"IF" by Bread 〜 歌詞和訳
Bread の IF, ポピュラー音楽史上 最も美しい曲のひとつ .. だと思う。当然ながら筆者の主観だから「思う」を添えるけれど。
さて, あらかじめ「ことわり書き」しておくと, 第1章「前口上」は 雑談や脱線話題が満載。その長い前口上に退いたなら(引いたなら)即, 脱線話題は飛ばして, 第2章の「歌詞和訳」本編("IF" by Bread 歌詞和訳)へ。
なお, IF は第2章まで。最終章, 第3章は Bread に因んだ「遊び」です … というわけで, 時間に余裕のない方は まずは 第2章, がお勧めかも。
前口上
前々口上
忘れないうちに。「前口上」本編の章に入る前に書いておくと, 今日の note のタイトル画像の「美しい」女性の絵は, 1971年生まれのロシアの画家, Serge Marshennikov によるものです。歌のイメージに合わせて選んだだけで, 1960年代の終わり頃から1970年代後半にかけて6枚のアルバムをリリースしたアメリカ合州国のバンド Bread とは関係ありません。
それから, 今日取り上げる歌のタイトルは 普通 "If" と表記されるのではと思うけれど, なにぶん2文字だけなので文章の中に埋もれがち, 結果 目立たなくなるので, 本 note 上は IF の表記で統一します。もっとも, シングル・リリースの際の表記は共に大文字だったようで。とにかく, 今日は IF 🎶
それから, 1970年10月2日リリースの Pink Floyd のアルバム Atom Heart Mother の LP, B面に同名の曲があるけれど, そちらの IF の歌詞和訳についても, 本章「前々口上」の後段でリンクを載せます(*1, 2)。同名だという, それだけの縁で。
それから, が 2段落 続いてしまった。夏目漱石の「それから」は読んでないけど, 森田芳光が監督し, 松田優作, 藤谷美和子, 小林薫などが出演した映画版の方は公開当時 観ました。漱石はもちろん(!)森田と松田も既に故人, 「100円で」(カルビーポテトチップスは..)の藤谷は 2006年以降「芸能」活動は休止中。一方, 小林薫は今も現役。「イキのいい奴」再放送してほしい。「深夜食堂」シリーズ再開してほしい。
というわけで, "IF" by Bread 歌詞和訳 note「前口上」に入る前の「前々口上」, 早くも話が 飛んでしまった。大江健三郎「見るまえに跳べ」は筆者(当然ながら大江でなく拙者)が生まれる前ながら, 坂上二郎「飛びます、飛びます」はリアルタイムの世代, だから 飛ぶのは致し方ない。大江の「とぶ」は「跳ぶ」, 英語では Leap のようで。ならば坂上の「飛ぶ」は, 英語にすると どうなるんだ? Fly?
*1 原子心母 ー Atom Heart Mother by Pink Floyd, If 歌詞和訳付き
*2 原子心母 IF (歌詞和訳) 〜 狂気, 月の裏側 "Brain Damage", "Eclipse" by Pink Floyd
ではでは 🎶
「前口上」本編 〜 Bread "IF"
Bread の IF は, Paul Simon 作詞作曲の Kathy's Song (*1) と共に, ポピュラー音楽史上 最も美しい曲のひとつ .. だと思う。当然ながら筆者の主観だから, 「思う」。てか, 「我思う、ゆえに我有り」(*2)。
IF は Bread が 1971年3月21日にリリースした曲。1960年911生まれの自分にとっては, 小学4年の3学期が終わる頃, あるいは小学5年に進級する前の春休みに入った頃だったということになる。
リリース当時には聴いてなかったと思うけれど(*3), 中学に入って 1年か2年の頃, 楽譜見ながら「ながら」, よく家でギター弾いて歌ってた, 超ど級に懐かしい曲だ(*4)。
*1 Paul Simon "Kathy's Song" 歌詞和訳 .. 「拙訳」の意味は, 単に「拙者による訳」。タイトル上の写真は, 拙者の神さん, カミさん。
*2 今から 24年近く前, 2001年夏に「完成までたったの 3日間 ゼロからのホームページ作り」(成美堂出版)という本を買って html を独学し, 「3日間」ならぬ 5日間ほどで立ち上げ, その後, 仕様をずっと旧態依然とした体裁のままにしている自前のホームページ上に掲載した「我思う、ゆえに我有り」コーナー。
当時の日記の寄せ集め。軽く10年以上, 放置中(おそらくこれからも)。何はともあれ, 「思う」は「想う」でもあり … しまった, 昔々の日記に「ボノのアティチュード」なんてお題の日記があって, しかしその頃の俺は U2のボノ があんな莫迦だなんて知らなかったのだ, 見る目がなかったよ。ボノ(など)の莫迦ぶりについてはこの下の過去 note にて。
*3 「洋楽」の聴き始めは, Shocking Blue とか Simon & Garfunkel だった(前者はその頃だけ, 当時の曲は今もたまに聴くけれど)。
ついでの「悲しき鉄道員」歌詞和訳。
*4 「超ど級」の「ど」は「ど真ん中」「ど汚ない」「どアホ」などの強調の「ど」とは関係ないらしいっす。「らしいっす」の "出典" は, 知る人ぞ知る, 知らない人は知らない, 「モヤモヤさまぁ〜ず2」(因みに「モヤモヤさまぁ〜ず1」は存在しない)。したがって, 「らしいっす」と言いながらも, ほぼ疑問の余地なく本当のこと。
その「超ど級」の由来に関しては, 1906年進水のイギリス海軍の戦艦「ドレッドノート」の大砲の規模を超える戦艦を「超ド級戰艦」と呼ぶようになり, そこから普通の強調を超える, 言わば「ど強調」(なんて言葉はないが)の形容をしたい時に「超ド級」「超弩級」「超ど級」などと言う言い方が広まったらしい .. らしいっす。
「戦艦」だなんて, せっかくの, イントロも歌メロディも歌詞も, とにかく全てが美しい Bread の IF に関する note の中で「超ど級」に物騒だけれど, 上に書いた中の 進水 だけは, あの歌の歌詞の中のフレーズに重なります。
If a face could launch a thousand ships
Then where am I to go?
There's no one home but you
You're all that's left me too
もしも 顔が(美しい顔が)千隻の船を 進水させることができたなら
じゃぁ僕は何処に行けばいい?
家には君しかいない
そのうえ 君は 僕の全てなんだ
"IF"収録アルバムに絡む, 絡みつく, 辛味の脱線話題
IF は, 1971年3月21日にシングル・リリースされた, Bread の曲。作詞作曲はバンドのリーダー, フロントマンだった David Gates で, 同年同月リリースの Bread 3枚目のアルバム Manna からシングル・カットされた曲だ。
因みに, 面倒ながら触れたい筆者「こだわり」の「ことわり書き」が, 文字通りに筆者には, 此処に, 要するに(直球ネタの時なら全然構わないが, せっかくの)美しい歌の話題のところに いちいちこれを自分の言葉で書くのは気分的に面倒なので(ああ, マジで面倒だ) Wikipedia から引いておくと,
Manna is the third studio album by American soft rock band Bread, released in 1971. The title, like that of the preceding album On the Waters, is a Biblical pun on the name Bread, in this case the manna from Heaven which was fed to the Israelites. Although it was not literally bread (the word "manna" simply means "What is it?") it has often been metaphorically described as bread from Heaven.
以下, 最初は一言二言のつもりが, 結局は「自分の言葉」による補足を "やや" 長めに書くことに。
上に引いた Wikipedia 文中の英語 Israelite の意味は文字通り Biblical な, 「聖書」「旧約聖書」の中のイスラエル人, あるいは「古代イスラエル」のイスラエル人であって, 現代の, つまり, 1948年にパレスチナの地に「建国」された現代の「イスラエル」のイスラエル人ではない。
Israelite とは, いわゆる「旧約聖書」が 紀元前11世紀から紀元前8世紀まで存在したと言ってる「イスラエル王国」のイスラエル人であったり, 歴史教科書によれば 紀元前922年頃にヘブライ王国が分裂してその北部に生まれ, アッシリア帝国に滅ぼされる紀元前722年まで存続したとされる「イスラエル王国」のイスラエル人であったりするのであって, 1948年「建国」の現代の「イスラエル」のイスラエル人ではない。
要するに, 当時のイギリス委任統治領パレスチナに住んでいたアラブ系の住民, パレスチナ人にとって, 当時の人口比および土地所有率からすれば「超ど級」に不公正・不公平だった, 当時まだアジア・中東・アフリカなどの多くの国々が独立しておらず 戦前の「欧米列強」の力が極めて強かった, 設立間もない国連による「パレスチナ分割案」, そして第一次中東戦争前から始まっていたシオニスト民兵によるパレスチナ人虐殺・民族浄化, および戦争の結果により出来上がった, その現代のイスラエルという国のイスラエル人は英語では Israeli と表記する。シオニストはいわゆる「旧約聖書」の中のイスラエル, あるいは古代イスラエルの「イスラエル」を, 現代の他民族の土地への入植, 土地泥棒, 家屋破壊の正当化に利用しているが, ふ・ざ・け・る・な。巫山戯るな。
「パレスチナ問題」(「パレスチナ/イスラエル問題」, 「イスラエル」問題)の概観については, 以下の 2021年10月8日付 note の 第1章から 第2章。
ハイファ(48イスラエル, 47イギリス委任統治領パレスチナ)に戻って 〜 1983年10月5日
ではでは,
あらためて, 歌の話へ。
"IF" by Bread 歌詞和訳
作詞作曲者 David Gates 〜 彼は高校時代, Leon Russell とバンドを組んでいた
IF は, 1971年3月21日にシングル・リリースされた, Bread の曲。作詞作曲はバンドのリーダー, フロントマンだった David Gates, 因みに彼は 2008年以降, コマーシャルな音楽活動をしていない。
https://en.wikipedia.org/wiki/David_Gates によれば, 彼は 1959年(オクラホマ大学に入学した19歳の年)以来, 高校時代からの恋人 Jo Rita との結婚生活を続けている。4人の子どもに恵まれ, うち 3人は弁護士に, 1人は心臓外科医になった。Bread のツアー中に牧畜業を学んだ Gates は Bread のバンド活動で得た印税で 牧場を購入, その後も 妻と幸せに暮らし, 引退生活を満喫している。
想像するに, あの美しい曲 IF は, 愛妻に捧げた愛の歌だったのでは, そう感じさせる David Gates の "Personal Life" (via Wikipedia) でありました。
因みに彼は 1957年, 高校生の時に既に, 2年後に結婚することになる Jo Rita のために "Jo-Baby" という曲を書いていて, 後述の彼のバンド The Accents によりシングル・リリースしているんですね。これからも二人に幸あれ!
そもそも IF という曲の愛聴歴はや半世紀余の筆者ながら, 実は Bread や David Gates については詳しくなく, そこで彼, あらためて David Gates の経歴を確かめたら, これも Wikipedia 頼りながら(上記も含め, 今まで彼の Wikipedia をチェックしたことなどなかった), 興味深い事実を「発見」したのだった。
それは Leon Russell, さらには Chuck Berry との繋がり。
David Gates が 高校生の時に他の高校生のミュージシャンと共に組んだ彼の最初のバンド The Accents のピアニストは Claude Russell Bridges という名だが, この人は後の Leon Russell (born Claude Russell Bridges; Apr 2, 1942 – Nov 13, 2016), なんとなんと, "IF" の Bread の David Gates が, "A Song for You", "This Masquerade" の Leon Russell, そして Eric Clapton の "Blues Power" の共作者でもある(イントロから聴かせるあのピアノももちろん彼)Leon Russell と同じバンドにいたなんて。
確かに両名ともオクラホマ州タルサの生まれ。それにしても, まだ十代の頃に彼らが一緒にバンド活動をしていたとは。彼らの曲を半世紀余り聴きながら, この件 今まで知らなかった小生には, 正真正銘の驚きだった。
で, 1957年というから, David Gates (born Dec 11, 1940) は 16歳か17歳, Leon Russell はおそらく15歳(!)の時になるけれども, 彼らのバンド The Accents は Chuck Berry (Oct 18, 1926 – Mar 18, 2017) のバックを務めたんだと。これもまた驚きの .. いや, ほんと, 「驚いた」としか言いようがない。
「驚いた」記念に, これらはどれも David Gates が関わった曲ではないものの, 上に挙げた 3曲, Leon Russell の "A Song for You", "This Masquerade", そして彼が共作しピアノを弾いている Eric Clapton の "Blues Power" を,
そうだ, David Gates と Leon Russell は共に タルサの生まれなんだ, この際, Eric Clapton による "Tulsa Time" (written by Danny Flowers, first recorded by Don Williams) も合わせ, 以下に載せておきます。
A Song for You from a 1970 self-titled album by Leon Russell (Apr 2, 1942 – Nov 13, 2016) 🎶
素晴らしい(泣)。
次は, The Carpenters や George Benson による秀逸なカヴァーも有名な, あの曲。
This Masquerade from a 1972 album "Carney" by Leon Russell (Apr 2, 1942 – Nov 13, 2016) 🎶
そして,
Blues Power written by Eric Clapton & Leon Russell, included on Eric Clapton's 1970 self-titled album 🎶
さらにさらに,
高校時代に同じバンドにいた David Gates と Leon Russell が共にオクラホマ州タルサ の生まれであることを記念し,
Leon Russell と音楽キャリア上の縁がある Eric Clapton による Tulsa Time を, スタジオ・ヴァージョン(ピアノは Dick Sims) と ライヴ・ヴァージョン(ピアノは Chris Stainton)で 🎶
Tulsa Time (Danny Flowers) from Eric Clapton's 1978 album Backless 🎶
Tulsa Time (Danny Flowers) by Eric Clapton, recorded LIVE at 武道館 in December 1979, included on his 1980 double album Just One Night 🎶
いやはや,
とにもかくにも,
David Gates と Leon Russell が 十代の頃に同じバンドにいて, その彼らのバンドが Chuck Berry のバックを務めたことがあったなんて。
音楽愛聴歴, ロック や ブルーズ の愛聴歴 優に半世紀以上の筆者, それでも やっぱ「発見」はあるものだ。人生まだまだ知らないことばかりだね(笑)。
さて,
この節における最後の「脱線話題」, 以下の件も 拙者には, 還暦をとうに過ぎてからの「発見」だった。
オールマン・ブラザーズ・バンド "Statesboro Blues" の元ネタを聴いてなかったのは 謎だ
ではでは, ようやくのこと, 次節にて,
David Gates 作詞作曲, Bread の IF, その歌詞の中身に関わる話題へ 🎶
If a face could launch a thousand ships は 何処から来た?
前節を書く際に見た IF の作詞作曲者 David Gates の Wikipedia 内の以下の記述, これは 案外, これから述べることに関わるのかも。
In 1957, David Gates and the Accents released the 45 "Jo-Baby" / "Lovin' at Night" on Robbins record label. The A-side was written for his sweetheart, Jo Rita, whom he married in 1959 while enrolled at the University of Oklahoma studying law and pre-med. At Oklahoma he became a member of Delta Tau Delta International Fraternity.
つまり David Gates は オクラホマ大学で Delta Tau Delta International Fraternity の会員になっていて, この Delta Tau Delta, 調べると(しかし正直, 細かいところまではチェックしてないけれども, はっきりしているのは)「ギリシャ文字の大学における友愛会」であるということ。【2026年7月24日 修正】
【この段落, 2026年7月24日 加筆】
アメリカやカナダの大学には Fraternity と呼ばれる男子学生の社交クラブがあり(女子学生の社交クラブとしては Sorority がある), この Fraternity(や Sorority)の個々の名称には 2 もしくは 3文字のギリシャ文字が使用されている(Delta Tau Delta の場合は ΔΤΔ)。このことから, これらの社交クラブは Greek あるいは Greek Life と呼ばれるようだ。ともあれ, 上の段落の「ギリシャ文字の大学における友愛会」は誤りなのだが, なぜ社交クラブの名称にギリシャ文字を使うのかは筆者には不詳(詳しく調べてない)。いずれにしても, 以下に筆者が書いている「IF の 歌詞にまつわるトリヴィア的なネタ」とは直接的には関わらないのだろうと思う。ただ, David Gates が作詞作曲した IF の 歌詞の中には「古代ギリシャやギリシャ神話に関わる」表現があり, その表現が 知的で興味深いものであることは, 以下に書いた通り。
【2026年7月24日 加筆, ここまで】
以下では, IF の 歌詞にまつわるトリヴィア的なネタを書くけれども, これが実は, 古代ギリシャやギリシャ神話に関わるものなのだ。
まずは,
だいぶ以前, Facebook で IF をシェアする際に(以前は Facebook わりと利用していたけれど今は自分の note シェアぐらいでしか使ってない, Facebook friend も多い時は 300人余りいたけど Facebook の検閲の問題を何度投稿しても反応が少ないことにうんざりして 200人以上 unfriend してしまった, また話逸れた, 笑)YouTube 上の音源をチェックしていて,
その中のコメント欄に以下の内容をみつけ, これは面白いなとコピペし, YouTube 上のコメントからとことわりつつ Facebook などのSNS上の投稿に使ったことがあった(以下に貼るのは自分の Facebook 投稿からのスクショ)。
しかし, Bread の IF 歌詞和訳を note しようと思って しばらく前にあらためて YouTube 上を検索すると, これがみつからない。
いろいろ自分でも調べてみると, IF の歌詞の Verse 2 の最初のライン, If a face could launch a thousand ships の表現が何処から来ているのかということの説明として, 「古代ギリシャ」「スパルタ」(「スパルタン」は「スパルタの」「スパルタ人の」「スパルタ人」などの形容詞や名詞になるので正確には「スパルタ」)「ヘレネ」などのキーワードは間違いではなさそうなのだが, しかしエピソードは別の部分なのでは, という背景が見えてきた(その中身は後述)。
普段は大抵, SNS上などで自分の投稿にシェアする際には予めウラを取ってからにするのだけれど, 以下はその表現ぶりにかなりの信憑性を感じ(専門レベルで知っていそうな言い回し, 言い回しは「言い回し」なので 即「信じる」というのでは当然ながら本当はダメなんだが), 以前, つい ウラ取りしないままに投稿してしまっていた。
あらためて調べ, 確認した「正確には」と思える, 頼りになりそうな情報を, 以下のスクショの下方に掲げておきます。


まずは, そもそも, ヘレネの求婚者は, 千人もいない。以下は Wikipedia によるものだが, 50人未満。「神話」であれ何であれ, 流石に 1,000人は桁違い。多過ぎるだろう。
で, 上掲のスクショにある説明は「古代ギリシャ」「ヘレネ」辺りはいいのだが, 取り出すエピソードは 的(まと)がズレていて, 要するに,
IF の歌詞の Verse 2 の最初のライン, If a face could launch a thousand ships の表現が何処から来ているのかということの説明には, 以下が頼りになるのではと思う。
自分はこの種の話題は好きであってもギリシャ神話や古代ギリシャ(「古代ギリシア」との表記も多いが 今日の 本 note 上ではとりあえず「古代ギリシャ」で統一することにする)あるいはイギリス文学などに関し専門的知識があるわけではないので, 以下のサイトの記述が正確かどうか確信があるわけではない。しかし, 他のサイトも含め同様の説明が散見され, おおよそ信頼していいのかなと考えている。
*念の為 書いておくと, 下掲リンク先の絵のキャプションに "The Rape of Helen, Mid of 17th c, Museo del Prado, Madrid.. " とあるが, この Rape は英語の古語の "Rape" で, 意味は「強奪」。
これによると,
"The face that launched a thousand ships" は 17世紀のイギリス人劇作家 Christopher Marlowe による詩(戯曲の中の詩)に由来するフレーズで, いわゆる「トロイのヘレン」(*1, 2)について語ったもの。
"According to Homer's The Iliad", ホメーロス(*3)の「イーリアス」(*4)によれば, ヘレンは (古代ギリシャの時代の)スパルタの王メネラウスの妻であった。
ヘレンが あまりに美しいので, ギリシャの男たちは, ヘレンをメネラウスから奪ったイーリオス(イーリアス, トロイ)の王子パリスから 彼女を取り戻すために 戦争を仕掛ける。これが「トロイの木馬」(トロイアの木馬, *5, 6)で有名なトロイ戦争(トロイア戦争)で, Christopher Marlowe の戯曲に登場する "a thousand ships" とは, トロイと戦争し, トロイを焼き払うために出航したギリシャの軍艦のことである。
of course, Helen's face didn't launch any ships, Marlowe is saying she caused the Trojan War. Today the phrase is most commonly used as a metaphor for beauty and its seductive and destructive force.
もちろん ヘレンの顔が 実際に船を進水させたのではなく, マーロウが言っているのは, ヘレンがトロイ戦争を引き起こしたということ。今日, このフレーズは, 美とその魅惑的かつ破壊的な力の メタファー(隠喩, 暗喩)として 最も一般的に使われている。
*1
*2 ヘレンは, ギリシャ神話の中のヘレネー。
*3
*4
*5
*6 トロイの木馬(トロイアの木馬)の策を考えたのは オデュッセウス で, そのオデュッセウス(彼はヘレネーの義父であるとの説も)は ギリシャ神話における英雄でもあり, ホメーロス(*3)の叙事詩「オデュッセイア」の主人公でもある。
オデュッセイア と オデュッセウス に因んで, 本節の最後に「脱線話題」を 2つ。
1) 映画「2001年宇宙の旅」と, 2) Cream の "Tales of Brave Ulysses" 🎶
1) 「2001年宇宙の旅」の原題は "2001: A Space Odyssey",
Odyssey は、紀元前8世紀末の古代ギリシャの吟遊詩人 ホメーロス の作と伝えられる(断定は難しいらしい、そもそも ホメーロス が実在したのかどうかも判然としないらしい!)長編叙事詩「オデュッセイア」から来ている言葉で、困難を伴って長期間に及ぶ長旅を意味するようだけれど、しかしこのニュアンスを邦題タイトルに生かすような日本語訳の仕方は、ほぼ無理だったのかも。
2) Cream の "Tales of Brave Ulysses" 🎶
オデュッセウス(古代ギリシャ語: Ὀδυσσεύς,Λαερτιάδης、ラテン文字転写: Odysseus)は、ギリシア神話の英雄で、イタケーの王(バシレウス)であり、ホメーロスの叙事詩『オデュッセイア』の主人公でもある。
ラテン語でUlixes(ウリクセス)あるいはUlysseus (ウリュッセウス)ともいい、これが英語の Ulysses(ユリシーズ)の原型になっている。
Tales of Brave Ulysses from Cream's 1967 album Disraeli Gears 🎶
最後の最後, 追加の「脱線話題」。
Disraeli Gears と言えば,
むかつく連中に関する「脱線話題」の後は,
ポピュラー音楽史上, 最高に美しい曲のひとつ, IF へ 🎶
IF 〜 歌詞和訳
"IF" by Bread, released in March 1971 🎶
英語原詞 https://genius.com/Bread-if-lyrics
もしも 絵が 千の言葉を描くことができるなら
じゃぁ僕はなぜ君を描けない?
言葉で言い表わすなんて決してできないんだ
僕が知った君のことは
もしも 美しい顔が 千隻の船を 進水させることができたなら(*1)
じゃぁ僕は 何処に行けばいい?
家には君しかいない
そのうえ 君は 僕の全てなんだ
生きることを愛する気持ちが 乾いていくとき
君がやって来て 僕に 君の愛を注いでくれる (*2)
もしも 一度に 二つの場所にいられるとしても
僕は 君といるよ
明日も 今日も
ずっと 君のそばにいる
もしも この星が 回転することを止めるなら
ゆっくりと回りながら最期を迎えるのなら
僕はそのときを 君と過ごすよ
世界が終わるそのときをね
そして 夜空の星は一つずつ消えていく
そのとき 君と僕は ただ 空に向かって飛び去るのさ (*3)
…….. 🎶 …….. 🎶 ……..
訳注
*1 本章前節「If a face could launch a thousand ships は 何処から来た?」を参照。
なお, If a face could launch a thousand ships の face を単に「顔」と訳して「もしも 顔が 千隻の船を 進水させることができたなら」としたなら, 何のことか全く分からない。主語を「美しい顔」にしたってワケ分からない表現であることには変わりない? .. 確かに。しかしこのフレーズの元ネタが, 本章前節で取り上げた, 古代ギリシャのヘレネー, いわゆる「トロイのヘレン」のエピソードにインスパイアされた 17世紀初頭のイギリスの戯曲の中のフレーズであることは明らか。控えめに言っても, ほぼ明らかと言って間違いないと思う。
ヘレネー, 英語の世界では Helen, 「トロイのヘレン」は絶世の美女だったし, あのエピソードは ヘレネー(ヘレン)の美しさ, 彼女の美貌あってこそ。ここはせめて, あのような表現がない日本語においては 意訳「的」に補って「美しい顔」とすることで, 原詞の詩的なニュアンスを少しでも醸し出すことにしたい。"ニュアンスを少しでも醸し出す", それって かなり苦しいのではあるけれども, 文字通り苦肉の策。一言で言うと, 苦しまぎれの「美しい顔」。
*2 And when my love for life is running dry, you come and pour yourself on me .. ここはちょっと Eric Clapton "Running on Faith" の歌詞を想い出す一節。
Lately, I've been running on faith. What else can a poor boy do? .. But my world will be right when love comes over you 🎶
さて,
*3 Verse 4 の If the world should stop revolving から Chorus の 最後のライン Then you and I would simply fly away までの世界あるいは世界観は, 手塚治虫の名作(彼の作品は全て「名作」だけど)短編漫画「ふたりは空気の底に」を彷彿とさせるものがある。手塚ファンなら, なるほどと思うのでは?
ではでは 🎶
英語原詞 について
外国語の歌の歌詞の和訳を試みてそれを掲載するのだったら(note にしろその他のサイトにしろ), できることなら 原詞を併載した方がよい。明らかにその方が分かりやすい。しかし, それは(歌詞原詞の全編掲載は)残念ながら不可能。
英語歌詞, つまりここでは, 英語で歌われる曲の原詞。その(全編)掲載に関するその辺りの事情については, 以下の note の「前説」の次の次の章「英語原詞 について」にて。
さて さて 🎶
Bread, パンに 因んで ボーナス・トラック 2曲
パン 〜 わしのパンじゃ 🎶
随分と前の写真だけど(2013年1月9日, 12年余り前, 笑), うちの神, うちのカミさんが焼いた Bread, パン。カミさんの当時のメモによれば, バターロール6個, シナモンロール2個, ウィンナロール2個, コーンマヨ・ロール2個。

PANJA組曲 〜 山下洋輔, 1983年のアルバム「わしのパンじゃ!!」収録 🎶
でもって,
うちのカミさんが作るものは, なんでも美味い。
なんでも美味い, ナンでも。

ナンは たいてい美味いね。
ところで,
Bread は, スラングとして使われた場合には .. Money なのか, Money for Nothing なのか 🎶
Bread は Money の意にも。なぜなのか。パンは 西洋の人間には「生活に必要不可欠なもの」とされ, そこから Bread が「金」, 要するに Money の意味を持つようになったとか。
我ら(多くの)日本人には, やっぱ「ご飯」かな。
さて, Money なら, 直球でいけば Pink Floyd "The Dark Side of the Moon" 収録の, そのまんま タイトル "Money" がある。しかしあの曲, まぁいいんだけど, そして 作詞作曲者 Roger Waters もいいんだけど, ヴォーカル担当した David Gilmour が今やあまりにシオニストでうんざりなので此処では回避,
あっちでいこう, Money for Nothing 🎶
Money for Nothing (Mark Knopfler, Sting) from Dire Straits' fifth studio album Brothers in Arms, released on May 17, 1985 🎶
ええい, この際, アルバムごと。
Brothers in Arms 〜 Dire Straits' 1985 album 🎶
So Far Away
Money for Nothing (feat. Sting)
Walk of Life
Your Latest Trick
Why Worry
Ride Across the River
The Man's Too Strong
One World
Brothers in Arms
