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LINE配信コストの下げ方。セグメント配信の実務

LINE公式アカウントの配信料は「全員に送る」のをやめるだけで下がる。標準機能とMessaging APIでできる絞り込みを、コストとブロック率の両面から整理する。

配信コストとブロック率は同じ問題

LINE公式アカウントの課金は配信通数ベース。そして業界平均のブロック率は20〜30%とされる(Social Plus調べ)。

ブロックした人には配信されない(課金もされない)が、広告費や店頭施策をかけて獲得した友だちの2〜3割が接点ごと消えている、ということ。そしてブロックの主因は「興味のない配信が多い」こと。まだブロックしていない友だちへの的外れな配信には通数課金が発生し続ける。興味のない配信を減らすことは、課金削減とブロック予防の両方に効く。2026年10月の料金改定(月5万通超の追加配信が実質値上げ)で、この見直しの優先度が上がった。

打ち手は3つ。効果の大きい順に

1. 配信対象を絞る(セグメント配信)

全員一斉配信をやめ、届けたい人にだけ送る。絞り込みの手段は3段階ある。


表1: 手段 / できる絞り込み / 追加費用


意外と知られていないのが、標準機能だけでもここまでできること。「先月のクーポンをクリックした人だけに再訴求」は、管理画面のオーディエンス機能で完結する。

APIのnarrowcastまで行くと、「最終来店から60日たった人」「予約履歴がある人」のような自社データ起点の配信ができる。2026年1月からは、計測タグを入れたWebサイトの訪問者ベースでオーディエンスを作る機能(Webトラフィックオーディエンス)も追加された(LINE Developers News)。

2. push配信をreply(無料)に置き換える

Messaging APIの課金対象はこちらから送るpush。ユーザーの操作に応答するreplyは無料公式の料金体系)。

設計をpush型からreply型に寄せるほど、課金は減る。

  • 「新メニューのお知らせを全員に配信」→ リッチメニューに「今月のおすすめ」を置き、タップした人に返す

  • 「予約リマインドを毎朝一斉配信」→ 予約者だけにpush(これは絞り込み)+ 前日の確認はユーザーのタップ起点に

リッチメニューは2026年7月に表示回数・クリック統計を取れる分析エンドポイントが追加されたので、reply型の設計がどれだけ機能しているかも数字で追えるようになった。

3. 配信の頻度と本数を統合する

週2回の配信を週1回にまとめるだけで通数は半分。LINEヤフーが推奨する配信頻度も週1回程度。

「もったいなくて送らない」のではなく、1回の配信の質を上げて回数を減らす。ブロックの主因は頻度過多と無関係な内容なので、これもブロック率対策と一体。

試算: 絞り込みでいくら変わるか

友だち10万人・スタンダードプラン(無料枠3万通)のアカウントを例にする。


表2: 配信設計 / 月間通数 / 追加メッセージ料(改定後単価で計算)


設計を変えるだけで月数十万円単位が動く。セグメント配信でブロック率を大きく下げた事例も報告されており(最大50%減の事例。Social Plus)、コスト減と効果向上が同時に狙える。

※試算は無料枠3万通を差し引き、改定後単価(20万通まで3円・超過2.5円)で計算。

ツールを足す前に確認したいこと

セグメント配信のためにLステップ等の拡張ツール(月5,000円〜33,000円程度)を検討する事業者は多い。判断の前に2つ確認したい。

  • 標準機能のオーディエンスで足りないか: クリック・インプレッション・友だち期間ベースの絞り込みは無料でできる

  • 絞り込みの軸が自社データにあるか: 来店履歴・購買履歴・予約情報で絞りたいなら、ツールでもAPI開発でも「自社データとの連携」が本丸になる。この場合の費用比較は『Lステップと自前開発の損益分岐点を実額で計算する』で書いた

まとめ

  • 配信コストとブロック率は同じ問題。「全員に送る」をやめることが両方に効く

  • 打ち手は①対象を絞る(標準機能→オーディエンス→API narrowcast の3段階)②pushをreplyに置き換える(replyは無料)③頻度・本数の統合

  • 友だち10万人規模なら、設計変更だけで月数十万円が動く

  • ツール導入の前に、標準機能でどこまでできるかの確認を。自社データで絞りたくなったら開発の領域

TodoONadaでは、narrowcastを使ったセグメント配信基盤や顧客データ連携の開発を受けている。2026年10月の料金改定前の配信設計見直しの相談も歓迎。お問い合わせはこちら

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