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スペースX、S&P500には入れないけど、オルカンには入れるみたいです

スペースXが上場します

スペースX(SpaceX)が、
ついに上場するというニュースが話題になっています。

2026年6月、
ナスダックに「SPCX」というティッカーで上場予定。
評価額は最大1.8兆ドル規模で、
史上最大級のIPO(新規上場)になると報じられています。

このニュースを見て、
投資をしている人ならこう思ったかもしれません。

「これって、オルカンやS&P500に入るのかな?」

調べてみると、
ちょっと面白いことが分かりました。

スペースXは、
オルカンには入れても、
(今は)S&P500には入れない
んです。

オルカンS&P500の違いについては、
以前にも記事で解説しました。
今回は、
スペースXという具体的な例を通して、
その違いをあらためて見ていきたいと思います。



オルカンには入れるみたい ― 黒字でも赤字でも関係ない

まず、
オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)が連動している「MSCI ACWI」という指数から。

この指数は、
世界の投資可能な株式のおよそ85%を網羅していると説明されています。
いわば、
世界市場をありのまま映し出す"鏡"のような指数
なんですね。

47カ国・約2,900社に分散投資する、
あの広さです。

このMSCI ACWIの組み入れ条件は、
ざっくり言うと
「上場していて、ある程度の規模と流動性があること」。
会社が黒字か赤字かは、問われません。

なので、
スペースXが上場すれば、
流動性などの条件を満たした時点で、
オルカンには組み入れられていく見込みです。
大型のIPOなら、
最短で上場から10営業日ほどで組み入れられることもあります。


S&P500には入れない ― 「黒字であること」という関門

一方のS&P500は、
性格がまったく違います。

S&P500は、
「米国の優良な大企業500社」を表す指数です。
そして、その仲間入りには厳しい条件があります。

代表的なのが、
「直近4四半期の合計利益が黒字で、かつ直近の四半期も黒字であること」

ここでスペースXがどうかというと
報道によれば、
スペースXは会社全体ではまだ赤字
黒字なのはスターリンク部門だけで、
会社全体としては数十億ドル規模の赤字を抱えています。

(ちなみにスターリンクは売上の61%、約114億ドルを稼ぐ、
唯一の黒字部門だそうです)

つまり、
たとえ時価総額が世界トップ級でも、
会社全体が赤字のうちはS&P500には入れない

これが今回のポイントです。


S&P500は「ブランドを貫いた」

実は今回、
指数を運営するS&Pダウ・ジョーンズは、
ひとつの判断を迫られていました。

「これだけ巨大なIPO企業なら、
特別にルールを緩めて入れてもいいのでは?」という声があったんです。

でも、彼らはルールの緩和を見送りました日本経済新聞)。

これは、かつてのテスラのときと同じ構図です。
テスラも黒字化するまでは何年もS&P500に入れませんでした。

「時価総額が大きいから」という理由だけで例外は認めない。
S&P500は、
「黒字の優良企業の指数」
という自らのブランドを貫いた格好です。

私は、この一貫した姿勢について
さすがだと感じました。


ただし「永遠に入れない」わけではない

ここで誤解してほしくないのは、
スペースXがS&P500に永遠に入れないわけではない
ということです。

スペースXが将来きちんと黒字化すれば、
S&P500にもいずれ組み込まれます。

つまり、

  • オルカン:黒字を待たずに、わりと早く入る(大型IPOなら最短10営業日ほど)

  • S&P500:黒字になるのを待って、あとから入る(早くても1年はかかる)

「入る・入らない」ではなく、
"入るタイミングが違うだけ
なんですね。
オルカンのほうが、
新しい巨大企業をかなり早く取り込めるみたい。
そういう違いです。

オルカンとS&P500の比較表(データを基に著者作成)

スペースX側の"狙い"も見えてくる

ちょっと視点を変えると、
スペースX側のしたたかな狙いも見えてきます。

オルカン(MSCI ACWI)やS&P500のような指数に組み込まれると、
何が起きるか。

世界中のインデックスファンドが、
「指数に入っているから」という理由で、
自動的にその株を買う
ことになります。

つまり、
私達、インデックス投資家は
間接的にスペースXの株式を保有するということです。

これはスペースXにとって="放っておいても株主が増える"ということ。
強制的に安定株主を確保し、資金調達につなげたい
そんな思惑も考えられます。

上場は、
ゴールではなく、
資金を集めるための手段。
このあたりの構造を知っておくと、
ニュースの見え方が少し変わってきます。


大型上場ラッシュは、まだ続く

そして、
ビッグニュースはスペースXだけではありません。

報道では、この秋にもアンソロピック(Anthropic)やOpenAIといった、
AI大手の大型上場
が控えているとされています。

スペースXに続いて、
こうした巨大企業が次々と市場に出てくる。
そのたびに
「オルカンに入る? S&P500に入る?」
という同じ議論が繰り返されることになりそうです。


まとめ:私たち長期投資家はどうするか

ここまで読むと、
「では何か行動したほうがいいの?」
と思うかもしれません。

私の答えはいつもと同じです。

淡々と、長期投資を続けるだけ。

スペースXの上場のように
株価が大きく動く局面はこれからも何度も来ます。
でも、
こうした波を含めて15年以上投資を続けると、
リターンはおおむね年5〜7%に落ち着く
と言われています。

だから、
目先のIPOニュースで慌てて売買する必要はありません。

そして大事なのは、
これはオルカンでもS&P500でも変わらない
ということ。

今回見てきたように、
2つは「仕組み」や「入れる企業のタイミング」が少し違うだけ。
どちらも、優良な投資商品であることに変わりはありません。

私は引き続きオルカン派ですが、
S& P500よりも
スペースXを少し早めに取り込めそう
というだけの話。
S&P500もオルカンと迷うくらいの優良投資商品であり、
優劣はつけられません。

大事なのは、
仕組みを理解したうえで、
自分が納得できるほうを、淡々と続けることだと思います。


窓際からでも、景色は変えられると思っています。

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