フリクリを観て…鶴巻監督の「色」を感じたというお話
昨日、25年前のOVA「フリクリ」を全6話、鑑賞終了しました。

イラスト、キャラには割と昔から馴染みがありました
1月にトップをねらえ2!を観た時と動機は同じで、現在ジークアクスを堪能中のさなか、未見だった鶴巻監督作品を履修しておこう、と思い立った次第です。順番的にトップ2より前の作品なんですよね、フリクリ。
懐かしさを感じる、しかしちょい苦手な「オシャレ」さ
実は監督云々はあまり気にせず、ガイナックスの新作OVAだというだけで発売当時飛びついて、DVD一巻のみ買っていた記憶があります。…が、そこで止まっていて、2巻以降を買わなかった。

何故、続きを買わなかったか?というともう答えは一つなのですが、一巻、第1話を観て面白さを感じられなかったからなんですね。
現在でもこの作品に対する評価として「考えず、感じるアニメ」と、ブルース・リーの格言のようなワードがよく出てきます。
内容をザックリ言うと、主人公の少年、ナオ太が破天荒な宇宙人女・ハル子と出会いハチャメチャに巻き込まれるというもので、これが鶴巻さんの初監督作品だったことで知られています。基本的にはハイテンションなギャグ物で、終始次の展開が読めない不条理劇といった感じですね。

そこが地球外の存在であることを示唆してもいる気がします
コメディとして、笑えるところは笑えるのですがこういうテンションで押し切ってしまえ!的な作品が個人的にはあまり好みでないのもあり、当時一巻だけで投げてしまったアニメでした。今、配信で観られるので「6話くらいなら…」と再度視聴に踏み切ったのですが、さすがに25年前、時代を感じる部分も多々ありつつ
「やっぱりこれ、ちょっと苦手かも」
と思いながら、流し見に近い感覚で最終話まで走り切りました。
どうもこの頃の、
「アニメ作りにこなれて来たスタッフによる暴走気味の表現」
「キャラが制作陣の代弁をしているようなメタな台詞」
「メインキャラが抱えた暗い事情があるのに、それに向き合わない展開」
といった作品の特徴に「洒落たアニメを作るぜ」的な気取りを感じてしまい、気持ちが乗らないという経験を何度かしています。もっともこれはあくまでも私個人の印象であり、ただの好みであることも承知しています。
作り手の意図を全て汲み取ることは無理ですが例えば一つでも、笑える場面があればそれでいいのかもしれませんね。

確かに雰囲気的にカートゥーンネットワークで放送されそうなものがありますね
一つ気付いた、鶴巻監督の作風
しかし、なんとなくで観たこの作品でも収穫はあり、トップ2と併せると鶴巻和哉監督作品の「傾向」が見えたんですね。
それは、嫉妬です。
ハードSFであったり、ドタバタギャグだったりの中に必ずドロッとした感情が混ざっているのが鶴巻作品の持ち味ではないかと感じました。
トップをねらえ2!ではトップレス内での序列で、フリクリではハル子に対するナオ太の気持ちで、などなど必ず嫉妬が描かれています。では現在放送中のジークアクスでは?…考えるまでもないですね、大人気のオジサンがまさにそれです。嫉妬、というところにまでまだ至ってないかもしれませんが。
その他一般市民と難民、オールドタイプとニュータイプなど、嫉妬の種が割と多い所に注目して観ていこうと思います。

マミ美が真の主人公である、という論も見かけました
個人的にはそこまで好きなタイプではなかったフリクリですが、ナオ太とハル子のラブストーリーという芯を見れば面白かった、と言える作品でもありました。振り回されるけど、いなくなるのは寂しいという年上のお姉さん。少年時代の淡い恋として、鉄板ですもんね。
脚本のゼミに通っていた頃、課題で「愛する一瞬」というテーマを書いたことがあります。
もう書いたのは7年前になりますね、ちょっと恥ずかしいですが。
この課題では、「愛を感じた瞬間を描写する」ことが求められていました。
フリクリを観て、この課題のことを思い出したのですが、
「ナオ太がハル子を好きになったのは、いつからだろう?」
というのが気になったんですね。単に私が見落としていたなら申し訳ないのですが、明快なその瞬間、というのは無かった気がします。ですが、わずか6話の中でも一緒に過ごしているうちに、ナオ太の心の中にハル子が住み着き、離れなくなった…これが回答だと思うんですね。テレビアニメ、連続ドラマでは珍しくないパターンであります。
つまり、一瞬ではなく「愛する時間」があったという話で、短めのアニメでありながらしっかり変化、ドラマになっている点は素晴らしい作品だなぁと思いましたね。
ハル子ほどぶっ飛んでいるともはや…ですが、それ以外のキャラクターも少し浮世離れしている印象で、感情移入の難しいアニメでした。そんな中でもハル子にはっきり好きと伝えたナオ太は巻き込まれ型ながらちゃんと主人公で、物語を締めてくれていましたね。彼が中心だったことは良かった。

そして観ているうちに、ハル子に既視感を覚えていたのですが…観終わった後で気付きました、今更ですが、六花ママです。

仮に映画のカオス状態のようにアレクシスが旦那だったとしても、
ハル子なら…とか思っちゃいます
思えば2000年ごろはエヴァ熱も高く、ガイナックスの名前だけでDVD買ってたんだなぁと25年前を懐古しつつ未見の作品を一つ消化しました、というお話でした。
フリクリは続編もいくつか作られているようですが…そちらにはあまり関心が沸きません。気が向いたら…観るかもしれませんが。
