【バンコク暮らし(23)】お尻を叩かないママ
「もし私がチュラロンコン大学(タイの総合力、社会的評価ともに国内1位の大学)に行きたいって言いだしたらどうする?」と娘が聞いてきた。
「いいと思うよ」と即答した。本当にいいと思うからそう答えた。だけど娘の返事は「ママぁ~!!」と不服そうだった。
ソウルに居た時のインターナショナルスクールはアイビーリーグを始めとするアメリカの有名大学を目指す子供たちがたくさん通っていた。ソウルに数あるインターナショナルスクールの中でもトップクラスにその傾向が強い学校だった。
娘の友達のひとりは、毎月のように渡米し、数学の大会に出て数々の賞を取っていた。日々のスケジュールはすべてお母さまが管理されているそうだ。門限は15時。学校が終わる時間だ。そこからは毎日、一分刻みでお母さまが作ったスケジュールどおり勉強を進めることになる。勉強中も後ろでお母さまがちゃんと集中しているか見ているそうだ。このお友達はお母さまのことが大嫌いで、家出をしたけれど、行く先がなくてスタディカフェに行き、お腹が空きすぎてチキンをオーダーしたところで足がついて連れ戻されたそうだ。ここまでくると虐待じゃないかと思うし、本当に極端な例ではあるけれど、それほど熱心な親御さんがいるような学校だ。
米国でトップクラスの大学だとか、世界ランキングで上位の大学だとかに進学することにとっても熱心で、その親御さんの熱も高い。
私の娘もある程度その価値観に共感しているからこそ、「私が目標から反れそうになったらママが熱心に軌道修正してくれなきゃ!他のママは一生懸命お尻を叩いてくれるけど、うちのママだけ「それもいいねぇ」とか言ってくるから自分だけで奮い立たせて頑張らなくちゃいけないじゃない」ということだった。
タイで就職して暮らす気でなければ、タイでいい学校に行くより(行けるかどうかは別として)、アメリカで行きたい学校に行ったほうが、娘の目指す未来には近づけるのかもしれない。だけど結局どっちがよかったなんて、人生一通りしか試せないからわからないじゃないか、と思う。
私はソウルのインターナショナルスクールのママのスタンダードからは全く外れてしまっていたし、それでいいと思っていた。来週からは、新しい学校で娘の新学年が始まる。どんな雰囲気だろう。どうか娘が楽しく、実り多い時間を過ごせますように。
