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だれモビ・だれスポをスタートさせた背景

だれモビ・だれスポをスタートさせた背景

――就職氷河期世代として、何度も底辺を経験した僕が見つけた「希望の構造」――

私は、いわゆる「就職氷河期世代」と呼ばれる世代に属します。 けれど、正直に言えば、私はこの言葉が好きではありません。

なぜなら「氷河」という言葉には、“溶ければ春が来る”“いずれ希望が訪れる”という、どこか救済的で美しい響きがあるからです。 しかし、私たちの現実は、そんなロマンチックなものではありませんでした。

だから私は、あえて自分たちを「ゴミ世代」と呼びます。 強烈な言葉ですが、そこには私なりの意味があります。

ゴミとは、すでに社会から価値を認められず、捨てられた存在。 一度、底辺まで落ちれば、もう失うものはありません。

だからこそ、人は強くなれる。 だからこそ、這い上がる勇気が持てる。

この思想こそが、だれモビ・だれスポの根底に流れている、私自身の原体験です。


どれだけ努力しても、社会は報われなかった

私は、決して努力を怠ったわけではありません。 専門学校、大学と進み、必要単位を超えて、余分に多くの単位を取得しました。 大学時代には、懸賞論文で入賞し、数多くの資格も取得しました。

「ここまでやれば、きっと道は開ける」

そう信じていました。 しかし、現実は違いました。

就職活動で、まともな就職先はほとんどなく、希望していた進路は次々と閉ざされていきました。

努力が、能力が、意欲が、評価されない。

この社会に対して、私は深い絶望と怒りを覚えました。

当時、ITの知識を活かして独立することも考えました。 しかし、そこに待っていたのは、ITバブルの崩壊という大きな波。

「時代が悪かった」 「運がなかった」

そんな言葉で片付けられるほど、簡単な話ではありませんでした。


失敗と挫折の連続が、思考を鍛えた

私は、社団法人で働き、会社員も経験し、起業にも挑戦しました。

そして、見事に失敗しました。

資金も、人脈も、信用も、思うようには集まらず、理想と現実の差に何度も打ちのめされました。

しかし、ここで終わらなかった。

失敗したからこそ、見えたものがありました。

「なぜ、うまくいかなかったのか?」 「何が社会に本当に必要とされているのか?」 「誰のために、何をすべきなのか?」

この問いを、何年もかけて、自分自身に投げ続けました。

私は、何度もどん底を経験しています。 理解されないことも多く、「夢物語」「現実を知らない理想論」と言われ続けてきました。

それでも、私は歩みを止めませんでした。

なぜなら、私の目には“先に見える景色”があったからです。


「だれ」のためか?という問い

社会課題、福祉、観光、医療、教育、まちづくり。

どの分野でも、語られるのは「制度」「仕組み」「効率」「予算」ばかりです。

しかし、私はずっと違和感を持っていました。

「それは、だれのためなのか?」

高齢者のため? 障がい者のため? 子どものため? 観光客のため?

違う。

本当は、“だれか一部の人”のためではなく、 「だれもが使える」「だれもが参加できる」社会をつくるべきなのです。

この問いから生まれた言葉が、

「だれモビ」 「だれスポ」

です。


だれモビとは何か

だれモビは、単なる移動手段ではありません。

高齢者のためだけの乗り物でも、障がい者専用の福祉機器でもありません。

「だれでも、自然に使える」 「だれでも、外に出られる」 「だれでも、社会とつながれる」

そのための社会装置です。

時速6kmという、あえて遅いスピード。

それは効率を捨てた設計ではありません。

街を“通過する”のではなく、 街を“感じる”ための速度。

点と点の移動を、線と物語に変えるための速度です。


だれスポとは何か

だれスポは、単なるレンタル拠点でも、観光拠点でもありません。

移動・運動・交流・学び・仕事・文化。

これらが交差する、社会参加のハブです。

ここに来れば、

・外に出る理由が生まれる ・人と出会うきっかけが生まれる ・仕事や役割が生まれる ・学び直しの場が生まれる ・挑戦の機会が生まれる

だれスポは、「居場所」ではなく「出発点」です。


どん底を知っているから、設計できる社会

私は、何度も失敗し、何度も社会の底辺を見てきました。

だからこそ、きれいごとではない社会設計ができます。

・お金がない人 ・仕事がない人 ・自信を失った人 ・居場所がない人 ・社会から取り残された人

その感情が、痛いほど分かります。

だから私は、「支援する側」には立ちません。

共に創る側に立ちます。

助ける人と助けられる人という関係ではなく、 関わることで、互いに価値が生まれる仕組み。

それが、だれモビ・だれスポの本質です。


ゴミ世代だからこそ、創れる未来

一度、ゴミになったから分かる。

失うものがない人間は、怖い。

失敗を恐れず、 常識を疑い、 前例を壊し、 新しい社会の形を描ける。

だれモビ・だれスポは、 私一人の夢ではありません。

これは、

「社会から取り残されたすべての人が、 もう一度、社会とつながり直すためのプラットフォーム」

です。


最後に

私は、これからも失敗するでしょう。 批判されるでしょう。 理解されないでしょう。

それでも、歩き続けます。

なぜなら、 その先に“だれもが参加できる社会”が見えているから。

ゴミ世代が創る、 希望の社会構造。

それが、

だれモビ だれスポ

です。

この思想と構想が、 誰か一人の人生を、 一歩、前に進めるきっかけになれば。

それだけで、 私の人生は報われます。



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