猫日和#11 『愛してるよ。マミ』
マミが我が家の子になって、しばらくした頃。
ママさんが国に帰ると連絡があった。
「もしよかったら、最後にマミに会っていきませんか?」
ママさんは快く我が家に足を運んで下さった。
最初にママさんを迎えたのは、我が家の長男、寅次郎だった。
菊次郎は相変わらず
『家政婦は見た』スタイルで様子を伺っていた。
違ったのはーーマミだった。
「マミ!元気だった?」
ママさんの問いかけに、
『ふんっ』
とそっぽを向くマミ。
「怒ってるね、マミ。
ディエゴは、この前会った時、来てくれたけど、
マミは怒ってるね」
ママさんはずっと笑顔だった。
なんでも、イタリアにいる姉妹に会ってから、
ポルトガルへちょっと遊びに行き、
その後スペインに帰るんだとか。
スケールが大きい。
談笑をしたあと、
「じゃあね、マミ。
愛してるよ」
ママさんが立ち上がった、
その時。
『ニャーン』
マミは大きく鳴いた。
あの日、我が家にやってきた時の鳴き声とは、
全然違う声で。
そして玄関先まで、
マミは私の隣にちょこんと座って、
ママさんを見送った。
まるで
『私はもう大丈夫よ!』
そんなふうに言ってくれた気がした。
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