25回目の結婚記念日|少しずつアップデートを重ねてお互いすっかり「別人」に。
今月、私たちは25回目の結婚記念日――銀婚式を迎えました。
四半世紀という時間の長さにも驚きますが、それ以上に驚くのは、私たち夫婦の変化です。
振り返ってみると、今の私たちは若い頃とはまるで「別人」。
お互いに少しずつ、OSをアップデートするように変わってきたのだと感じます。
絶望的(?)な結婚生活のスタート
今でこそ穏やかに仲良く暮らしていますが、結婚当初は前途多難でした。
結婚式の打ち合わせに、夫は毎回ドタキャン。
準備はほとんど私ひとりでした。
「席次を決めないと本当に間に合わないから、出席者の人数と名前だけ教えて!」
少し焦ってそう伝えると、返ってきたのは
「結婚式当日はなんとか行くから、心配しないで!」
という一言。
……いや、そういう問題じゃない(笑)。
「ザ・昭和」だった若い頃の夫
夫は仕事に全力の日々。
気に入らないことがあると口をきかず、不機嫌オーラ全開。
そんな人に会ったことのなかった私は本当に戸惑いました。
機嫌を損ねるポイントが分からず、いつしか夫の顔色をうかがうようになりました。
子どもたちも、父親の機嫌を敏感に感じ取っていたように思います。
私だって(今もですが)聖人君子ではありません。
「仕事を頑張っていれば、家ではいつもお客様なの?」
そう思ったこともありました。
患者さんには優しい。
職場では周囲に気を遣える。
それなのに家庭では、なぜか
「いつも自分が気遣われる側」だと思っている(笑)。
今思えば、お互いに育った家庭環境も大きかったのでしょう。
私たちはどちらも三世代同居で育ちました。
祖母や母が家事や育児を担い、父は仕事に専念するのが当たり前でした。
お互いの実家では、「お父さんは家ではお客様」のような存在でした。
私自身も、無意識のうちに「昭和の良き妻」を目指していたのだと思います。
でも、頼れる人のいないワンオペ育児では、そのまま同じ夫婦像をなぞることはできませんでした。
専業主婦だったとはいえ、家事と育児に追われながら、ひとりで抱え込んでいるような孤独を感じる日もありました。
割り切れない思い
それでも、なんとかやってこられたのは、夫の仕事への姿勢を心から尊敬していたからです。
昼夜を問わず患者さんを第一に考え、責任を背負って働く姿。
その姿を見ていたからこそ、
「それ以外のことは私が引き受けるしかない」
と自分に言い聞かせていました。
夫としては少々難ありでも(笑)、
担当医をお願いするなら、やっぱり夫のように患者さんを第一に考える医師に診てもらいたい。
そう思えるほど、仕事への向き合い方は信頼できました。
当時の私は、「夫が万全の状態で職場へ向かえるよう支えることが私の役割なのだ」と、自分を納得させていました。
力関係から、安心感へ
もちろん、私だけが我慢したから続いたわけではありません。
年齢を重ねる中で、夫も少しずつ変わっていきました。
先日、昔の話になり、
「パパ、昔は本当に“アレ”だったよね?」
と水を向けると、夫はバツが悪そうに、
「そういう時代だったから……」
と苦笑い。
(え? ……そんな時代ある⁉︎)
「気に入らないときに不機嫌をアピールして言うことを聞いてもらうのは、小さい子がやることだからね」
と、追い打ち。
するとソファーでくつろいでいた夫が、おどけて言いました。
「……今はこれじゃん?」
「何?」
「お腹を見せて、絶対服従。」
降参のポーズをするように笑う夫を見て、思わず吹き出してしまいました。
あの「ザ・昭和」の面影はどこへやら。
いつの間にかすっかり丸くなり、私の前で安心して「お腹を見せられる人」になっていました。
これからのこと
最近では夫の方から、
「男も料理くらいはできないと。」
「仕事さえしていればいいってわけじゃないからね。」
そんな言葉まで聞くようになりました。
昔を知る私からすると、「誰が言ってるの?(笑)」と思わなくもありません。
それを言うなら、夫のほうも私の至らないところには、ずいぶん目をつぶってくれているのでしょうけれど(笑)。
今でも時々「駄々っ子親父」ぶりに振り回されることもありますが、
それでも、「まあ、落ち着いて話せば……」と思えるようになったこと自体が、25年という歳月なのでしょう。
今年の結婚記念日は、高校生の末っ子が塾で帰りが遅くなるのをいいことに、夫婦でレストランへ出かけました。
予約をして、二人だけで夜に食事へ行くなんて、結婚生活の中でも数えるほどしかありません。
「私たちにも、ようやくこんな時間ができたんだね。」
そう話しながら過ごした時間は、静かで、とても楽しいひとときでした。
「あの頃とは、お互い別人だね。」
そう笑い合える今があります。
夫の不器用な戦いも。
あの頃の私の奮闘も。
お互いに少しずつ歩み寄ってきた日々も。
すべてが今につながっていると感じます。
お互いに少しずつアップデートを重ねながら歩んできた四半世紀。
これからも健康第一で。
25年前には想像もできなかった、
今のように安心して笑い合える毎日を、これからも重ねていきたいと思っています。
