見出し画像

【気まずさのデッドゾーン】「人違いの笑顔」を無かったことにする緊急回避術

こんばんは、船長のrinrinです。

皆様、今日も一日の過酷な航海、本当にお疲れ様です。

活気ある街を歩いている時や、人が集まる賑やかな場所に出かけた時、私たちは不意に「社会的な危機」に直面することがあります。物理的なダメージは一切ないのに、精神のHPをゴリゴリと削られる恐ろしいトラップ。

それが「人違いの笑顔と会釈の不時着」です。


遠くからの熱烈な歓迎と呼応


事の始まりは、視界の端に映る見覚えのない(しかし妙に親しげな)動きです。 前方十数メートルの距離から、誰かがこちらに向かって満面の笑みで、それはもうちぎれんばかりに大きく手を振っています。

「えっ、私? 誰だっけ……ああ、きっとあの時の!」

人間の脳は非常に優秀でありながら、時として致命的な早とちりをします。相手の笑顔につられるように、こちらも咄嗟に「ああっ!お久しぶり!」と(声には出さずとも口パクで)120%の愛想笑いを浮かべ、右手を高く掲げて振り返してしまうのです。

この瞬間、私たちの中には「知人と偶然再会した喜び」が確かに存在しています。

視線が通り過ぎる「真実の瞬間」


しかし、その幸福な時間は長くは続きません。距離が縮まるにつれ、ある決定的な違和感に気づきます。

相手の視線の焦点が、自分には合っていないのです。

彼、あるいは彼女のキラキラとした瞳は、私の顔ではなく、私の「1.5メートル後ろ」の空間を捉えています。そしてすれ違いざまに、私の背後から「やっほー!待った?」という別の誰かの歓喜の声が響き渡ります。

「……あ、これ、私宛てじゃないわ。」

すべてを悟った瞬間、顔の筋肉は硬直し、全身からサァーッと血の気が引いていくのを感じます。

緊急回避ターン「頭をかく動作」の凄み


ここで最大の問題となるのが、空高く掲げられたまま行き場を失った「自分の右手」です。

ただスッと下ろすだけでは、「間違えて手を振り返してしまった恥ずかしい人」という事実が周囲に確定してしまいます。そこで発動するのが、人間が社会を生き抜くために身につけた究極の防衛本能です。

空中でピタッと止まった右手を、そのまま滑らかに後頭部へとスライドさせます。 そして、不自然なほど念入りに髪をポリポリと掻きながら、「いやー、急に頭が痒くなっちゃって。決して手を振っていたわけではありませんよ?」という無言のアピールを周囲に放つのです。少し空を見上げたり、小首を傾げたりして「無駄な演技力」を付け足すことも忘れません。

あのコンマ数秒の間に行われる、絶望からの状況判断、そして「頭をかく動作」への華麗なるすり替え。それはまさに、不時着寸前の飛行機を立て直すベテランパイロットのような、社会の荒波を生き抜くための高等テクニックと言えるでしょう。


もし街角で、不自然に空を見上げて頭を掻いている人物を見かけたら、どうか温かい目で見守ってください。

それでは、明日も皆様にとっていい航海になりますように。….乾杯!🥃✨

いいなと思ったら応援しよう!

rinrin 読んでいただき感謝です! note初心者ですが、皆様からの温かい応援が活動の大きな支えになります。 いただいたサポートは、活動を続けるための創作費用として大切に使わせていただきます。 無理のない範囲で応援いただければ幸いです。