【バンコク暮らし(22)】どっちもどっち
夫がバンコクの家に到着した。引っ越してくるまでのあれこれ、明日やるべき手続き、諸々喋っている流れで「一昨日顔が半分麻痺しちゃってさ」と言い出した。
娘も私もしばらく絶句した。麻痺??
「…病院ではなんて言われたの?」と聞くと、どうやら病院へは行っていないという。「明日すぐに行かなくちゃ」と言うと「掃除してたらなっただけでさ、よくなってるから。悪化したらいくよ。」だそうだ。
「病院に行って特段処置は必要ないっていうことなら必要ないって聞いてくればいいだけし、治療が必要ならすぐ治療すればいいだけじゃない。行かないって選択肢はないよ。」と娘といくら説得しても「掃除してなっただけだからさ」と答える。変なことをいうのはどこか異常を来たしているからではない。昔からとっくに変なことを言っていたのだから。
にしてもだ。掃除がトリガーってことはあるかもしれないけど、掃除が症状の直接的原因なんてことないだろう。もしかしたら掃除が何等かの身体的バグを引き起こしてそれが症状につながったなんてことはあるのかもしれない。だけど掃除さえしなければ症状が取り除かれるわけはなくて、掃除が引き起こしたかもしれないバグに対処しなければどうしようもないじゃないか。どっちにしたって専門家の見解を仰いで悪いことなんかひとつもない。
私と娘が何を言っても、悪化しない限り病院には行く気がないそうだ。呂律が回らないわけでもなければ、運動に不自然があるわけでもないし、緊急性は素人目にはまったく判断しかねる。引きずって病院に連れていくこともできないから、しばらくは注意して見守るしかできないかと思いながら、ふと、もしかして私がnoteで悪口を言うから言霊になって麻痺しちゃったんじゃないかとぎっくりする。私は夫は嫌いだけど不幸になんてなってほしくない。どうか健康で私とは別の世界線で幸せになってくれることを心から望んでいる。好きであれ嫌いであれ人の不幸なんてただの一度も願ったことはない。あぁーきっと私のせいだ、、、もう二度と悪口は言いません、と反省した。
ひとしきり反省してからまた我に返ると、掃除で麻痺とか、悪口で麻痺とか、似たようなことを言っていることに気づく。ちなみにいうと私のほうがたちが悪そうだ。でもとりあえずは、悪口は封印することにしよう。
だからどうか早くよくなりますように。
