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風に乗ってやって来るアレ

 今住んでいる家のベランダからは 全く見えないのだが、マンションのエントランスを出て暫く行き 少し急な坂を下りると、近くに川が流れている。最近 都市整備が進んで 川沿いの景観が綺麗な所も増え、夫・むーさんとワタシの散歩コースになっているけれど、いかんせん 水があまり綺麗ではない。湿気の多い夏場など、不快な臭いが漂っていることも 結構ある。


 ワタシは山の田舎町で幼少時代を送ったので、「川」という単語に対するイメージが偏っていて、

① 草をかき分け 小さくて急な土手を降りれば直ぐに川原
② 水深が浅く 水がそこそこ透明
③ 沢ガニや小さい魚がいる
④ たとえ小さい川でも 膝より深い所に行くなんて ものすご怖い

こうでなければ 身近な・・ というか 寧ろ『身内』の・・「勝手知ったる 川」 であるという感じがしない。これ以外の大きな河川は 土手や 橋の上から 遠巻きに眺めるだけの『よそ様』だと思っている。

 なので、現在 むーさんと川っぷちを散歩していても、そこに見えているのは 自分の親しんだ水場とは 全く違う他所サマ。濁った水で底が全く見えず、なのに時々小さな魚がピチョンと跳ねたり 水鳥がやって来たりして、こんな所にも生命というのは息づいているんやと、変に驚き ドキドキし、それと共に とても怖くなる。
 斜面を駆け降りて すぐに 沢ガニのいる 煌めく川のイメージが、まるで 冗談であったかの様に 目の前の景色と かけ離れているから 怖いのだ。


 川の護岸は 綺麗に整備されていて どこをどう間違えても 落っこちる危険なんて なさそうなのに、底が見えず 深さの判らない川の 黒い水面が すぐ目の前にあると、ワタシは怖くてかなわない。幼い頃 町のあちこちに在った 農業用ため池の 引きずられそうに深く くすんだ緑色を 思い出すからかもしれない。

 件の川では時折 屋形船みたいなのが航行していることがあり、船着き場付近は 観光の名所にもなっている。水辺に降りて行くと、この暗くて不穏な水面が 爪先のすぐそこにまで迫って、雨などで増水している時などは勿論のこと、曇りの日も 快晴の日も、命の危険めいたモノを感じる。
 なんか恥しいんだけど、ワタシだけが勝手に 川のことを 底なし沼か何かの様に感じて 過度に縮みあがっていて、隣に居るむーさんは そのニュアンスなど解る筈もなく、ただ呆れて 苦笑している。

 念の為繰り返しておくが、川沿いの景観は かなり良い。近年は 整備の際に植えられた桜が大きくなってきて、名所とまでは言えないものの、花の季節などには ちょっと浮かれてしまう程だ。
 な・の・に ・・・・・・・
残念としか言いようがないけど、

 臭いっス 確実に

時々だけど。

 あの臭さは どう表したものだろう、ドブ臭いと言えば それまでかもしれないけれど、もう ひとひねりした感じの臭さなんやね。濃すぎる泥のニオイというか、木の腐った様な、なんか 生活臭とも自然の腐臭とも違う。
 とにかく あの ヘンなニオイを嗅ぐと、もう 目の前の
「曖昧でドス黒い 川の流れにぃ~  吸い込まれそうで不安~」
とか、そんなロマンティックな御託は吹っ飛び、ごく普通に不快一択よ。

 ニオイは 家のある所まで到達する訳ではなく、あくまでも 橋の手前になって やっと感知できる程度なので、普段は気にしていない。とはいえ、
部屋干しが全く臭くないのに 外干しすると臭いのは、

川のニオイが 風に乗ってやって来るせい

だとしか思えない。それって 非科学的だろうか?



 ところで
 よく 部屋干しの洗濯物のニオイがどうのこうのなどと煽り立て、抗菌はともかく 公害としか思えない香料をアホほど配合した洗濯洗剤のCMを見かけるが、ワタシはアレルギーがあるので 香料入りの洗剤は 恐ろしくて使えない。バスルームの燻煙カビ取り剤で、間違えて香料入りを買ってしまった時は 泣いたなー・・・・・・・



 外干しのニオイが なに由来のモノなのか?
 何でも 初めから他人のせいにするのは 建設的でないに違いないので、洗濯槽クリーニングは 割とこまめに行っている。そういう所は真面目なのよ ワタシ。
 洗濯をする時には きっちり酸素系漂白剤を入れているし、夫・むーさんにも それを徹底させている。 普段の洗濯について、ある程度の技は必要かもしれないが、部屋干しで悪臭に悩まされることは無い。
 だから ワタシが悪い訳じゃない筈
ね? 犯人はあの川 しかないでしょう と。


 自分の衣類は 部屋干しが基本なので、実害は少ないが、シーツや 大きめのタオルなどは 部屋に干すのが難しい。元々 着物や襦袢を干す場所を確保するのに必死で、それ以外の大きなモノを 部屋に干すのは難しいし、無理に干したとしても 乾くまでの時間がかかり過ぎる。

 前にも書いたけど、今の住まいは 建て替え中のマンションが完成するまでの仮住まい。前の場所に引っ越すまで、洗濯物のオイニ~問題には 目をつぶるしかない。でも、よく考えたら その建て替え物件、

今の家から 徒歩1分の所にあるのよ!

 だったら尚更、前の家で 外干しして臭わなかった理由がわからへんやないか。部屋干しなら臭わないってことは、水道タンクの違いによる 水質の違いなども 関係なさそうだし。川までの距離も ほぼ同じなのに。
 違うとすれば 現在は 前より4階だけ低層に住んでいるから・・・・・・・
まさか、風の吹き方が違うとか? そんな まさかなー。


 幸い、外干した洗濯物が元で 他人を不快にさせた事はないし、蕁麻疹も出ていないので、とりあえずは 気にしない様にするしかない。万一 引っ越し後にも 外干し臭が続くなら ・・・・・ もう諦め・・・ いや、ひょっとしたら その頃には 加齢によって ワタシの鼻の方が、何も感知できなくなったりして・・・・・ ナンテナ 。


 そういえば、幼い頃 沢蟹つかまえて遊んだあの小さな川、一家そろって引っ越し 町を離れた数年後、護岸工事が行われ、あの美しく懐かしい風景は 失われてしまったのでありました。
 何してくれてんスか 😭😭😭😭😭



 


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