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確認の質問の「使い方」(前編)


 2024年1月1日から毎日コーチングやカウンセリングを実践するための有益情報を提供しています。その中でも毎回のように出てくるのが「確認の質問」ですね。この記事では、確認の質問の具体的な使い方を解説したいと思います。確認の質問がなぜ必要か?というそもそもの話は以下の記事を参考にどうぞ

確認の質問を使う

確認の質問10選

 まずは10選と書いてあるように、確認の質問自体はもっとたくさんあります。たくさんある確認の質問の中でマスターする優先度が高いものを10種類選んだのが上のリストです。(日本トップレベルのコーチカウンセラーのセッションの文字起こしから、実際に使用頻度の高い質問を選んで作っています)

 このあたりはNLPのメタモデルの質問が70年代アメリカのトップセラピストのモデリングから作られたのと似ていますが、確認の質問は日本語でコーチングカウンセリングするのに便利な質問をピックアップしていますので、活用いただけると嬉しいです。

 実際の使用例は、僕が出しているコーチングやカウンセリングのスクリプトの中で、確認の質問がどのように使われて、どんな効果を出しているかを確認していただくと良いと思います。そしてその場面で確認の質問が使われかった場合にどうなったかを想像すると、確認の質問の重要さがわかると思います。

 もちろん、これは「確認の質問」ですから、話している内容を確認したいときにはいつでも使えます。家族との会話でも、仕事上の会話でも良いのです。

A「なんか飲み物欲しいんだけど」
B「例えば?」(具体化)
A「コーラとか」
B「コーラならあるよ。他には?」(網羅)
A「ポテチとかある?」
B「ポテチはない。海苔せんべいならあるよ」
A「それじゃない」
B「それじゃなくて何?」(肯定形)
A「なんか揚げてるものがいい」

いつも確認の質問を

 気楽に使って使うのに慣れてください。実は確認の質問の中には、普段はあまり使わない質問もあったりすると思いますが、コーチ側の「慣れ」が重要なのです。コーチが慣れて「迷い」がなければ、クライアントは真剣に質問に答えようとしてくれます。ところがコーチに迷いがあるとうまくいかないんですよね。ですのでぜひたくさん使って自分がなれることをお勧めします。  

あとはセルフコーチングの時にもおすすめです。自分で自分にコーチングクエスチョンを投げかけて、その答えに「確認の質問」でセルフツッコミするわけです

CO「今週やれて良かったことは」(コーチングクエスチョン)
CL「Aさんと話ができてよかった」
CO「どうして?」(目的)
CL「Aさんが何を考えてるかわかったし、うまくやっていけそうだと思えたから」
CO「他には?」(網羅)
CL「私の気持ちが話せたのも良かった。これまでは遠慮して言えなかったから」
CO「気持ちが話せたっていうのは?」(具体化)
CL「いまの仕事にかける想いとか、ずっとやりたいと思ってきたことを話せたし、それを聞いてもらえたから」
CO「言ってみてどう?」(反芻)
CL「今回のことで自分の気持ちがかなり前向きになれたし、これからもたくさんコミュニケーションを取りながら進みたい」
CO「例えばどんなコミュニケーション?」(具体化)

セルフコーチングにも確認の質問

 紙に書いたり、パソコンなどで入力しながら、やってみるのがお勧めです。セルフコーチングも進みますし、確認の質問を使うのも上手くなると思います。

①具体化

 ここからは10種類の確認の質問を1つずつ取り上げ、使い方のポイントを説明していきます。トップバッターは具体化です。

 具体化が確認の質問の中で一番大切な質問です。結局何のことを言っているのか、具体的に理解することが基本になるからです。

CO「将来何になりたいの?」
CL「コーチです」

 ではわかったようなわからないような話ですね。ですから

CO「将来何になりたいの?」
CL「コーチです」(具体化)
CO「コーチっていうのは?」
CL「コーチングを仕事にする。。。」
CO「例えば?」(具体化)

 みたいに具体化の質問をすることで言っていることの中身を明らかにしたいのです。これはコーチ側が相手の言っていることを正確に理解する(特定する)ことにも役立ちますが、むしろコーチングにおいてはコーチが具体化の質問を使うことで、クライアントの探索が深まり言語化が進むことに意味があります。クライアントは自分でも自分が言いたいことが正確には把握できていません。具体化の質問をされることで自己内の探索が深まり、言語化が進むわけです。これはコーチが確認の質問を使うことの大きなメリットです。

 具体化のためには5W1Hの質問を使うのも良いです。 5W1Hは具体化を促進する質問だからです。(とは言え厳密にはWHYは具体化ではないので、それを外しての4W1Hの質問と呼ぶこともあります)

CL「コーチになりたい」
CO「いつまでに?」(WHEN)
CL「今年中に」
CO「どんなコーチになりたいの」(WHAT)
CL「相手が本当に生きたい人生を生きてもらうコーチ」
CO「誰にコーチングしたい?」(WHO)
CL「本当はアスリートがいいです」

 など。具体化になりますよね。そしてこれと「っていうのは?」「どういうこと?」「例えば?」などを組み合わせるとより、自由に具体化ができると思います。

 たくさん選択肢があるので、どうしたらいいか迷っている方は
「◯◯っていうのは?」か「(それって)どういうこと?」の練習から始めるといいです。これが基本だからです。そこに必要に応じて4W1Hを加えて行くと良いと思います。

 また未来の話を聴くときは「例えば?」が便利です。例えば?はハードルを下げつつ具体例を出してもらう質問なので、クライアントもまだ良くわかっていない話をしてもらうときには役に立ちます。

②網羅

 つぎは網羅の質問です。これは具体化の次に練習してください。「他には?」「あとは?」「全部言えた?」などですね

A「牛乳買ってきてくれる?」
B「どこの?」(具体化)
A「明治おいしい牛乳がいい」
B「OK!他には?」(網羅)
A「あ、パンも欲しい。超熟」
B「超熟ね。あとは?」(網羅)
A「うーん。それで大丈夫」

網羅

 やはりいつでも確認の質問大切ですね。牛乳ならなんでもいいなら良いですが、こだわりがあるかどうかはキチッと特定した方がいいわけです。これはコーチングではゴールを聴くときに重要です。良いゴールの基準としてSMARTというガイドラインがありますが、そのSがSpecify(特定)なんです。語られたゴールの中で、クライアントのこだわりがキチッと特定されているかが重要です。

 そして網羅ですね。2回使われています。おかげで超熟(パン)も必要とわかりました。何枚切りかの特定をしないのは、この二人にとってそれは了解事項なのでしょう(もしくは確認漏れ)。そして2回目の網羅の質問をすることで、他にはないことが確認されました。まさに網羅されたわけです。

 クライアントはいつでも自分の言いたいことを全て把握して網羅的に話しているわけではありません。見落としもたくさんありますので、いつでも「全部言えた?」「どれくらい言えた?」「あとは?」「他には?」など確認するのが良いです。

 コーチングをしていると「他には?」に助けられることは本当にたくさんあります。

 例えば僕のケースの中でも有名な「お父さんを殺した母の見た夢」でも「他には?」を多用しながら困っていることを教えてもらい続けた結果、奇跡のような変化につながるセッションとなりました。

 クライアントからすると「他には?」が続くと少し圧を感じると思いますが、爽やかに食い下がるのがコーチの役割です。愛をもってツッコミ続けるのです。そうでないと普通のコミュニケーションと同じになり結果が出にくくなります。ぜひ爽やかに愛をもって「他には?」と問いかけ続けてください

 最後に、網羅の質問に関しては「発散と収束」の原則も覚えておくと良いでしょう。他には?を使って発散させたら「特に何が大事?/良さそう?」などの質問で発散させるのです。以下に例をつけておきます

「この夏どこにいきたい?」
「ハワイ」
「いーね。他には?」(網羅)
「沖縄」
「それもいいね。あとは?」
「うーん。高知?」
「いいね!あとは?」(網羅)
「宮崎?」
「なるほど、あとは?」(網羅)
「ちょっとあとは思いつかない」
「じゃあそれらを踏まえて、どこが良さそう?」(発散から収束へ)
「うーん。高知かな?」
「おー。そうなんだ。どうして?」(目的)


③目的

 つぎの質問は「どうして?」です。この質問はコーチングの先生によっては使わない方がよいとされています。確かに使わないほうがいいだろう局面はありますね。

CO「前回のコーチングで決めた行動をやってみてどうでしたか」
CL「すいません。できませんでした」
CO「どうして?」
CL「。。。。いや、思った以上に忙しくて。。。」

 これはキツイですね。クライアントは責められているように感じて防衛的になっていく可能性がありますし、コーチとの関係も悪くなっていきそうです。したがってこのように原因を追求する「どうして?」の使用には気をつけたほうが良いと思います。

 逆にここで使う「どうして?」は目的を知るための「どうして?」です。

CL「コーチングを学びたい」
CO「どうして?」(目的)
CL「チームの人たちに元気なってもらいたいから」
CO「元気っていうのは?」(具体)
CL「。。。元気というか、もっと自分の意見が言えるようになって欲しい」
CO「どうして?」(目的)
CL「そうしたらもっといいやり方が見つかるかもしれないし」
CO「うん。他には?」(網羅)
CL「そうしたら、チームの結果ももっと出るかもしれないし」
CO「そっか。あとは?」(網羅)
CL「そうしたらみんな自信が持てるようになるから」

 のような使い方ですね。コーチングでは、目的を確認していくことは大切ですから、このように「どうして?」で目的に迫ってください。

 ではどんな言葉に対して「どうして?」を使えばよいのでしょうか。答えは「どうして?」ときくことで目的が出てきそうな言葉に使えば良いのです。とは言え、それだけではわかりにくい人は価値・判断・欲求・感情には「どうして?」ときくと、まずは覚えても良いかもしれません

価値「〜が好き/嫌い」「〜は良い/悪い」
判断「〜したほうがいい/〜しないほうがいい」「〜すべき/すべきでない」
欲求「〜したい/したくない」「〜が欲しい/欲しくない」
感情「楽しい/嬉しい/悲しい/腹立たしい など」

この4つには「どうして?」

例を見てみましょう。まずは価値

「私、海辺でのんびりするのが好きで」
「どうして」
「開放感が得られるし、自分らしくいられるから」→目的

 相手は開放感を得たい!自分らしくいたい! と言っているわけです。

次は判断

「これ以上息子には言わないほうがいいと思います」
「どうして?」
「息子を萎縮させても何なので」→目的

 この場合は「萎縮させない」ことが目的ですね

 ちなみにのちに紹介する肯定化の質問を重ねると

「これ以上息子には言わないほうがいいと思います」
「どうして?」
「息子を萎縮させても何なので」
「萎縮する代わりにどうなったらいい?」
「自信をもって取り組んでもらいたい」(欲求)
「どうして?」
「自分でもやれると知ってもらいたいし、どんどんチャレンジしてもらいたいから」→目的

 のようにも展開しますね。

 欲求の例は他には

「また車が欲しいと思って」
「どうして?」
「時間もできたし近場をドライブしたくて」
「え、それはどうして?」
「生まれた町なのに、全然知らないから。いろんなところにいって、もっとこの町を好きになりたい」
「そっか。好きになりたい。どうしてだろう」
「多分ずっとこの町で生きて行くから、本当に好きだなと思って生きていきたいから」→目的

 最後に感情です

「子どもといると楽しくて」
「どうして?」
「自分も子どもに戻れるからかな」
「どういうこと?」(具体化)
「自由になれるというか、なんでもやってみれるというか」→目的

 ネガティブ系だと

「職場にいるとイライラして」
「あら、どうして?」
「仕事が単調だし、私のアイディアが活かせない」→目的

 変化のある仕事がしたい。自分のアイディアを活かしたいわけです。

 ネガティブ系の感情だと

「職場にいるとイライラして」
「あら、どうして?」
「上司がうるさいし、全然わかってくれない」

 など一見、原因や問題が語られているようになることもありますが、

「職場にいるとイライラして」
「あら、どうして?」
「上司がうるさいし、全然わかってくれない」
「そっか。本当はどんな職場だったらいい?」
「自由にさせてくれて、わたしの話をきいてくれる」
「どうして?」
「もっと、自分の能力を活かすことができるから」→目的

のようにできますね。

 目的は階層状になっていて、目的→上位の目的→さらに上位の目的のようになっていくものです。だから「それはどうして?(それは何のため)」と問いかけ続けると、どんどん上位の目的が出てきます。

 どこで止めたらいいかは、難しくもありますが、最終的には、クライアントが納得感のある「目的ワード」が見つかり、それを指針に行動できることが大切です。

 わからなくなったら、とにかく目的をたくさん言葉にしてみて、その中からどれを選ぶと良さそうか一緒に考えてみてください

 次回に続きます!

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