GROWモデルの限界を超える6つの質問⑧


オプションを増やす

GROWモデルでGROW(成長)するために大切なのがOオプション(選択肢)です。

これまでとは違う進み方を検討、実施するからこそ私たちはGROWするのです。

選択肢を増やすプロセスがなかったら、気合と根性で目標達成する疲弊モデルになりかねません。

是非、ゴールには、それぞれどんな実現方法があるか考えてみて下さい。

富士山の頂上に立つのがゴールだとしたら
・歩いて登る
・別ルートから歩いて登る(登山ルートもいくつかあります。一般に使われてないルートもあるようです)
・馬で登る(途中まで馬で運んでくれるサービスがあります)
・人に担いでもらって登る(体の不自由な人などでそうして登頂する人がいます)
・重機で運んでもらう(荷物などはそれであげているみたいです)
・ヘリコプターで上がる(どこに着陸できるか分かりませんが)

みたいに沢山のやり方があるわけです。

英語学習などでも、
・独学(これもやり方は沢山ありますね)
・英語コーチの活用
・英会話スクール
・オンライン会話
・大学で学ぶ
・海外留学
・海外転職
・外国人と付き合う
など手段を挙げればキリがないですし、
そもそも
・通訳を雇う
・友達に助けてもらう
・日本語話せる人を探す
・機械翻訳を使う
など自分で英語ができるようになる以外の手段がありな場合は、さらに選択肢が広がりますね。

クライアントが当初考えているよりも、ゴールの実現手段は多様ですから、オプションを広げる質問によって、視野を広げるのを手伝ってあげてください

オプションの質問

基本形は「ゴール達成にはどんなやり方があるだろう?他には?他には?」ですね

他には?というのは便利な質問で、繰り返し使うことで、クライアントの中から新たなアイデアを引き出すことができます。

明るいノリで「他には?」「他には?」と畳み掛けていくのは、コーチの仕事の一つです!変に遠慮せずにきいてあげてください(ジムのトレーナーが、あと5回!とか爽やかに追い込んでいく感じで!)

次によく使われるのがモデリングです。「あなたが憧れてる◯◯さんだったら、どんなやり方をしそう?」とか他の人のやり方を参考にするパターンですね。

同じゴールを達成するのでも、手法は100万通りで、いろんなやり方があるわけです。

目標達成が上手な人の、やり方を観察すると、単に努力をしているとか継続したいるだけでない、工夫に出会えます。

次に僕が大好きな質問です。

「この目標が余裕で達成できたとしたら、それはこれまでと何を変えたから?」

これこそがバックキャスト(未来から振り返って考えること)と言った質問ですね

コーチングがパワフルなのは理想の未来から振り返るからなのです。ぜひこの観点は忘れないでください

目線切り替えMAPと基本モデル10

さらに、右側の「もし◯◯だったら?」の仮説のエリアを使って

「もしあなたが自信に溢れていたら、どんなやり方をするだろう?」
「みんなが応援してくれるとしたら、どんなやり方をするだろう?」

などはどうでしょうか。これはアドラー心理学の考え方に基づいた質問です。

『嫌われる勇気』の中で言われているように、まずは心理的な目標として
・わたしはできる
・人々は仲間である
と思えるようになると良いのです。そうすると未来を切り開く勇気が生まれます。

先ほどの質問は「私はできる」「人々は仲間である」という前提だと、あなたはどんな取り組み方をするだろう、というものです。

普段とは違うアイディアがクライアントから出てくることもありますので、試してみてください。


WOOPというモデル

ニューヨーク大学のガブリエル・エッティンゲン博士は、楽観主義に関して研究するなどで、以下の発見をしました

楽観主義であるが故に、未来を変えられない人たちがいる。

楽観主義で「なんとかなる!」と思いすぎて、行動を起こさない。あまり状況が良くなくても、楽観主義だから、理想の未来を空想して、それで気分が良くなり、結局何もしない。だから現状を変えることが出来ない

楽観的であることの方が良いと考えていたのに
実はそうとも言えなかった。

そんな人が動けるようにと考案されたのが

メンタルコントラストです


心の中に楽観と悲観ではっきりとしたコントラストをつくる

こうなったら素晴らしいという未来VSこのままでは決してそうならない

というように明暗をはっきりさせるのです。

そうすると、楽観主義に安住できなくなります。

この考え方をもとに作られたのがWOOPモデルになります

Wish 願い
Outcome 目標
Obstacle 障害
Plan 計画

の順番で考えると言うものです。

Wishは願いです。できるかどうかは度外視して「こうなったらいいな」という願いです。Outcomeは結末の意味ですが、ここでは目標のことだと思ってください。現実的に目指すもの=目標のことをアウトカムと言っています。

そして、次はメンタルコントラストをつくるために、Obstacle障害ですね。目標に辿り着こうとすると障害が発生して、実現しないことをイメージしてもらうのです。

実際にゴールに向かって進む途中で、障害が発生することは多々あります。なぜでしょうか?新しいゴールに向かって進むことは、これまでの現実を乗り越えることなので、自分の内側でも、外側でも障害=トラブルが発生することが多いのです。

そしてその障害を乗り越えるためのPlan計画ですね。障害を乗り越える計画がある、ということがクライアントの安心感をあげますし、モチベーションもあげてくれます。これまでだったら障害に阻まれて変わらなかった人生が今度こそ変わるわけですから。

さらに、当たり前ですが、途中で起こる障害を事前に想定して織り込み済みにしておくことで、クライアントは実際に障害が発生しても、その問題の前でめげることなく進み続けられるのです。

これらの効果により、WOOPモデルを使うと成功確率が2-3.2倍になるとされています。すごい!!

障害対策がなぜ必要か

GROWモデルはゴールにむかってどんな行動をすればいいかは考えますが、どんな行動をしないほうがいいか、は考えないのです。

これは結構大切な観点です。

人間の多くの行動は習慣によるものです。外部の刺激に対して反射的に反応してしまうことで日常の多く時間をすごしています。

だから、GROWモデルでゴールにむかう行動を決めても、それ以外のほとんどの行動はこれまでのままなのです。

これまでの行動には

・ゴールに行くのに役に立たない行動

だけでなく

・ゴールに進むのを邪魔する行動

も含まれているのです。

だから、そういうものに気づいて、その行動をやめていく、ということも実は大切なのです。

だからコーチングで言うと、行動を決めるときに

「ではゴールに向けて何をしますか」
「逆にどんな行動をやめたり、減らしたりしますか」

の両方をきいておくのも良いですね。

私たちは毎日24時間使い切って生きています。だから新しく何かをするための時間を取るということは、何かにとっていた時間を減らすことでもあるのです。そう言った意味でも「何をやめますか」は大切な質問です。

ただ、それを超えて、ゴールにいくのを阻むような行動がもしあるなら、それをやめていくのは大切なのことです。

どんな行動がゴールへの道を阻むのでしょうか。それも障害について考えると浮かび上がってきます。

CO「ゴールに向かう途中で障害が起こるとしたらなんですか?」
CL「最初頑張りすぎると、しんどくなって、動くのをやめてしまいそうです」
CO「他には?」(網羅)
CL「上司からの新しい仕事を断りきれずに、物理的に時間がなくなること」
CO「あとは?」(網羅)
CL「妻に、そんなの意味あるの?と言われてモチベーションが下がる。。。」
CO「まだありそう?」(網羅)
CL「うーん。人にお願いするのが苦手だから止まってしまうかもしれない」

みたいなケースを考えてみましょう。

・最初から頑張りすぎる→しんどくなって止まる
・上司からの仕事依頼を全て受ける→時間がなくなる
・妻から言われたことを間に受ける→モチベーションがさがる
・人に頼まず、自分でやる→プロジェクトが止まる

ということですから「最初から頑張りすぎる」「仕事依頼を全て受ける」などがゴールに行くのを阻む行動なわけです。

だから、この手の行動に気づいたら、それを取らないようにする。これが障害の事前回避ですね

・最初から頑張りすぎずに、ゆっくりとスタートする
・上司からの依頼をすべて受けずに上手に断る
・妻から言われたことを間に受けず、こちらの考えをちゃんと伝える
・どう頼んだらいいかを明確にして人に頼むようにする

などの行動をとっていけばよいのです

次に、その障害が起こってしまった場合の対策、障害対策も考えてみることも大切です。

・しんどくなって止まったら、小さなことを少しだけやって再開
・時間がなくなったら、上司に仕事を引き受けすぎて無理だと相談
・モチベーションが下がったら、仲間と夢を語り合う
・プロジェクトが止まったら、即座にコーチに相談

など、何をしたらいいのか決めておくのです。対策がうまく決まらない場合は「そうなったらコーチに相談」としておくのが良いですね。相談できるコーチがいない場合は、誰に相談するか、緊急連絡先を事前に決めておくとよいです。

一人で悩むのをやめ、誰かに相談すれば目先が変わったり、気分が変わったりしやすいですから!

実はこれらはライフスタイル

・最初から頑張りすぎる→しんどくなって止まる
・上司からの仕事依頼を全て受ける→時間がなくなる
・妻から言われたことを間に受ける→モチベーションがさがる
・人に頼まず、自分でやる→プロジェクトが止まる

これらは実はアドラー心理学的にはライフスタイルと呼ばれるものなのです。その人の生き方のクセですね。

どうしても頑張っちゃう。どうしても全ての依頼を受けてしまう。どうしても相手の話を間に受けちゃう。どうしても自分でやろうとしてしまう。

子どもの頃から繰り返してきた、その人の生き方なのです。

だから、新しい目標を描いても、こういった生き方の癖は修正されることなく、日常の中で出てくるのです。

そして、そこを変えていかないと人生はなかなか変わりません。ということで、ぜひ障害対策の質問を活用してください

ゴールに向かって進んでいくとどんな障害が起きそう?
その障害が起きないようにするために何を変えたらいい?
もしその障害が起きたら、これまでと変えてどうしたらいい?

これらの質問によって、新しいライフスタイルを作っていきましょう!!


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