(短編ss)サウナインザドリーム
ジリジリと、湿気が立ち昇る。
身体はシトシトに濡れ、汗は流れるというよりも、すでに川をなしている。
木製ログは湿気を巧みに蓄えて、過ごし難い環境に聖域を作る。
正解を待ち望んだ熱狂は外からも伝播し、加速的な熱量を与える。
目の前のあいつとあいつ、最早単純な根比べではない。
誰が選ばれるか、この小さな世界の王様に。
知った顔でもあるし、知らない顔でもある。
時間を加速させよう、それはとても簡単。
バケツのアロマを、ゴウゴウに熱せられた石にかける。
爆発音と共にモウモウに立ち昇る湿気。
そら、風を送ればあっという間に地獄だ。
香りだけは気高くて鼻腔をくすぐられた。
気を抜くと気絶しそうだ。
あいつは残念ながら天に召されたようだ、アーメン。
存在した証拠だけが椅子に残る。
最早一騎打ちだな。
合議制はとっくにレガシーだ、お金の世界だから。
さあ、ここから先は観測不能だ。
だが一つ分かってることがある。
それは、この扉から先に出てきた奴の扱いだ。
それは敗者、このコンクラーベのね。
観衆は、ただ、見守るのみ。
新しい王様の誕生を。
ただしそれが誰なのか、それはまた別のお話。
今日は、これに参加させてもらった。
楽しいね、ありがとう。
