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【RB大宮アルディージャSS】「これでも食べて、元気出してください」アルビサポに捧げる天ぷら

3000人を超えるアルビサポが大宮へやって来た。試合には勝った。でも、帰り道の彼らを見ていたら、ちょっと放っておけなくなった。
2026.8.8 開幕戦 第1節 ホーム アルビレックス新潟戦のショートショート

新潟と大宮は交通の便がいい。
上越新幹線で一本、関越道でも一本だ。
そのため、お互いのホームゲームにはアウェイサポーターが大勢やって来る。
 
今日はJ2開幕戦、相手はアルビレックス新潟。
もちろん、大勢のアルビサポがNACK5スタジアム大宮に乗り込んでくると予想される。
アルビレックス新潟はJ1からの降格組ということもあり、力関係ではあちらが上かもしれない。
しかし、同じJ1昇格を目指す者同士。
しかも、かつては「オレンジ互助会」と呼ばれた仲間でもある。
絶対に負けられない。
いつも通り、私は娘と一緒に、氷川参道を通ってナクスタに向かった。
 
アウェイゴール裏を埋め尽くすオレンジ。オレンジ。オレンジ。
「これが、うわさに聞くアルビサポのアウェイジャックか!」
スタンドの一角が、完全に新潟色になっている。
さすがだ、アルビサポ。
対する我らがアルディージャサポも負けてはいない。
スタジアムは超満員、圧巻のコレオも披露された。
 
試合が始まる。
開始早々、アルディージャの山本桜大が素晴らしいゴールをゲット!
早くも開幕初ゴールの桜を咲かせる。
「いきなり来た!」
スタンドのボルテージが一気に上がる。
 
その後、追加点こそ奪えないものの、試合はアルディージャが押し続ける展開。
そして、前年からの課題だった守備も劇的に改善されている。
全員で走る。攻めるべきところでは攻める。守るべきところでは守る。
その姿を見ているだけで、惚れ惚れする。
「今年は違うぞ!」
そんな期待が、少しずつ膨らんでいく。
 
後半も展開は変わらない。
アルディージャは何度もチャンスを作るものの、追加点を奪うことができない。
一方のアルビも、ところどころでチャンスを作りかける。
しかし、そのたびにアルディージャの献身的な守備が立ちはだかる。
お互い、ゴールが遠い。
試合が進むにつれ、アルビサポの応援も、心なしか少し元気がなくなってきたように感じる。
無理もない。こっちは「いつ追加点が取れるんだ」とハラハラしているが、向こうからすれば「いつ追加点を取られるんだ?」という状態なのだから。
 
そして、タイムアップ。
1-0。
アルディージャの勝利!
開幕戦を見事に勝利で飾った!
最高だ!
開幕戦の勝利は格別である。
なお、新潟は開幕戦は10年連続で勝利していたが、その記録は今回で途切れたらしい。
 
試合後には、みんなで肩を組んで勝利の歌を歌う。
久しぶりに歌う「寝ても大宮」は格別だ。
リーグが始まった。
NACK5スタジアムに帰ってきた。
そんなことを実感する。
そして、点差以上に攻守に躍動した我らがRB大宮アルディージャの戦士たちのことを考えると、
「今年は行けるんじゃないか?」
そんな気持ちにさせてくれる、最高の開幕戦だった。
 
試合が終わり、スタジアムを出る。
氷川参道を意気揚々と歩くアルディージャサポ。
その一方で、肩を落として歩くアルビサポ。
この暑い中、新潟から埼玉まで、なんと3000人以上のアルビサポが来てくれたらしい。
改めて考えてみると、本当にありがたいことだ。
この暑さの中、自分たちのチームの勝利を信じ、願いながら、新潟から大宮までやって来たのだ。
自分がアウェイゲームで負けたときの帰り道を思い出す。
フクアリ、アルウィン、ああ、トラウマが……
だからこそ、今回は勝った側として、ちょっと複雑な気持ちにもなった。
「勝負は勝負。それとは別に、今日はありがとうございました。」
そんな感謝の気持ちが、ふつふつと湧いてきた。
 
夕食を食べてから帰ることにした。
向かったのは、すずらん通りの丸亀製麺。
トレーを持って列に並んでいると、後ろに一人のアルビサポがいた。
見るからに意気消沈している。
さすがに気の毒になり、俺は声を掛けた。
「いい試合でしたね。今回はたまたまウチが勝ったけど、新潟さんは強かったです。」
すると彼は、
「いえいえ、大宮さんは凄く強かったですね。ウチは何もできなかったですよ。これじゃあJ1昇格どころか、J3降格の心配をしないと……。」
暗い、とにかく暗い。
まだ開幕戦が終わっただけなのに、もうシーズン終了後の最終順位まで心配しているのか。
 
ダメだ。せっかく大宮まで来てくれたアルビサポを、このまま暗い気持ちで新潟へ帰してはいけない。
それは埼玉県民の沽券にかかわる。俺は決意した。
「そんなこと言っちゃ駄目ですよ!」
そしてカウンターを見る。そこには、揚げたての美味しそうな天ぷらが並んでいる。
「そうだ。これでも食べて、元気出してください!」
俺はそう言うと、カウンターから天ぷらを三~四個つかみ、彼のトレーの皿に優しく乗せた。
「えっ?」
彼が顔を上げる。
「まだ一試合、たった一試合ですよ。これからです。ぜひ一緒に昇格しましょう!」
俺は笑顔でそう言った。
彼の表情が、ほんの少しだけ明るくなった。
よし、これでいい。
同じJ2を戦う仲間だ。
ウチのチームカラーは変わってしまったが、長年オレンジ互助会を組んだ仲じゃないか。
今年は一緒にJ1へ行こう。
そんな清々しい気持ちになった。
 
そして店員さんに告げた。
「あ、会計は別々で。」

まずは大宮、開幕勝利おめでとう! 開幕戦を勝利で飾れたことは最高に嬉しい! しかも相手は、かつて「オレンジ互助会」と呼ばれたアルビレックス新潟。遠く新潟から3000人以上ものサポーターが大宮まで来てくれたことにも、本当に感謝です。勝負は勝負、今日は大宮が勝たせてもらったけれど、長いシーズンはまだ始まったばかり。お互いにJ1昇格を目指す仲間として、今度はJ1の舞台で会いたいですね。そしてアルビサポの皆さん、暑い中、本当にありがとうございました。

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