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日記 かつてお城がありました

『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』カール・マルクス著、丘沢静也訳、講談社学術文庫を購入しに、電動自転車で出かけた。凡庸でグロテスクな人物が国民の支持を得て政治をめちゃくちゃにしてしまうまでの様子が、克明に描かれているという。それは現在の政治状況と極めて近い、という話をツイッターで読んで興味が湧いたのだった。有名な、「歴史は二度繰り返す。最初は悲劇として、二度目は茶番として」という言葉はこの本のものだと初めて知った。ネットで買おうと思ったら売っておらず、実店舗を検索したら一軒だけヒットした。かなり遠いツタヤ書店だった。

晴れていたが肌寒く、分厚いほうのコートを着ていった。住宅街を抜け、林の中の細い道を走る。林と畑と鉄クズヤードの殺風景な道でも、木々や土の色に春の訪れが感じられて何だか嬉しくなる。風がひやりと冷たく陽射しはほの暖かい。途中、突如目の前に、コンテナを積んで壁にした巨大ヤードが現れ、要塞のようだと思った。

林を抜ける、最近整備されたらしい道路のアスファルトは、ひびも無く黒く光り、車の往来は無い。人のいない地帯を走っていると、大勢のカラスが、空中で輪を描いて鳴き交わしているのに遭遇し、不穏であった。アメリカ=イスラエル帝国の凶兆と感じずにはいられなかった。しかし、原因は、アスファルトに横たわるアライグマとカラスの死骸であった。別に凶兆ではなかった。しかし、アライグマが轢かれるのはわかるが、何故カラスも死んでいるのかは謎であった。そしてカラスたちは何故鳴き交わしているのかもよくわからない。

高台の、造成中の住宅街の空き地から、駅周辺の住宅街が見渡せる。坂を下り、線路を地下通路でくぐり抜けた。書店は近いが、先に飯を食うことにした。調べたらラーメン屋があった。到着すると、並んでいたので、丁度道の向かいにあったブックオフでフィギュアを見た。見たことのない初音ミクのフィギュアが安く売っていてラッキーだった。

ラーメン屋に戻ったらもう空いていた。ラーメンはしゃれたどんぶりに盛られていて、ネギがきれいに乗せてあり、チャーシューはなんかいい香りがしておいしかった。ラーメンはいろんなタイプがあって面白い。料理としての完成を追求しているタイプもあるし、炭水化物と油脂のジャンキーな快楽を追い求めているものもある。こぎれいな店もボロボロの店もそれぞれに魅力があり、巡っていて楽しい。

本屋についた。ツタヤ書店は普段利用しない。なぜならセルフレジだからだ。本をセルフレジで買いたくない。しかしこの店にしかなかったから仕方ない。購入した。

もう二時を過ぎていた。帰ろうと思った。巨大新興住宅地を去って、線路を今度は橋で越えて、低い丘陵と田んぼの地帯へ向かった。マップで見たら、史跡マークのついた坂があったので行ってみることにした。古い家の点在する、道祖神や小さな神社のある道を行く。畑の中に一本大きな木が立っており、その真下に祠があった。説明書きがある。ここには城があったという。祠の周りにきれいな草が生えていた。その先には老人ホームと野球グランドがあり、子供達の声が響いている。さらに行くと例の坂であった。土を切り拓いて造った切り通しの道である。城の堀だったとのことだ。羊歯の生えた壁面は樹々の影を映して光っている。鳥たちの声が響き、遠くに野球少年の掛け声が聞こえる。くねくねした急坂を下りると線路の上に出た。やってきた電車を橋から眺めた。

調べたらもう一つ切り通しの道があったのでそっちにも行ってみる。途中、壁に掘られた穴の中に小さな祠があるのを見つけた。祠の中に、円筒形の横に筋の入った石がたくさん祀られていた。太い道をそれて山の中に入っていくと切り通しはあった。先ほどのよりもしっかりと掘られ、整備されている。登り終えたところに、人一人通れるほどの坂道が壁沿いに造られていて、その反対の壁には穴が二つ掘られている。穴にはそれぞれ石が置いてある。道祖神と彫られていた。小さな坂を登ると、古い墓地であった。
おわり

老人ホームの前に、なぜかモアイ像
なんかえらい道に来てしまった
すごい
時折横穴が空いている
ちょうど電車が来た
無事ぬけた
手掘りらしき階段と、祠を発見
この石は何だろうか
切り通しへの細い道
なんだここは
猫の集会
菜の花が咲いている

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