【詩】きみの言っていることは正しいよ
「きみの言っていることは正しいよ」
諦観のまなざしで
煙を吐くように言われたことがある
そうやってまた1人
遠くなっていく
本当の「正しさ」とは
他者を従わせることでも
他者の力を無力化させることでもない
あるがままの人の理と森羅万象のバランス
それを伝えられることではないか
こちとて聖人ではない
手垢をつけるように
干渉してくる人や
無礼者には
感情を剥いて怒ったりもする
―だって、人間だもの
聞いたことがあるこの言葉を
つい言ってしまいたくなる
こういうシンプルな溜息言葉にこそ
人の真実が詰まっているし
世間が反応するんだと
そうだ
難しいことは抜きにして
人と交流するのが本来
一番人間的で尊いのだろう
「正しさ」
嗚呼
別にそれを口にせずとも
行動で体現する方がよっぽど潔い
言葉の正しさに酔わぬこと
囚われぬことが大事なんだ
だから
「きみの言っていることは正しいよ」と
もう言わないでくれ
誰も
©2025 Kotone Kudaka
