新聞勧誘のヤクザ
2008年辺り、俺は初めて東京で引越しをした。
とはいえ隣り街への引越しだったので行動エリアは変わらなかった。
更新のタイミングで6畳一間5万円の独房みたいな部屋を出る事にした。
機材なども増え、とにかく狭く機材部屋として分ける為2部屋ある物件を探しまくってた。
当時の俺は所謂水商売をしていたのでいい物件があっても審査が通りにくかった。
色んな不動産屋を回る中、ハズレの不動産屋に危うく事故物件を貸されるとこだった。
知り合いに不動産屋が居たり色々話しを聞く事が出来その事実を知れたので実際借りる事はなかったが危なかった。
殺人事件ホヤホヤの物件を契約するとこだった。
部屋の引渡しが近付き焦っていたがたまたまネットで見つけた物件が2Kで6万5千円という破格だった。
内見も行き建物自体は古いがリノベーション済で中は綺麗だったし広さも申し分無い。
事故物件でもない。
後は審査が通るかだけ…
するとなんと大家の婆さんがスナックのママというまさかの同業者。
事情をわかってくれて無事部屋を契約出来た。
俺は親戚からハイエースを借りて自分で引越しを済ませた。
暫く住んで居るとやたら新聞の勧誘、宗教の勧誘、訪問販売的なのが多いなと思った。
昼夜逆転生活の俺には迷惑でしかなかった。
ある日またいつものように新聞の勧誘が来た。
その日は休みで昼間も起きて居たのでダルそうに出て見ると小柄なおっさんが立って居た。
「こんにちは」
元気がいい感じの挨拶で小脇に書類を抱えている。
いつもの感じで「新聞なら要らないよ。」と言うとおっさんは不思議そうな感じでこう尋ねて来た。
「あれ?何年か前にここにホステスのお姉ちゃんが住んでたんだけど違う?」
「今は俺が家主だから違うね。」
「そうか。ヤク中の彼氏が出入りしてたみたいだけどお兄さんはそういうのやらなそうだもんね。」
知りたくもない前の住人事情を聞かされつつ部屋のどっかにブツが隠されてねぇか気が気じゃなかった。
「お兄さん何やってる人?カタギじゃない?」
「いや、どっからどう見てもカタギでしょ!水商売だけど。」
薄々感じてはいたがカタギじゃないのはこのおっさんの方だ。
新聞勧誘はヤクザ絡みや新聞拡張団って呼ばれる所謂反社がやってるなんて話しはなんとなく聞いては居たのでソッチ系の人というのはわかった。
俺がどこどこで水商売やってるって言うと、じゃ誰々知ってる?など明らかにカタギじゃない人の名前が出て来てたが共通の知り合いのスナックのママの名前が出て来たり気付いたら意気投合していて見せなくてもいい入れ墨まで見せられた。
「なんだぁ〜お兄さんその辺の知り合いなんだ。じゃここには誰も来させない様にするよ!お兄さん喧嘩っ早そうだし(笑)」
なんだかよく分からない展開と理由でどうやらなんらかのリストから外されたようだ。
それからマジでパッタリと家を訪問してくる輩が居なくなった。
なんらかのリストのおかげなのかどうかは分からないが…
あ、ちなみに部屋中隈なく探したがブツは出て来ませんでした。
