「アパート収入で老後は安心!」実はそうとも限らない?
〜収入が増えても医療費や税金が重くなるワケ〜
専業主婦から不動産投資を始めて、今年で8年目。
これまでの迷いや経験、家族と歩んできた記録を、率直に綴っています。
『不動産収入があれば老後は安心』
それは間違いではありません。
でもある日、不動産屋さんとの会話で所有者名義の大切さについて改めて考えさせられました。
今回はその話と、それを聞いて私が調べてみたことをご紹介します。
不動産屋さんから聞いた衝撃の話
NO.3物件購入時にお世話になった不動産屋さん(ナカヤマさん)とは今でもお付き合いがあります。
空室募集をお願いしている関係で、定期的にやり取りをしているのです。
あるとき、相続の話になりました。
ナカヤマさんは三人兄弟のご長男。
地主でアパート経営者だったお父さまが亡くなられた際の相続がとても大変だったそうです。
お父さまの長期間の入院生活で現金がみるみる減っていったこともあり、ご苦労されたとのこと。
そしてこう言われました。
「歳を取った親に収入なんてあっても、いいことなんてないですよ。
父親はアパート収入で“現役並み所得者”扱いになって、毎月20万円以上の医療費を何年も払うことになりました。」
せっかくの不動産収入が、医療費に消えていく!?
収入=安心、と思っていた私には衝撃でした。
老後の収入が多いと、なぜ負担が増えるの?
70歳以上で所得が高い場合、負担は医療費だけではありません。
医療・介護・税金・社会保険料など、さまざまな支払いが長期的に続きます。
1️⃣ 医療費
70歳以上の医療費負担割合
• 原則:1割負担(一般所得者)
• 2割負担: 単身年収200万円以上、夫婦合算320万円以上
• 3割負担: 現役並み所得者(単身年収383万円以上、夫婦合算520万円以上)
高額療養費制度により、自己負担額には上限がありますが、所得に応じて月額約9〜25万円程度となります。
長期入院や複数医療機関の利用で、自己負担は累積していきます。
2️⃣ 介護費
• 65歳以上は介護保険料の支払い義務あり
• 介護保険料は所得に応じて段階的に上がり、サービス利用時の自己負担も1〜3割に分かれます
• 世帯合算で算定される場合、夫の高所得が妻の負担にも影響
3️⃣ 社会保険料(後期高齢者医療制度)
• 年金や不動産収入も保険料算定に含まれる
• 所得に応じて保険料が段階的に上がる
• 世帯合算で夫の所得が妻に波及する場合あり
4️⃣ 所得税・住民税
• 不動産収入も課税対象となる
• 年金と合わせて課税されるため、老後でも継続して負担が続く
• 配偶者控除の適用外となったり、非課税世帯から外れることで各種軽減措置が受けられなくなる可能性あり
5️⃣ その他の負担
• 固定資産税(不動産所有者)
• 相続税・贈与税(資産を引き継ぐ場合)
• 遺産整理や資産管理に伴う手続き・費用
夫の高所得が妻に与える影響は?
70歳以上の夫婦では、どちらか一方の所得が高いと配偶者にも影響があります。
医療費や介護費、税金など、多くの制度が 「夫婦合算」や「世帯単位」 で判定されるからです。
👉具体的には
• 夫の所得が高いと 配偶者控除や軽減措置が受けられなくなる
• 国保や住民税などで 「非課税世帯」扱いから外れる
• 医療費や介護費は夫婦合算で現役並み所得者と判定され、妻も3割負担になる
つまり、老後も「夫が高所得=妻も安心」というわけではなく、夫の所得がそのまま妻の負担にも波及するのです。
老後にアパート収入がある場合の出費は?
例えば我が家の場合、勤務医の夫が個人名義でアパートを購入すると、こんな出費が毎年または将来にわたって発生します。
【毎年の生活上の負担】
1. 医療費
年金+アパート収入で年収383万円以上(夫婦合算520万円以上)の場合は「現役並み所得者」と判定され、3割負担+高額療養費の自己負担が発生。
2. 介護保険料+介護サービス自己負担
アパート収入があることで「所得区分」が上がり、保険料は高額に。サービス利用時も3割負担となり、夫の所得が妻の負担に波及する。
3. 後期高齢者医療制度の保険料
アパート収入も算定対象に含まれ、所得が増えるほど保険料も段階的に上昇。
世帯合算のため、夫の収入で妻の保険料が上がる。
4. 所得税・住民税
不動産収入+年金に課税されるため、老後も継続して税金負担が続く。
非課税世帯から外れることで、医療や介護の軽減措置が受けられなくなることも。
【資産保有・承継に伴う負担】
5. 固定資産税
不動産を所有する限り、毎年の固定資産税は必ず発生。
6. 相続税・贈与税
将来的に資産を引き継ぐときに発生。
アパートを夫名義で持ち続けると、妻や子どもの税負担が重くなる可能性。
老後、夫の高所得で、妻も“現役並み”?
特に負担になりやすいのが「医療費+介護保険料+税金」です。
これらが重なり、思っていたほど自由に使えるお金が残らないこともあります。
調べながら「収入があるほど安心、と思い込んでいたけれど、支出面も同じくらい重要なんだ」と気づかされました。
法人という選択肢
老後の負担を軽減する方法として、法人を活用する選択肢があります。
法人を活用すれば所得の分散や相続対策の幅が広がり、長期的には安心感が増します。
• 所得を法人に移すことで夫婦合算の課税所得を抑えられる
• 将来は法人ごと子どもに承継する方法も検討可能
設立費用や維持費は発生しますが、老後を見据えると「法人の活用」は選択肢の一つです。
私たち夫婦の場合、投資用不動産の主な名義は夫個人ではなく「法人」にしています。
法人を設立し、そこから私や子どもたちにも給与を支払う形にしたのです。
こうすることで、不動産収入を家族全体で分け合える仕組みになりました。
手間や時間はかかりますが、長い目で見ると我が家の場合には家計全体にとって大きなメリットがあります。
ナカヤマさんの話を聞いて、「法人にしておいて良かった…」とホッとしました。
子どもたちの独立後は私の給与が上がり、私名義の不動産収入と合算されます。
そのため、夫婦そろって医療費3割負担になる期間も長くなるでしょう。
今後は世帯として税負担を増やさないための対策も考えていきたいです。
不動産投資で老後の安心を手に入れるために
不動産収入があること自体は、やはり老後の心強い支えになります。
でもその持ち方次第で、老後の安心度は大きく変わります。
大切なのは「収入だけでなく支出も含めた全体の設計」です。
我が家もまだまだ模索中ですが、この8年間の経験から言えることは、不動産投資は「買って終わり」ではないということ。
所有形態、税務対策、家族との情報共有まで含めて、長期的な視点で戦略を立てることが何より大切だと感じています。
不動産投資は単なる収入源ではなく、老後の生活設計そのものです。
“老後の安心”を守るために、あなたならどんな形で不動産を持ち続けますか?
おわりに
不動産投資は、ご家庭の状況によって「最適解」が違います。
この記事が、同じように「老後の資産戦略」を考えている方のヒントになれば嬉しいです✨
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