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ウルトラセブン第37話「盗まれたウルトラ・アイ」が神回だと伝えたい

もう一週間近く過ぎてしまってなんなのですが、6月16日がウルトラセブン第37話「盗まれたウルトラ・アイ」の放送日だったことを知って思い起こしていました。

我がバイブルであるウルトラセブンの中でも、トップ5に入る大好きな回です。最近特撮の話をする機会が減っているので少し回顧したくなりました。

実はこのタイトルが盛大にツッコまれる要素だったりするのですが
この回の前にも、ウルトラアイを何度も盗まれていますので

ウルトラセブン第37話 / 「盗まれたウルトラ・アイ」

地球に侵入した円盤を追跡したダンは、搭乗していた少女・マヤの襲撃を受け、ウルトラアイを盗まれてしまった。マゼラン星人はセブンの動きを封じ、巨大な恒星間弾道弾を発射して地球壊滅を目論む。母星からの迎えを信じて待ち続けるマヤに対し、ダンは母星が彼女を見捨てたことを告げる……。(ツブラヤイマジネーションより引用)

これは、セブン後半に多い特撮シーン少な目のドラマ偏重回です。
ウルトラセブンという番組名を冠しながらセブンの活躍がほとんど無いという異色のエピソード、予算面の都合という大人の事情があってのことですが、結果的にSF作品として非常に高クオリティに仕上がっている「怪我の功名」な1エピソードであると、個人的に思っています。

宇宙人がどんな姿をしているか、は想像力の果てに

この回には怪獣や異形の宇宙人は登場せず、地球に潜伏した宇宙人、マゼラン星人マヤが出てくるのみです。その姿は地球人と変わりなく、凛とした美しさを持つ少女でした。
その悲劇的な末路と共に、私的にも強く印象に残った存在です。ダンのモノローグの通り、この星で生きていって欲しかった。

ウルトラシリーズには、宇宙人が多数登場しますがそれらはよく人間態、地球人に擬態することがあります。それらは当然、俳優さんが演じるので姿は日本人と同じものになりますが…幼少期、ここに疑問を感じずにはいられませんでした。

「変身しているのはわかるんだけど、こんなに地球人そのままな事ってあるんだろうか」

という、子供にしては可愛げのないクエスチョンですね(笑)。
つまり、「だって人間が演じてるんだから」という番組制作者側のどうしようもない都合が見えてしまい、SF、ファンタジーとして見た時にちょっと興醒めだなぁという感想を持っていたわけです。
…まぁ、そんな生意気な考えを持ちながら、

こちらの記事に綴ったように、一部の「見た目は地球人な宇宙人」にしっかり恐怖していたというのもあった訳ですが。

そんな中で、このセブン37話のマゼラン星人マヤはどうなのかと言いますと、状況的にも視覚的にも完璧な宇宙人だと思っています。
単純に可愛いから気に入ってるだけでは?とツッコまれそうでもありますが(それも当たってはいます)、まず主人公たるモロボシダンが地球人の姿であることと相まって、二人で対峙する場面にしっかり「宇宙人同士」の描写がなされていることが大きいんですね。見た目は日本人そのままながら、全く地球人感が無いわけです。

宇宙人同士の対話シーン
声が届く距離なのに、テレパシーで会話します

お互い口を開かず、心の声だけで会話をします。
共に目を見つめ合って、「敵」から「同胞」へ移り行くドラマです。

マヤは終始無表情ですが、その心情を劇伴が表現しているんですね
視覚ではなく聴覚で訴えてくる、映像表現の技巧です
全てを知り、自分の運命を悟った時、無言でウルトラアイを返した
この時髪の後ろから取り出した所作も含め、全てが美しい存在でした

この、ダンとの対話の後、明確な描写はありませんが彼女は煙となって消えます。最後のダンの台詞で命を絶ったことが示唆されるのですが、この最期もまた、地球人とは違うことを訴えてきていますね。

見た目こそ地球人、日本人と同じですがその言動、所作、最期。
これら全てを以て紛れもない宇宙人だと感じさせたマヤの「見せ方」が、この回を忘れられないエピソードにしています。
「空想特撮」の醍醐味が詰まっている傑作回だと言って良いでしょう。

人を楽しませるには、まずアイディア

このセブン37話が、逼迫した制作現場の苦肉の策として生み出されたものなのは、後年になって明らかになった話です。放送当時どんな反響があったかは今となっては知る由もありませんが、セブン終盤の視聴率を見ますとあまり芳しい評価は得ていなかったように見受けられます。
やはり全体的に陰鬱な雰囲気と地味な画面、日曜日の夜に家族で観る娯楽番組としては良いものではなかったようですね。

ですがこの、「敵として現れた存在と距離が縮まるエピソード」はドラマとして暖かみを感じさせるものでもあり、この後のウルトラシリーズにも幾度か登場するものだったりします。性質は大分異なりますが、ウルトラマン80の第21話などもその類だと思います。ザッカル、忘れられない宇宙人ですね。

その回については、こちらで綴っています。

特に、現代と比べてアナログだった昭和の時代の特撮番組は見応えのあるもの、心に残る物語を創るために発想で勝負していた面が強いと思っています。セブン37話は、その極みだったと言えるのではないでしょうか。
「ウルトラマンなんて」と思う方にこそ、一度観てもらいたい一編であります。

ちなみに、マヤを演じた吉田ゆりさんは香野百合子と改名され
ご健在です、割と最近の出演歴もありますね
この、ウルトラセブン第37話がデビュー作だったそうです

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