見出し画像

【酷暑の畑、朝6時に作業開始しても暑いぜ260803】


朝6時。

普通なら、夏の畑仕事を始めるにはかなり早い時間だ。

ところが今年は違う。

6時から、もう暑い。

まだ太陽は低い。
空気にも朝の名残はある。

それでも畑へ入って少し動けば、すぐに汗が流れてくる。

今年の夏は、どうも「早朝なら大丈夫」という昔の感覚すら通用しなくなってきた。


一番条件のいい場所から死んでいく

畑を始めた頃は、当然こう考えていた。


日当たりが良い。
風通しが良い。
水はけも悪くない。

そんな場所が、作物にとってのポールポジションだろうと。

ところが今年。

そのポールポジションの作物が、かなりやられた。

暑すぎるのである。

太陽を浴びる時間が長い場所ほど、葉も土も熱を持つ。

日当たりの良さがメリットではなく、熱害の原因になってしまった。

逆に面白かったのが、二列目。

少し陰になる。
少し条件が悪い。

そう思っていたセカンドローの作物の方が、むしろ元気なのだ。

畑というものは、本当に予定通りにはいかない。


一番期待していたブラッドオレンジは鹿に負けた

果樹も色々植えている。

中でも一番大きく育っていたのが、ブラッドオレンジだった。

これは期待していた。

ところが鹿に新芽を全部食われた。

新芽がない。

当然、花も咲かない。

実もつかない。

一番立派だった木が、一番結果を残せなかった。

一方でブラックベリーとブルーベリーは、ちゃんと実をつけた。

ただしこちらも、

鳥に食われる。

暑さで傷む。

気がついたら枝の上でレーズンみたいになっている。

自然は、人間が「そろそろ収穫しよう」と思うまで待ってくれない。


場所が悪いと思っていたスダチが実った


そして今回、一番面白かったのがスダチ。

植えた場所は、決して良い場所ではない。

キクイモの陰。

日当たりも少し悪い。

正直、

「ここはちょっと場所が悪かったかな」

と思っていた。

ところが葉の奥をよく見ると、

小さなスダチが何個もついていた。

植えて一年。

もう実をつけた。

これは素直に感動した。

そして同時に思った。

今年に限って言えば、この「日当たりの悪さ」が、逆に良かったのではないか。

キクイモが天然の日除けになり、強烈な直射日光から若いスダチを守った可能性がある。

一等地だと思っていた場所が酷暑で焼かれ、

二等地だと思っていた場所で実がなる。

上手くはいかないものである。

でも、だから面白い。


モリンガは強い

モリンガも根付いたようだ。

こちらは暑さにかなり強い。

南アジアの暑い地域を起源とする植物なので、この夏でも比較的平然としている。

日本の作物が暑さで弱っている横で、

「これくらい普通ですけど?」

みたいな顔で立っている。

これから日本の夏がさらに暑くなるなら、こういう高温耐性のある作物を畑へ混ぜていくことも必要になってくるのかもしれない。


ホップは元気だった

ホップも、この暑さの割には元気だった。

毬花を触ってみると、少しずつルプリンができ始めている。

香りも前より明らかに強くなった。

まだ完全な収穫期という感じではないが、そろそろだ。

8月8日に、一度まとまった収穫をしてみようと思っている。

今年はまず、

どの色。

どの硬さ。

どの香り。

どのルプリン量。

その辺りを自分の手で確認する。

祈空で育てるホップの収穫基準は、祈空で覚えていけばいい。


「二週間に一回でもいいんじゃないか」

そんな酷暑の中、畑の師匠が言い出した。

「もう二週間に一回くらいでもいいんじゃないか」

最初は、

いやいや。

と思った。

でも、朝6時からこれだけ暑い。

確かに、それでもいいのかもしれない。

毎週、

山をやって、

畑をやって、

草を刈って、

倒木を処理して、

果樹を見て、

収穫して。

全部やろうとすると、夏は人間の方が先に壊れる。

ならば、

山の日。

そして、

畑の日。

に分けてもいい。

今週は畑。

次は山。

それぞれ二週間に一度。

緊急の水切れや収穫、獣害だけ臨時対応する。

そのくらいでいいのかもしれない。


人間も作物も、頑張りすぎない

今年の畑を見ていると、妙なことを教えられる。

一番日当たりの良い場所だから育つとは限らない。

一番大きい木だから実をつけるとも限らない。

条件の悪い場所だから失敗するとも限らない。

スダチは、日陰で実をつけた。

モリンガは、暑さの中で根を張った。

ブラッドオレンジは、大きかったのに鹿に食われた。

人間が考える「良い条件」と、

植物にとっての「生き残れる条件」は、

必ずしも同じではない。

そしてこれは、人間も同じなのかもしれない。

日当たりのいい場所に立ち続けなくてもいい。

毎週、全力で働かなくてもいい。

少し陰に入り、

少し休み、

それでも根だけは伸ばしておく。

そんな生き方の方が、

この異常な暑さの時代には、

案外強いのかもしれない。

今年の祈空は、

作物を育てながら、

「頑張る場所を間違えるな」

と教えてくれている気がする。



いいなと思ったら応援しよう!

神原月見|言語化審神者(げんごかさにわ) 再び空を飛ぶ為の訓練費用に使わせていただきますm(_ _)m