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おてあげですね │アマノ文筆クラブ

風が手のひらを勝手に抜けていく。
掴めないのは夢よりも現実の方だろう。
淡い夢だって、浅い夢だって、呆れた夢だって。
ライ麦の中で探していれば黄金さ。
いつかその手の中に。

黄金の尻尾が誘う。
掴んだのは麦だけさ。
風に放ったら、現実の金色は綺麗に広がった。
彩られている、彩られている。

水が手のひらからこぼれていく。
いつだってその手に収まるのは僅か。
儚くたって、乾いていたって、過ぎたら溢れていく。
海の中に広がる泡と生命たち。
いつか生まれ変わるから。
深く沈んで、優しく眠って。
そして今日を失っていく。

貝に包まれている。
まだ夢を見ているんだ。
目を開けたら月明かりが青くて。
彩られている、彩られている。

今日も夢を見た。
現実から離れた夢を一人見た。
おてあげですね。
空には太陽も月も、木星だって浮かんでいるのに。
いつだって兎を探して夜空をいく。

今日も夢は覚めてしまう。
僅かな痛みで虚実の実は落ちていった。
現実を隣において一人生きる。
おてあげですよ。

小さな幸せを生活に見つけた。
僅かな通知、短い文章。
あふれた淡い涙と心のセピア。
青い黄金を、捨てられなくって。

現実の色彩を愛して。
小さな枕を抱きしめて眠る。

#アマノ文筆クラブ

後記)
先にやってきたのは映像でした。

おてあげで手を空に差し出しました。
そしたら風がそっと抜けていきました。
抜けた先を見たら朝日が黄金で、でも手を伸ばしても掴めなくって。
悲しくなってたら夜になって、閉じこもって眠りました。
悲しみを溶かしたのは小さな通知。それだけが現実で、嬉しくって。
何よりも彩られていて、確かに綺麗だったんです。

そんな詩です。
なぜ木星だったんでしょう。ジュピターだから、かな。

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