見出し画像

【勝っている人は、気合いで勝っていない】『確率思考の戦略論』に学ぶ、「選ばれる確率」を上げる人の思考法

最近、マーケティングについて勉強してます

もちろん今までもやってたわけではないですが、
周りの人たちと話していて、もっと勉強したいなっと思ったわけです

そんな中で、出会ったのがこちらの本でした

『確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力』

ロジック大好き人間の私ですが、
正直この本は難しかったなぁっと思う部分も多かったです笑

ただ、内容は改めて素晴らしいと感じました

「頑張っているのに、なぜか選ばれない」
「良い商品なのに、なぜか売れない」
「実力はあるはずなのに、なぜか評価されない」

特に経営者や自分で事業をしている方は、
こんな場面に、心当たりはないでしょうか?

私たちはうまくいかない時、

「努力不足だった」
「センスがなかった」
「もっと根性が必要だ」

とつい考えてしまいます

でも、本書が教えてくれるのは、
もっと冷静で、もっと救いのある視点です

それは、

結果は気合いだけで決まるのではなく、
“選ばれる確率”の設計で決まる

ということです

つまり、
勝てる人や伸びるブランドは、
偶然うまくいっているのではありません

彼らは、見えないところでずっと、
「勝率が上がる構造」をつくっているのです

本書は、
ビジネス戦略を「勘」ではなく「確率」で捉え、
その成功確率を高める考え方を示してくれます

この考え方は、
コーチングにおいても非常に重要な要素を含んでいるため、

今回は本書の内容を土台に、
“成果を出す人の考え方”を、
記事を書いていこうと思います



1. コーチングの本質も、実は「確率を上げること」に近い

ここが今回、
特に大事にしたいポイントです

コーチングは、
相手を無理やり変える技術ではありません

相手の可能性を信じながら、

行動が起こる確率
継続できる確率
自己信頼が育つ確率
望む未来を選べる確率

を上げていく関わりです

だからこの本は、
マーケティングの本でありながら、
実はコーチングにもよく似ています

優れたコーチは、
「正論」を言う人ではありません

優れたコーチは、
相手が前に進めるように、
環境・認知・意味づけ・小さな成功体験を設計する人です

それはビジネスで言えば、

「どう売るか」ではなく、
「どうすれば選ばれる確率が上がるか」を構造で捉えることに近い

人生も仕事も、
人はしばしば「根性論」で考えすぎます

けれど、本当に成果を変えるのは、
気合いではなく設計です

気合いだけではなんともならないことがある

2. 売上も評価も人生も、「3つの変数」で見ると整理される

本書では、
マーケティング戦略の重要変数として、

プレファレンス・認知・配荷

が重視されます

なかでも目次や紹介文から一貫して、
著者の森岡毅さんが最重要視しているのが「プレファレンス」です

プレファレンス:
消費者のブランドに対する相対的な好意度であり、
グロービスの書評でも、
価格・ブランドエクイティ・製品パフォーマンス
によって、主に決まると整理されています

この考え方を、
私たち個人の仕事に置き換えるとわかりやすくなります


①認知

まず、そもそも知られているか

どれだけ実力があっても、
存在を認識されていなければ選ばれません

これは転職でも同じです

能力があるのに通らない人は、
能力がないのではなく、伝わっていないことがある

社内評価でも同じです

成果が出ているのに評価されない人は、
成果がないのではなく、認知設計が甘いことがある


②配荷

次に、相手が選びたくても選べる状態になっているか(手が届くか)

商品なら店頭にあるかどうか

個人なら、
相談しやすいか、
頼みやすいか、
声をかけやすいか

たとえば、

「この人に仕事を頼みたい」と思われていても、

返信が遅い、
窓口が曖昧、
何ができるか不明、
頼み方がわからない

これでは“買えない商品”と同じです


③プレファレンス

そして最後に、最も本質的なもの

数ある選択肢の中で、なぜあなたが選ばれるのか

これが弱いと、
認知されても選ばれません

配荷されていても、
比較の中で負けます

つまり、

結果が出ない時に見るべきは、
「もっと頑張る」ではなく、

  • 知られていないのか

  • 選べない状態なのか

  • 選びたい理由が弱いのか

この3つです

ここを切り分けるだけで、
無駄な努力が減ります

努力量ではなく、
どの変数を動かすべきかが見えてくるからです

変数(動かせるもの)にフォーカスできているか?

3. いちばん重要なのは、「選ばれる理由」があるかどうか

本書の核心は、やはりここです

市場シェアの本質を決めるのはプレファレンスであり、
認知や配荷は重要ではあるものの、制約条件として働く

というのが著者らの基本的な考え方です

コーチングの現場でも、ここはよく起きます

多くの人は、

「もっと知ってもらえればうまくいく」と考えます

でも実際には、

知ってもらうこと以上に、
知ったあとに選びたくなる理由が必要です

これは発信でも営業でも面接でも同じです

  • 発信しているのに刺さらない

  • 会っているのに決まらない

  • 実績はあるのにリピートされない

こういう時はたいてい、
情報量が足りないのではありません

プレファレンスが弱いのです

では、プレファレンスとは何か?

それは一言でいえば、

この人・この商品・このサービスを、
他ではなくあえて選びたいと思う理由

そしてこれは、
ただ目立てばいいわけではありません

本書の文脈でも、
差別化は目的ではなく、
プレファレンスを上げるための手段として位置づけられます

ここは、人生でもかなり重要です

“違う”ことには価値がありません
“選ばれる形で違う”ことに価値がある

奇抜さは、
選ばれる理由にはなりません

相手の欲求や本能や願望とつながった時に、
はじめて価値になるのです

選びたいと思われる違いを作る

4. プレファレンスは、「ブランド・体験・価格感」でできている

プレファレンスは主に

ブランド・エクイティ
製品パフォーマンス
価格

これらによって決まると整理されています

これを、個人の仕事に翻訳してみます


①ブランド・エクイティ

あなたは、何者として記憶されているか

これは肩書きではありません
相手の頭の中にある「あなたらしさ」です

  • この人に相談すると整理される

  • この人は本質を突く

  • この人は熱量がある

  • この人は安心感がある

こうした蓄積がブランドになります


②製品パフォーマンス

実際に接した時、期待を超える体験があるか

  • 面談後に行動が進む

  • サービスを受けた後に変化が出る

  • 一緒に働くと仕事が前に進む

ここが弱いと、
認知は一時的でも、
継続的に選ばれません


③価格

ここでいう価格は、
単なる金額ではありません

相手が感じる「払うコストに見合うか」

時間、手間、心理的負担も含めて、

「この価値ならお願いしたい」と思えるかどうか

個人の仕事でも、
安ければ売れるわけではありません

高くても、意味がある価格なら選ばれます


つまり、選ばれる人は、

「知ってもらう努力」だけでなく、
記憶され方・体験価値・納得感まで設計しています

どう知られ、何を与え、相手が納得することが大事

5. 狭く刺すより、まずは広く取りに行け

本書の大きな特徴のひとつは、
目次でも明示されている通り、

「ターゲティングありき」という考え方への批判と、
「狭めるな!拡げよ!」という立場です

続編の書籍紹介でも同趣旨が確認できます
→これは次回の記事で👍

ここは多くの人にとって、
かなり意外かもしれません

私たちはよく、

「ターゲットを絞れ」
「誰に届けるかを狭めろ」

と言われます

もちろん、それが有効な場面もあります

でも、この本が示しているのは、

市場を狭く切り取りすぎると、
成長機会そのものを失う

という視点です

プレファレンスを伸ばすには
「水平拡大」と「垂直拡大」があり、

水平拡大、
つまり新しい人を増やしていく方向の重要性が語られています

これはコーチングでも非常に示唆的です

自分の価値を伝える時、

最初から
「この人にしか刺さらない形」にしてしまうと、
伸びしろを自ら削ってしまうことがあります

たとえば発信でも、

  • 専門的すぎて入口がない

  • 身内だけにわかる表現になる

  • “濃い人向け”に寄せすぎて新規が入れない

こうなると、確かに一部には深く刺さります
でも、広がりません

成長の初期に必要なのは、
「一部に熱狂されること」だけではなく、

より多くの人に“自分ごと”として受け取ってもらうこと

これはあなたの仕事にも置き換えられます

面接指導なら、
一部のハイレベル層だけではなく、
初心者にも届く言葉を持つ

コーチングなら、
理想論だけでなく、
今日からできる行動まで落とす

発信なら、
専門性と入口の広さを両立する

つまり、

深さを持ちながら、入口は広くする

これが、選ばれる確率を上げる設計です

マーケットは広く、深く

6. 本当に集中すべきは、「重心」である

ブランド戦略における集中ポイントを定める考え方です

「重心を衝け!」

これはコーチング的に言い換えると、

“全部やろうとしない”

ということです

成果が出ない人の多くは、
能力不足ではありません

力の分散です

  • あれもやる

  • これも言う

  • こっちにも良く見られたい

  • でも嫌われたくもない

こうしてエネルギーが散ると、強みがぼやけます

戦略とは、捨てることです
何に賭けるかを決めることです

だから、伸びる人は「何でもできます」とは言いません

代わりに、

「自分はここで勝つ」

を持っています

仕事でも発信でも面接でも同じです

  • この人は“安心感”が強い

  • この人は“言語化”が強い

  • この人は“行動変容”に強い

  • この人は“結果コミット”が強い

こうした重心がある人は、
記憶されやすい

そして、選ばれやすい

ここで大切なのは、

“何ができるか”ではなく、
“何で最も選ばれるか”を見極めることです

弱みを埋めるのではなく、強みを伸ばす

7. 「正しい努力」をしているのに報われない人へ

ここまで読んで、
苦しくなる人もいるかもしれません

「じゃあ、今までの努力は無駄だったのか」
「私は選ばれる理由が弱いのか」

そう感じるかもしれません

でも、そうではありません

この本の良さは、
才能論に逃げないところです

結果を「センス」や「運」で片づけず、
どこを動かせば勝率が上がるかに変換してくれる

これは、ものすごく希望のある視点です

うまくいかない時、
私たちは自分を責めがちです

でも本当に必要なのは自己否定ではなく、構造理解です

  • 伝え方が悪かったのか

  • 入口が狭すぎたのか

  • 選ばれる理由が弱かったのか

  • 相手に届く認知設計がなかったのか

  • 買いたくても買えない導線になっていたのか

こうして分解できれば、改善できます

コーチングも同じです

人は「ダメだから変わる」のではありません
変わりやすい構造ができた時に変わるのです

努力の方向性を見極めて、結果にインパクトを出す

8. 人生における「確率思考」とは何か

ここからは、少し大きな話をします

本書はマーケティングの本ですが、

私は同時に、
人生の選択にも通じる本だと思っています

人生は不確実です

どれだけ準備しても、
必ず思い通りになるわけではない

でも、不確実だからといって、
祈るしかないわけではありません

できることはある

  • 勝率の高い場所を選ぶ

  • 再現性のある努力を積む

  • 自分の強みが伝わる形を整える

  • 届く相手に、届く言葉で届ける

  • 感情で突っ走らず、構造で考える

つまり、人生もまた、

「勝てる可能性を高める設計」ができるのです

これは、以前の記事でも書いた

「決断とは、
不安をなくしてからするものではなく、
不安をポケットに入れたまま選ぶこと」

という感覚にも通じます

こちらが以前の記事👇

確率思考とは、
不安をゼロにする思想ではありません

不確実な世界の中で、
それでも前に進めるだけの勝率をつくる思想です

不安はなくすのもではなく、小さくして持ち歩く

9. 明日から使える、コーチング視点の実践チェック

最後に、この本を“読んで終わり”にしないための問いを置いておきます


1:あなたが選ばれない理由は、どこにあるか

  • そもそも知られていないのか

  • 選びにくい状態なのか

  • 選びたい理由が弱いのか


2:あなたのプレファレンスは何でできているか

  • 記憶される“らしさ”はあるか

  • 体験価値は期待を超えているか

  • 相手にとって納得感のある条件になっているか


3:あなたは狭めすぎていないか

  • 難しすぎる言葉で、新しい人を遠ざけていないか

  • 一部の人にしか届かない設計になっていないか

  • “広く届く入口”を持てているか


4:あなたの重心はどこか

  • 何でもできる人になろうとしていないか

  • 最も選ばれる軸は明確か

  • その軸に資源を集中できているか


まとめ:勝つ人は、勝ちやすい構造を作っている

『確率思考の戦略論』が教えてくれるのは、

結局のところ、とてもシンプルです

勝つ人は、根性がある人ではない
勝ちやすい構造をつくっている人

売上も、評価も、発信も、人生も

「なんとなくうまくいく」

を待つのではなく、

選ばれる確率を上げる

この視点を持てるだけで、
努力の質は一気に変わります

やみくもに頑張るのではなく、
どの変数を動かせば結果が変わるのかを見極める

それが、戦略です

そしてコーチングとは、
相手に「もっと頑張れ」と言うことではなく、

前に進める確率が上がる構造を一緒につくること

こういうことではないかなと思います

不確実な世界で、
未来を完全に支配することはできない

でも、勝率を上げることはできる

それだけで、人生はかなり変わります

いいなと思ったら応援しよう!