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賛美

 いま、確かな愛をたたえて前を向くその目に、誰もが一瞬息を吞んでしまうほどの、その姿に、僕は、自分の命の波動が揺れ動いたんだと、そう感じることができた気がした。

 その一瞬だけ、全てがどうでもよくなった。君の生だけが、生きている君のその姿だけが、僕の目の前にあった。
 あらゆること。世界にうごめく生と保身の紙一重から産声を上げてしまうような、非寛容の有り様。そんなあらゆる忌避の対象なんか軽く飛び越して、すべてを確かに包み込んでくれるんだと確信できるほどに、前へ向く君の目に宿ったその光は、愛だと思えた。愛だったんだ。「無邪気さ」というレッテルを振り切ってくれるほどの力が、僕をそう信じさせてくれたんだ。あの一瞬、君のおかげで世界は最大限の賛美を受けられたのであって、僕はその賛美の目撃者でいられたことが、何よりうれしかった。
 
 世界を閉ざしてしまいたかった、あの一瞬にすべて。





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