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IT&Scienceで就活を突破する 第1回:就活で話す「経験」がない?〜アルバイトや部活を、面接官に伝わる経験に変える

これまで、企業DX、大学での教育、地方自治体の就業支援、業務におけるナレッジマネジメントなど、様々な場面へ『IT&Science』の考え方を適用して整理・分析することで、考える力を発揮できることを挙げてきました。それらは、無料マガジンにまとめていますので、ご興味あれば見てみてください(宣伝)

今回は、大学生を想定した「就職活動」の場面について考えてみたいと思います。

アルバイトと部活しか話せない?

就職活動で定番の質問として「学生時代に力を入れたことは何ですか?」があります。いわゆる「ガクチカ」です。(私の大学生の娘も「ガクチカ」というワードを使っています。なんでも略す・・・)

「大学で特別な研究をしているわけでもないし、大きな大会で結果を出したわけでもない。話せることといえば、アルバイトか部活くらい……」

実際、多くの学生にとって、就活で話せる経験はアルバイトや部活が中心になります。が、私はそれを問題だとは思いません。

むしろ、アルバイトや部活には、自分自身を知るための材料がたくさん詰まっています。

問題は「何を経験したか」ではなく、その経験を、どう捉えて、何を考え、どう行動したのか。ここを自分の言葉で説明できるかどうかだと思います。

同じアルバイトでも、話す内容は変えられる

例えば、飲食店でアルバイトをしていたとします。

「接客を頑張りました。最初は仕事を覚えるのが大変でしたが、周囲の人に教えてもらいながら努力しました。最終的に店長に評価されました。」これも事実でしょう。

ただ、面接官からすると、似た話はたくさん聞くことになります。

そこで、少し視点を変えてみます。

「忙しい時間帯になると、新人の注文ミスが増えることに気づいた。最初は新人だから仕方ないと思っていた。でも、よく見てみると、教える人によって説明する順番や内容が違っていた。そこで、仕事を覚える順番を整理して、簡単なチェックリストを作ってみた。」

同じアルバイトの話でも、印象が変わりませんか。

ここには、
「何が起きていたのか」
「自分は何を問題だと考えたのか」
「なぜそう考えたのか」
「その上で何をしたのか」
という、その人自身の思考が入っています。

面接官が知りたいのは「すごい経験」だけではない

私は、これまで10年以上、新卒採用の面接官をしています。その経験から感じるのは、面接で知りたいのは、必ずしも「すごい経験」ではないということです。

全国大会に出場した。アルバイト先の売上を大きく伸ばした。学生団体を立ち上げた、難しい資格を取得した。もちろん、こうした経験には価値がありますが、それだけで就職活動において評価されるわけではありません。

私が注目しているのは、

「そのとき、あなたは何を考えていたのですか?」

という部分です。

なぜ、その行動を選んだのか。他の方法は考えなかったのか。うまくいかなかったとき、どうしたのか。その経験から何を学んだのか。

そうした話を聞いていくと、少しずつ「この人はこういうことを考える人なんだな」という人物像が見えてきます。

経験を「分析」してみる

ここで、私が普段から考えているIT&Scienceの考え方が役立ちます。科学では、起きたことをそのまま眺めるだけではなく、観察して、問題を考え、仮説を立て、試して、結果を見て、また考えるということを繰り返します。

就職活動で自分の経験を振り返るときも、似たことができます。

例えば部活なら、「部長をやりました」で終わらせるのではなく、
「チームでどんな問題が起きていたのか」
「自分は何が原因だと考えたのか」
「なぜその方法を選んだのか」
「実際にやってみてどうだったのか」
「うまくいかなかったとき、どう修正したのか」
と分解してみる。

すると、単なる「部活の思い出」が、自分の考え方や行動特性を知る材料に変わります。

「自分らしさ」は経験の中にある

もう一つ大切なのは、正解を探さないことです。

就活では、「リーダーシップがある人」「コミュニケーション能力が高い人」のような、企業が評価しそうな人物像に自分を合わせようとしてしまうことがあります。

でも、無理に自分を作る必要はありません。同じ状況でも、人によって取る行動は違います。人をまとめることが得意な人もいれば、周囲を観察して問題を見つけることが得意な人もいる。誰かをサポートすることにやりがいを感じる人もいれば、新しい方法を試すことが好きな人もいる。

その違いこそが、その人らしさです。

面接で大切なのは、「正しい答え」を話すことではなく、自分が置かれていた状況でと、自分の経験や強みと、実際に取った行動が自然につながっていることだと思います。

無理やり作った「自分像」で自分らしく働いていけるでしょうか?

大学1、2年生の今からできること

就活がまだ先の1、2年生にも、今からできることがあります。

特別な実績を作る必要はありません。アルバイトでも、部活でも、授業でも構いません。

「今日、何か問題があったかな?」
「自分はそれをどう考えたかな?」
「なぜその行動をしたのかな?」
と、ときどき振り返ってみてください。

そして、うまくいったことだけではなく、失敗したことも挙げてみてください。むしろ、失敗したときに何を考えて、どう修正したのかには、その人らしさがよく表れます。

就活が始まってから、急に「自分の強みは何だろう」と考えるより、日頃の経験を少しずつ観察しておく方が、自分のことを理解しやすくなります。

「経験がない」のではなく「まだ分析していない」

アルバイトや部活しか話せない。そう感じているなら、私は少し見方を変えてみてほしいと思います。

経験がないのではありません。

今までの経験を、まだ十分に掘り下げていないだけではないでしょうか。アルバイトも、部活も、授業も、日常のちょっとした出来事も、自分がどう考えて、どう行動したのかを振り返れば、自分自身を知るための材料になります。

就職活動は、自分を大きく見せる場ではありません。これまでの経験を一つずつ振り返りながら、「自分は、どんな状況で、何を考え、どう行動する人なのか」を見つけていく。その先に、自分に合う仕事や、自分らしい働き方も見えてくるのではないでしょうか。

まずは、今日のアルバイトや部活で起きたことを一つだけ思い出してみてください。「何があったか」ではなく、「自分は、なぜそうしたんだろう?」と考えるところから始めてみませんか。

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