ウルトラセブン第6話「ダーク・ゾーン」が遺した「常識」とは
先日、円谷公式からウルトラセブン6話の「新予告」が出ました。
常識の違い、が描かれた衝撃
この第6話「ダーク・ゾーン」は放浪宇宙人・ペガッサ星人が登場し、地球人との二重の意味での「衝突」が描かれる回です。今月いっぱい、ツブラヤイマジネーションで無料公開されているようなので、興味のある方は是非。これも初期の名作エピソードです。
あらすじ
アンヌ隊員のプライベート・ルームに謎の黒い影が出現した。黒い影は、自分の正体は宇宙人であり、危害を加えるつもりは全くないのだと語った。そのころ、宇宙空間都市ペガッサから、システムトラブルが発生したため、地球の軌道を変更してほしいという連絡が入っていた。このままでは地球と衝突するというのだ!(ツブイマより引用)
この回で私が印象に残っているのは、新予告にもあります
「地球は自分で動けないのか!?勝手に動いているものの上に、人間は乗っかっているだけなのか!?」
と、ペガッサ星人が驚くところです。
子供心に、相当衝撃があった台詞ですね。
まず、子供時代というのは「常識」が外側からの情報で形成されていっている段階なのでその時点で揺さぶられた、というのがあります。
大人になってからこれを見ると、「宇宙人を表現した台詞」の一つとして流してしまっていたかもしれません。住む場所が違えば常識も変わる、という認識を得たのは大きかったと思います。ポイントはペガッサ星人が驚いていた、というところで「なるほど、君たちはそうなのか」と受け入れてなかった部分にあります。宇宙人も自分達の常識に基づいて生きている、というリアルを描いた、実に秀逸な描写です。
そしてこれが印象的かつ、ウルトラセブンの面白さなんですね。

終盤の悲劇に効いてくる、そんな物語です
そして、ある有名アニメにも
ガンダムでお馴染みの富野喜幸監督の、個人的にはある意味正当な「ガンダムの続編」だと思っている「伝説巨神イデオン」という作品があります。奇しくも、先のダーク・ゾーンと同じ6話に「裏切りの白い旗」という回があり、休戦を呼びかける白旗が、異星人にとっては徹底抗戦の合図だった為総攻撃を仕掛けられる事態になってしまう…という話です。
これもまた、異文化との認識の相違を描いたもので、ペガッサ星人の回を彷彿とさせました。こちらはアニメですが、どちらにも共通しているのは
「小さな不一致が、悲劇を招く」
という悲しさを描いている点です。
これは日常にもある事で、「避けられた」諍いが沢山ある訳です。人間が最も忌み、恥じるべきは「無知」である…これらのフィクションは、そう伝えているのではないでしょうか。
「未解決」のドラマ

結局この回、防衛の為にペガッサ市は破壊され、星人もセブンと対立するものの攻撃を受けて逃げていきます。
科学力では地球人を大幅に上回っているペガッサ星人ですが、爆弾の破壊力だけはこちらも張り合えたという点に皮肉も入っている気がします。
ペガッサ星人は今も街のどこか、ダーク・ゾーンに潜んでいるかもしれない…という含みを持たせてこのエピソードは終わる訳ですが、そう、「終わっていない」んですね。
のちに平成セブンで復讐に向かってきたり、ジードこと朝倉リクの友達だったりで何度か登場するペガッサ星人ですが、こうして「地球のどこかにいる」存在としてウルトラの世界に残っています。そういう存在を生み出した点で、かなり大きな痕跡を残したのがこの「ダーク・ゾーン」なんですね。
私も創作をやっている身として、こんな「空想」を描いていきたい。
そう思わされる、セブンの1エピソードなのでした。
