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【鼓膜への裏切り】「誰だお前は」録音データに潜む、真実の声という名の絶望

こんばんは、船長のrinrinです。

皆様、今日も一日の過酷な航海、本当にお疲れ様です。

船長たるもの、日々の航海においてハキハキと号令をかけ、嵐の中でも通るような威厳ある声を出さなければなりません。自分でも、なかなか聞き取りやすくて良い声を出せていると長年信じて疑いませんでした。

しかし、人生という航海には、思わぬ暗礁が潜んでいるものです。

本日は、誰もが一度は経験するであろう「あの絶望」について語らせてください。


スピーカーから現れた見知らぬ侵入者


ある日のこと。ふとしたきっかけで、自分が喋っている様子を録音したデータを確認する機会がありました。「ふふん、きっと凛々しく頼もしい声が録れているはずだ」と、私は余裕の笑みを浮かべて再生ボタンを押しました。

『あー、あー、本日は晴天なり……』

スピーカーから流れ出たその声を聞いた瞬間、私は背筋が凍りつきました。 「……誰だ、今喋ったのは!?」 周囲を見渡しても、部屋には私一人。しかし、再生される声はどう聞いても私のものではありません。

なんだか変に鼻にかかっていて、妙に高くて、威厳の『い』の字もない、間抜けな響き。見知らぬ誰かが船に侵入し、私の真似をしてふざけているとしか思えませんでした。

脳内補正という名の甘い幻想


慌てて何度も録音を聴き直しましたが、残酷な現実が変わることはありません。どうやら世間の皆様には、私の声はずっとこの「見知らぬ他人のような声」として届いていたようなのです。

人は自分が発した声を、空気を通して耳から入る音だけでなく、頭蓋骨を伝わって内耳に届く音(骨導音というそうです)が混ざった状態で聞いています。骨を通ることで低音が響き、実際よりも深みのある「いい声」に脳内補正されて聞こえるのだとか。

つまり、私は長年の間、自分自身の脳が作り出した「素晴らしい船長ボイス」という甘い幻想に騙され続けていたというわけです。

この事実を知った時の、足元から甲板が崩れ落ちるような絶望感たるや、筆舌に尽くしがたいものがあります。

ありのままの響きを受け入れて


録音データから流れる自分の声を受け入れるには、かなりの時間と精神力が必要です。最初は「こんなはずはない」「マイクの性能が悪いだけだ」と現実逃避を繰り返すことでしょう。

しかし、どれほど絶望しようとも、それが他者から見た「真実の自分の声」なのです。理想とは少し違っていたとしても、その声で今まで誰かと語り合い、笑い合い、数々の荒波を乗り越えてきたことに変わりはありません。

見知らぬ他人のように感じたその情けない声も、聴き続けていれば次第に「まあ、これはこれで愛嬌があるか」と思える日が来る……かもしれません。

まだ私はその境地には達していませんが、いつかこの真実の声に自信を持ち、堂々と新たな海へ出航できる日を夢見ています。


皆様も、たまには自分の声を録音して、脳内補正が外れた現実の響きに身を委ねてみてはいかがでしょうか。そこにはきっと、新鮮な絶望が待っているはずです。

それでは、明日も皆様にとっていい航海でありますように。….乾杯!🥃✨

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