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大河べらぼう鑑賞◆江戸の紙はリサイクル!草双紙は臭草紙?

大河ドラマ「べらぼう」。
第七話「好機到来『籬(まがき)の花』」が放送されました。
◎前回の記事はこちら ↓

今回の蔦重のミッションは、版元になることを地本問屋の仲間連中に認めさせること。
そのために、「今までの倍売れる吉原細見を作る」ことが条件になりました。

倍売れる細見にするためにはどうしたらいいのか。
蔦重たちがあちこちに聞きまわって、男前割引だとかクーポン形式だとか、持ち運びやすいよう薄くするとか、安い河岸見世まで載せるとか、いろんなアイデアを出していくのが面白かったですね。

売れるアイデアを考える、ということは、人間の隠れた欲求に気づくこと。だからこそ、視聴者もああ、それそれ!と惹きつけられてしまう。毎回1ミッションを主人公にクリアさせていく流れも含め、うまい脚本だなあと感心しきりです。

それにしても、今回は原稿の差し替えラッシュで、新之助や彫師が大変なことに。もーうっ、またやり直しか!とくしゃくしゃに丸めた反故紙が部屋にあふれかえっていましたね。
Xでは、「平安時代はあんなに貴重だった紙が、江戸時代には反故紙も出せるほどたくさん作られるようになったんだ!」と、前作「光る君へ」と比較して感慨にふける方のポストが散見されました。

私は戦国ものも好きですが、こうして連続で文化大河を見ると新たな知見もあってとても楽しいです。

確かに江戸文化の爛熟には紙の存在が欠かせません。紙が安価に作られるようになったからこそ出版業が大衆化したとも言えるわけですから、紙さまさまです。
しかし江戸時代でもまだまだ紙は貴重でした。

そこで家々を回って紙を秤で量って買う紙くず買いや、道端で紙くずを拾って売る紙くず拾いという職業があって、古紙から再生紙を作っていたのです。ですから、新之助が反故にした紙もまたリサイクルされたでしょう。
この古紙から再生紙にすることを「漉き返し」といって、高級なものもあれば、トイレットペーパー(落とし紙)になるものもあります。

江戸の庶民の娯楽本、黄表紙のような草双紙にも安価な漉き返し紙が使われていました。さらに灰墨といって、菜種油やごま油の油煙に膠(にかわ)を混ぜて作った墨で摺っていたので独特な匂いがあり、そのために当時の人は草双紙のことを<臭草紙>と書いていたりします。

曲亭馬琴(写)「伊波伝毛之記」(NDL)

※草双紙という言葉自体には、「臭」という字を避けて「草」に変えたという説や、草仮名(万葉仮名を草書体で書いた仮名)で書かれたからという説、草芝居や草相撲(現代では草野球といったほうがわかりやすいでしょうか)という、本式とはちがうカジュアルさを指す意味での草を使ったという説などがあります。

ドラマ内では、敵方の西村屋は薄紫の美しい表紙が贅沢な吉原細見を作成。
対する蔦重は、薄く持ち運びしやすいうえに情報ぎっしり詰め込んだ実用的な細見を作りました。しかも金額は今までの細見の半額。とどめは花の井の瀬川襲名を独占スクープ!
なにせ吉原自体が応援してくれるのですから、これ以上に細見にふさわしい版元はないと見せつけることに成功したのでした。

……あれ?でもちょっと待って。金額を半分にしてしまったら倍売ったところで、吉原のPRにはなっても版元の儲けは変わらないのでは…?大丈夫か蔦重。

最後の鶴屋の押し黙った顔が気になります。
瀬川という立派な名跡を襲名することにした花の井の、蔦重を思う気持ちも切ない。

そして次郎兵衛兄さんが落ち込む蔦重の髷をよしよしするところ、でも細見づくりを手伝っているようで何もしていないところがもう最高でしたね笑

予告編では鱗形屋が戻って来るようですし、いよいよ美検校も登場か…。
次回も楽しみでなりません。
ではまた~。

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