人間には、許されないのだろうか?
でも、考えてみると、私が見てきた“優しい人たち”って、自分を犠牲にして生きている人ばかりでした。
自分を後回しにして、他人に尽くして、いつも「自分なんて」と笑っているような人たち。
でもその姿に、どこかで違和感を感じてもいたんです。
なぜこの人は、こんなにも優しいのに、自分を大切にしないんだろう?
その答えが、少しずつ自分の中にも見えてきました。
自分に向ける優しさ
「幸せになってはいけない」と思っている自分に、こう言ってみたことがあります。
「その気持ちはわかるよ。でも、もう十分頑張ったんじゃない?」
誰に認めてもらえなくても、自分だけは、自分の味方でいたい。
その気持ちだけが、私を救ってくれました。
自分に優しくすることは、甘えじゃない。
自分を責めすぎないことは、逃げじゃない。
むしろ、自分を許し、整えることは、誰かのために生きるためにも必要なこと。
そう気づけたのは、感情に名前をつけ、見つめ、対話してきたからでした。
この気持ちは、なんだろう?
この記事を読んでくれているあなたも、
もしかしたら今、「正体不明のモヤモヤ」を抱えているかもしれません。
もしそうなら、ほんの少し、心の中をのぞいてみてほしいんです。
「この気持ちは、なんだろう?」
その問いから、何かが変わるかもしれません。
怒りかもしれないし、悲しみかもしれない。
後悔かもしれないし、許されたいという願いかもしれない。
どんな感情であっても、それは「あなたにとって大切な気持ち」です。
見ないふりをしないで、ただ静かに見つめてあげることで、少しだけ呼吸がしやすくなることもあります。
そして、名前のついた感情たちへ
私は、そんな感情たちに少しずつ名前をつけてきました。
「寂しさ」
「罪悪感」
「怒り」
「焦り」
「羨ましさ」
「無力感」
「期待と現実のギャップ」
そして、この記事で触れた「幸せになってはいけない気がする」という感情も。
感情は、敵ではありません。
その奥には、あなた自身が長く抱えてきた「大切な思い」が隠れているからです。
それに名前をつけることは、自分を責めるのではなく、自分を知るための第一歩なのだと思います。
おわりに
感情に名前をつけることで、自分の気持ちと少しずつ向き合えるようになった。
その体験は、今の私にとって、大きな財産になっています。
この記事は、そんな私の一つの体験です。
でも、もしあなたの中に少しでも「心当たり」があるなら、
「名前をつける」という方法を、試してみてもらえたら嬉しいです。
すぐにすべてが楽になるわけではないけれど、
たしかに、前とはちがう景色が見えるようになりますから。
※ もしよければ、コメントで「あなたの名前をつけた感情」や、「最近向き合った気持ち」などを教えてくださいね。
