【映画のはなし(5)】冴えないOLが夢見る微かな希望と太陽〜エリックロメール監督作品「緑の光線」
早稲田松竹にて、エリックロメール監督の「緑の光線」を観てきました🎬

弦楽器の不穏な音楽で幕を開ける本作。
ヒロインであるデルフィーヌはオフィスに勤務する秘書。
せっかくのバカンスなのに友達からキャンセルされてしまいます。
不貞腐れるヒロイン。
家族や女友達は遊びに誘ってくれますがどこに行っても何をしても浮かない顔をしています。
やがて彼女は過去の恋愛について自分の無価値感についてぽつぽつと語り始めるのです。
1986年、ヴェネツィア国際映画祭でグランプリを受賞した本作。
監督はフランスのエリックロメールです。
カイエデュシネマの編集長だったとか。
ロメール映画は以前、「友達の恋人」を目黒シネマで観ました。
軽やかな会話の妙味を味わうことができてとても印象に残った映画です。
本作でもその脚本の手腕が十二分に発揮されています。
作り物だけども極めて自然。
色々な面白い演出がありました。
例えば、街中の騒音をそのまま残していたり、セリフを話している俳優ではなく、聴いている俳優の方を撮ったり、重要なテーマの提示を、ヒロインと関係性の薄い登場人物に語らせたり、一般的な映画とは全く違う面白さがあります。
色の使い方も効果的でした。
タイトルにあるように本作のテーマは緑色、ですが、ところどころ、赤い小道具が出てきます。
例えば、デルフィーヌのベッドの色、帽子の色は赤でいいアクセントになっている。
緑と赤って実は反対色なんですね。
緑をベースにしながら赤をアクセントに入れることでヒロインの浮いている感じ、周りと馴染めていない感じがうまく表現されていると感じました。
ヒロインの孤独感、なんとなく分かる気がしました。
これじゃない感。
それは多分、自分の中に大きな理想があるからなのでしょう。
恋人も仕事もしっくりこない感じ。
緑の光線とは、ジュールヴェルヌの小説が元ネタでして、太陽が海岸線に沈む瞬間、一瞬だけ見える緑の光線のことなんだそうです。
そして、それを観た人は、他人の気持ちが分かるようになるのだとか。
残念ながら、僕には見えませんでした。
まだまだ、修行が必要です。
