私も常にままならない
私は朝井リョウが好きだ。
またまた大好きな一冊ができた。
(2019年の本なので新しくはない)
あらすじも何も知らずに読み、ワクワク楽しかったので、読まれる方にも少ない情報で読んでほしい。
いつものように薄い感想と熱い想いを。
この本には2話入っている。
一つめは短い話の
「レンタル世界」
依頼者の恋人や友人のフリをするレンタル業をしている女子と出会う男。
男は
「レンタルなんて仕事は辞めて、俺みたいに人対人の本物の熱い絆をキミも作れよ!」
と、女の子の考え方を変えようと奮闘する。
この話はおまけ的存在なので(でも面白いけど!)いいとして・・
本編の
「ままならないから私とあなた」
(タイトルまでなんと美しいことよ)
雪子と薫、小学生時代から始まる2人の女子の物語。
主人公・語り手は雪子。
小学生の時から既にお互いの価値観の違いに気付いているが認め合い、仲良しの2人。
雪子はピアノが上手く繊細でとてもよく考える子。
薫は新しいことに敏感で頭が良く、無駄なことはしたくない。だから学校にも行きたくない(必要ないと思っている)し、我が道をいく。
小学生の時にタブレットを買ってもらい、頭脳も発達させていく。
はじめの方の
・先生が黒板に書く汚い文字、黒板消しが届かない自分たちの背丈
・職員室での会話
このエピソードだけで雪子をとても好きになった。
章ごとにタイトルを付けて区切られてはいない(目次がない)のだけど、区切られている。
敢えて書かないでおくがこの感じも好き。
少し成長し、薫と雪子が共に大好きなバンド「Over」のライブからの帰り道、駅へ向かうまでのシーンがとても好き。
薫が興奮してライブのことを話す横で雪子は
自分はそうじゃない(のに言えない)。
その気持ちがとても胸にくる。このライブへの想いが切なくて悲しかった。
2人の仲はどこまで続くのか。
あとがきに依ると、最後の章は文庫になった時に加筆されたんだとか。
この章がなくてもそれはそれでいいのかもだけど、あって嬉しい。
私は普段小説を読んでいる最中に
「辻村深月が書いてるんだよな。ぽいよな〜」
とか
「中村文則だから主人公の雰囲気これねー」
とか
「あーいかにも村上春樹だよなー」
とかいちいち考えないし、著者のことなど忘れるぐらいに純粋にその話を楽しめている(と思う)
でも今回、登場人物(主人公の雪子)のセリフを聞くたびに、感情が現れるたびに、
著者はこんなふうに思うのか
ということが頭を過ってしまった。
登場人物のセリフや心の動きがそのまま著者の考えであるわけないのに、ますます朝井リョウを好きになった。
ところで考えてみた。
もし朝井リョウがあの外見でなく、どうしても自分にとってイケスカない外見だったり話し方だったり性格悪そ〜なとにかく嫌〜な感じだったとして、私は果たして好きだっただろうか。
やはり好きな気がする。
(だいぶ前に結婚までしちゃってんだったよな。そんな早くにやれやれだなまったく)
最近も似たようなことをここで書いたけど(似たようなことばかりいつも書いてるけど)、noteで読ませてもらっている大好きな皆さま。
外見は知らなくとも文面だけなのにここまで皆さまのことを好きになれるとは、やはり
文の力は偉大だ
ということだろう。
憧れている方々の文のような文を書ける人になりたいけれど、真似したところで滑稽なだけ(語彙を知らなくて知識もないから真似できないし)。
せめて自分は間違った単語の使い方や誰かを傷つけないように気をつけて書いていきたいと思う。
本があってよかった。
noteがあってよかった。
文があってよかった。
文字があってよかった。
言葉があってよかったな。
人間でよかった。
皆さまとも朝井リョウとも知り合えたしな。(※実際どなたとも知り合ってはいませんね。私はかまちょで孤独なおばさん。自覚しよう)
ただ本の感想を聞いて欲しかったのに色んなものを発してしまいすみません。
読んでくれてありがとうございます。
