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【バンコク暮らし(14)】デュアルパスポート

娘は物をよくなくす。大事なときに大事なものをなくす。

学校のクラブ活動の一環でベトナムに行くときにも、出発の仁川空港でパスポートをなくしてしまった。それでも無事に韓国を出国し、ベトナムに入国して問題なく滞在後、ベトナムを出国、無事韓国に帰国して入国できたのは、娘が二重国籍、パスポートが二冊あるからだ。このときは二冊中の一冊、日本のパスポートのほうをなくしてしまっていたので、韓国のパスポートでなんとか難は免れることができた、というお話だ。

娘のうっかりは紛れもなく私の遺伝だ。

バンコクに引っ越してくる数週間前、娘と私は家探しのためにバンコクにいた。その時点で娘の学生ビザ(ノンイミグラントEDビザ)はすでに承認されている状態。

「あ!!」と思った。

普段あんまり慌てたりしないのだけど、このときばかりは本当に慌てふためいてしまった。娘の取得したノンイミグラントEDビザは、最初は90日間分の滞在が認められ、シングルエントリーが認められる。一度入国したあとただ出国すると無効になってしまうというものだ。

そのときには家探しのために来ていたので完全に引っ越してきたわけではなかった。迂闊にそのままタイを出国してしまったら、せっかく取れたと思っていたビザが、家探しのためだけにバンコクに滞在して無効になってしまうじゃないか!!と。

なんてうっかり連れてきちゃったんだ、と思った。

だけど落ち着いてよくよく考えると、そのときには娘は日本の名前でTDAC(電子入国カード)を登録し、日本のパスポートでタイに入国させていた。入管には日本人の女の子がひとりタイに入国したという記録しか残っていないわけだ。

そして娘のビザ申請は、在住の国(韓国)で在韓タイ王国大使館に対して行ったため、韓国のパスポート情報を登録して韓国人としてビザ申請を行っている。ビザに紐づいているのは韓国パスポート所有者の韓国人の女の子だ。

そのとき、ビザに紐づいた名前の韓国人が入国した記録は残っていないはずだということに気づいた。

ということでこのときにもデュアルパスポートのおかげで難を免れることになった。私たちみたいなうっかりには、パスポートがふたつあるくらいがちょうどいいみたいだ。