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Irma La Douce

ビリー・ワイルダーの 「あなただけ今晩は」
映画の冒頭、タイトルロールで一戦終えたシャーリー・マクレーンがベッドで莨の火をつけると、
 「君みたいな娘がなんでまた…」と男が言う。

 「ピアニストを目指していたの。ピアノの蓋がバタンと落ちて骨折して…」

次の客に、
「妹は日に2回輸血しないといけないの、輸血って高いのね…」

テキサスから来た軍人には
「米軍の空爆で私のいた孤児院が無くなったの…再建する為に送金してるの…」

大昔からの娼婦の身の上話である。
男たちは規定の料金の他に彼女のバッグに札をそっと入れる。
ユニセフが繁く宣伝しているのも同種の商売である。
このごろは売上向上のために厚かましくも遺産寄付をすすめている。
同じ手口ではあっても彼女のほうが愛嬌がある。
この映画は豊かな食材が並ぶパリの中央市場から始まる…

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