NISAは「何歳で売るか」を決めるな。後悔しない出口戦略の教科書|使う5年前から始める売却・現金化・取り崩し設計
【結論】NISAの出口は、「何歳で全部売るか」で決めてはいけない。
正しくは、使う予定のあるお金を、使う時期から逆算し、必要になる5年ほど前から少しずつ現金へ移していく。
これが、NISAの出口戦略で最も重要な考え方である。
老後まで持ち続ける。
利益が出たら売る。
暴落する前に売る。
60歳になったら取り崩す。
こうした決め方は、一見すると分かりやすい。しかし、実際にはどれも「自分のお金を、いつ、何のために、いくら使うか」が抜けている。
出口戦略とは、相場の天井を当てる技術ではない。
人生で必要になるお金を、必要な時期に、必要な分だけ取り出せる状態にしておく設計である。
この記事では、NISAを始めたものの、
「いつ売ればいいのか分からない」
「利益が出ても、売ったら損をする気がする」
「老後に一気に取り崩してよいのか不安」
「暴落中にお金が必要になったらどうすればよいのか」
「売却するとNISA枠がどうなるのか分からない」
と悩んでいる人に向けて、NISAの出口を自分で設計できるように解説する。
読み終えた時には、次の三つが決まる。
・何のためにNISA資産を使うのか
・いつから現金化を始めるのか
・毎年いくらずつ取り崩すのか
NISAは、始める時よりも、終わらせ方を決めた時に初めて「自分の資産計画」になる。
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第1章 「売らずに持ち続ける」が正解とは限らない
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NISAについて調べると、「長期保有」「積立継続」「暴落時も売らない」という言葉をよく目にする。
これらは資産形成期には重要な考え方である。ところが、出口まで同じルールを適用すると問題が起きる。
たとえば、10年後に住宅の頭金として500万円を使う予定なのに、10年後まで全額を株式型の投資信託で持ち続けたとする。
使う直前に相場が30%下落すれば、500万円だった資産は350万円になる可能性がある。
そこで売却を延期できればよいが、住宅購入、教育費、退職後の生活費などは、相場の回復を何年も待てるとは限らない。
つまり出口が近づいた資産では、「増やすこと」より「予定どおり使えること」の優先順位が高くなる。
資産形成期の正解は、長く保有して成長を待つこと。
資産使用期の正解は、必要な時期に必要額を確保すること。
この二つを混同しないことが、出口戦略の第一歩である。
また、「売却=投資の失敗」ではない。
投資は、口座残高を最大化する競技ではない。
旅行、住宅、教育、老後の安心など、自分が望む生活へお金を移すための手段である。
利益を確定し、人生に使った時点で、NISAの役割は果たされている。
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第2章 出口戦略がない人に起こる三つの失敗
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一つ目は、使う直前までリスクを取りすぎることである。
「まだ増えるかもしれない」と考え、必要時期が近づいても株式比率を下げられない。
結果として、暴落と支出時期が重なり、安値での売却を迫られる。
二つ目は、利益が出ているのに永遠に売れないことである。
100万円が150万円になっても、「200万円になるかもしれない」と考える。
200万円になれば、「300万円まで待とう」と考える。
目標額が決まっていないため、売却条件が永久に先送りされる。
三つ目は、老後に急に取り崩しを始めることである。
積立中は毎月自動で買っていたのに、退職した瞬間から、自分で売却額とタイミングを判断しなければならない。
相場が下落すると不安になり、必要以上に節約したり、反対に一度に多く売ったりする。
この三つに共通する原因は、出口を「その時になってから考えよう」と先送りしていることである。
出口は、出口が近づいてから考えるものではない。
投資を始めた時点で仮決めし、生活の変化に合わせて修正するものだ。
ここまで読んで、
「では、自分は何年前から、何を、どれくらい売ればよいのか」
と思ったはずだ。
ここから先では、NISAの制度ルールを踏まえたうえで、目的別・年代別に出口を設計する具体的な手順を解説する。
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