LステップとLinyの経営統合で何が変わるか
2026年4月、LステップとLinyの運営会社を含む3社が経営統合した。LINE拡張ツールの2大プレイヤーが一体になったことで、ツールを使う事業者の選択肢がどう変わるかを整理する。
統合の中身
2026年4月1日、次の3社の経営統合が発表された(ソーシャルデータバンクのリリース、Maneql側リリース)。
株式会社Maneql: Lステップの開発・運営
ソーシャルデータバンク株式会社: Linyの開発・運営
株式会社アローリンク: 採用領域のソリューション
統合後のプロダクトは3本柱に再設計された。

つまり、これまで「Lステップ vs Liny」として比較されてきた2大ツールが、1つの経済圏の下位プラン・上位プランの関係になった。
なお、よく並べて語られるエルメ(L Message)は運営が別会社(株式会社ミショナ)で、この統合には含まれていない。
料金への影響
発表時点で公表されている範囲では以下。
既存顧客は従来料金を継続できる
新規向けには大量送信プランの料金改定がある
エンタープライズ需要はLinyへ誘導される構造になる
「既存は据え置き・新規は改定」という発表内容からも、料金体系の再編は進行形。導入検討中の事業者は、契約前に最新の料金表を必ず確認したい。
事業者にとっての意味
競争圧力が減る
これまでLステップとLinyは、機能・料金で相互に競う関係だった。統合でこの競争はなくなる。
一般論として、競合が減った市場では価格が下がる圧力は弱まる。すぐに値上げという話ではないが、「他社ツールに乗り換えるぞ」という交渉カードが1枚減ったことは確か。
乗り換え先の選択肢が狭まる
Lステップからの乗り換え候補は、実質的にエルメなどの独立系ツールか、Messaging APIでの自前開発の二択に絞られていく。
Lステップには一度連携解除した公式アカウントに再連携できないといった離脱ハードルもあり(詳細は別記事『Lステップ解約前に知るべき3つのロックイン』)、「入ってから考える」のコストが上がっている。
上位プランへの誘導は悪い話ではない
一方で、統合を前向きに読むこともできる。月10万通超の大量配信や個別開発の需要がLinyに集約されることで、大規模アカウントには一貫したサポートラインができる。官公庁・大企業のように請求書払い・専任サポートが必須の組織には、むしろ分かりやすくなった。
ツール選定はどう変わるか
2026年時点での選定の考え方を整理する。
これから小さく始める: Lステップ含む既製ツールの手軽さは変わらない。ただし料金再編が進行中なので、年契約は最新条件を確認してから
すでにLステップを使っていて不満がない: 慌てて動く理由はない。既存料金は継続される
月額と将来の値上げリスクが気になる: 自前開発との損益分岐を一度計算する価値がある。計算方法は『Lステップと自前開発の損益分岐点を実額で計算する』に書いた
ツールに依存しすぎない設計にしたい: 顧客データ(タグ・友だち情報・シナリオ)を定期的にエクスポートし、ツールの外に自社資産として持っておく。統合・料金改定のようなイベントがあっても動ける状態を保てる
まとめ
2026年4月、Lステップ(Maneql)とLiny(ソーシャルデータバンク)の運営会社を含む3社が経営統合。LinyはLステップの上位プランに再定位された
エルメ(ミショナ運営)は統合対象外。独立系ツールとして残る
既存顧客の料金は据え置き、新規は料金改定あり。導入検討中なら最新料金の確認を
競争圧力の低下と乗り換え先の減少はリスク要因。顧客データを自社資産として持つ設計と、自前開発を含めた選択肢の把握が保険になる
TodoONadaでは、拡張ツールからMessaging API自前開発への移行や、ツール併用構成の設計を受けている。統合後のツール選定の壁打ち相談も歓迎。お問い合わせはこちら。
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