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フランス革命の遠因? 浅間山の大噴火|べらぼう25話

大河べらぼう25話、「灰の雨降る日本橋」。
普通の人なら暗い気持ちになる天からの灰を、「これは恵の雨ならぬ、恵の灰だ!」と言って駆けだした蔦重。ピンチはチャンスに変える。その天性の人たらしぶりを見せつけた回でした。おていと結婚、鶴屋とも和解し、晴れての日本橋進出。蔦重、おめでとう!


天明3年の浅間山噴火を描いた「浅間山夜分大焼之図」
(ウィキメディア・コモンズ)

今回は蔦重の日本橋進出と、浅間山の噴火について感想・考察していきます。天明3年の浅間山の噴火は、なんとフランス革命の遠因になった…とも言われているんですよ。ご存知でしたか?

◎前回24話の記事は下記から。江戸の眼鏡女子・おていの魅力を深掘りしています。合わせてどうぞ♪


蔦重の店・耕書堂、日本橋に堂々進出!

ドラマの耕書堂、日本橋進出

ドラマの蔦重は灰から店を守るため、丸屋の屋根に登って吉原でかき集めた古着(?)を敷き詰めたり、灰を捨てるために通り油町のみんなで力を合わせてゲームを行います。

「遊びじゃねえから遊びにすんじゃねえですか!おもしろくないからこそ、おもしろくやんねえと」

天災で不安になっている中、こんな発想でみんなを動かせるなんてすごい。朝顔姉さんの「どうせなら楽しい理由を考えよう」の精神がここでも活かされましたね。

さしもの敵の鶴屋も、蔦重のことを認めざるを得なくなる。勢いで川に飛び込んだ蔦重が実はカナヅチだったことがわかると思わず笑みがこぼれました。

思い返せば鶴屋とは、吉原者として差別され、市中の本屋仲間に入れてもらえず邪魔をされてきた因縁があります。けれどそれも、「吉原者」という得体のしれない集団ではなく、蔦重という一人の人間の熱を見てもらったことで、わだかまりが解けた。

日本橋の仲間の一員として、鶴屋からのれんまで贈られて迎え入れられたこと。蔦重はどんなにうれしかったことでしょう。駿河屋の親父さんが、潔く頭を下げて今までの無礼をわびたところも良かった。親父さんも敵ばかりの日本橋に大事な息子・蔦重を送り出すのは心配でたまらなかったはず。だからあんなに吉原から出ることに反対していたのだと思います。

おていさんが、蔦重のことを「あちこちの町を栄えさせた陶朱公」になぞらえたのも良かったですね。まさにおていさんのお眼鏡にかなう人物が現れ、その人と共に店を続けていくことができました。これからの二人の協力、とっても楽しみです。

史実の耕書堂、日本橋進出

史実では、耕書堂は天明3年9月に日本橋通油町に移転。吉原大門口のほうは出店として存続していたようです。

曲亭馬琴の『近世物之本江戸作者部類』に、

「天明中、通油町なる丸屋といふ地本問屋の店庫奥庫を購得て開店せしより、その身一期繁盛したり」

とあるように、実際に蔦重は<丸屋>という本屋を買い取って日本橋の店をオープンさせました。

当時の江戸一、いや日本一ともいっていい商業エリア・日本橋に店を出すには大金が必要だったことでしょう。ドラマの考証を担当する鈴木俊幸氏によれば、やはり吉原の有力者のサポートがあったのだろうとのこと。つまり、日本橋の耕書堂は、吉原の市中での広告塔という意味合いがあったのでした。


浅間山の噴火がフランス革命の遠因になった?


史実では、天明3年(1783年)4月8日からはじまった浅間山の噴火。

6月26日以降には連日噴火が起こり、7月5日~7日に最大級の大噴火になりました。江戸でも地鳴りや灰が降り続き、7月8日~9日は空が土色になったといいます。

当時の民衆は噴火を「天罰」ととらえ、これが田沼政治への批判につながっていきました。
同時期にはアイスランドのラキ火山噴火も重なって、天候不順から天明の大飢饉が悪化します。

面白いのは、この浅間山の噴火がフランス革命の遠因になったという説があること。

1783年のラキ火山と浅間山の大噴火が、火山灰やガスで太陽光を遮り、小氷河期の寒冷化を悪化させました。

日本では天明の大飢饉で数十万人規模が犠牲となり、田沼意次が失脚。その後、松平定信の寛政の改革で米を備蓄し、立て直しを図ります。

一方、フランスではルイ16世が財政赤字を優先したため小麦輸出の規制が遅れ、1788~89年の不作に対応できませんでした。これが1789年のフランス革命の遠因になったというのです。
(いや、松平定信、すごくないですか?)


おわりに(次回は令和ならぬ天明の米騒動?)

今回は蔦重とおてい、そして鶴屋の感動的なシーンに泣かされました。

一方、西行の歌をもじり、袖のもとで春死なんとすっかり誰袖を愛し始めてしまった田沼意知もフラグが立ったようで辛かったです。

誰袖は天然ぶったイケメン好きの計算高い女に見えますが、本当に一途な人ですよね。遊女にとって一年半は長い。いつ病気にかかるかわからない仕事に日々身も心も削られる。

今後の意知、誰袖の未来、どうにかなりませんか? ならない?(ぐっと涙を堪える)

次回は、まさに今の令和の米騒動とタイミングぴったりな天明の米騒動。古古米が出てくるのかとXで流れてきた冗談に笑ってしまいましたが、もうこれ他人事、昔の話じゃないですよね。

新之助とおふく(うつせみ)も気になるし、蔦重の実母も登場するよう。どうなるんでしょうか。またもや次の日曜が待ち遠しくなりました。

あなたは蔦重とおせいが気になりましたか?それとも鶴屋の笑顔?
誰袖が自分に夢中になってると信じている松前廣年もちょっと不気味でしたよね…。
コメントでぜひぜひ教えてくださいね。

それでは、また次回の記事でお会いしましょう~♪

参考文献
・「蔦屋重三郎」鈴木俊幸(平凡社)
・べらぼうコラム #25「浅間山の大噴火をきっかけに民衆の怒りが爆発!田沼政治の終わりの始まり」清水光明
・「複合大噴火」上前淳一郎(文藝春秋)



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