英語は“部活”並みにやらなきゃ?英語力を“18歳までに逆算”する方法【CEFRの落とし穴】
こんにちは、ディーン千賀子です。
私はこれまで10年以上にわたり、英語教育やバイリンガル子育てに関して350組以上のご家庭のご相談に乗ってきました。
「英語は必要ってわかるんだけど、何を目指せばいいかがわからない」
「“バイリンガルにしたい”けど、どのくらいのレベルまで育てれば…?」
その気持ち、ものすごくよく分かります。
英語教育って、
「どこまでできたらOKなのか」
「これくらい出来れば就職で有利なはず!」
と、曖昧に幻想や不安をいだいてしまいがち。
英語力について、自己判断で不安や焦りを感じている親子さんにぜひ読んでいただきたい記事です。
数字や研究データを元に、「英語をどこまでどう身につけるか」について
一緒に見てみましょう。

英語力、将来どこまで必要ですか?
まず、問いかけさせてください。
☑ あなたのお子さんが将来進む道に、英語は必要ですか?
☑ もし「必要」としたら、どれくらいの英語力が求められると思いますか?
今、国内外問わず多くの大学・企業で英語力が問われる時代になりました。
ただしそれは、「英語の授業についていける」レベルではなく、実務で使える・学術にアクセスできる・対話ができるレベルのことです。
でも、ここで落とし穴があります。
CEFRはヨーロッパ基準。日本語話者には「倍」かかる
英語力の目安として最近注目されているのが、CEFR(セファール)という国際基準です。
これは「Common European Framework of Reference for Languages」の略で、元々はヨーロッパ言語話者のための共通の語学レベル指標です。

CEFRでは、A1〜C2までの6段階で語学力を定義しています。
A1/A2:基礎(サバイバルレベル=英検準2級程度)
B1/B2:日常+仕事や学術的場面で使える応用力(=英検準1級程度)
C1/C2:ほぼネイティブ並みの運用力(=英検1級またはそれ以上)
このCEFRが示す必要な学習時間の目安をご存じでしょうか?
たとえば、
A1レベル到達まで:約90〜100時間
B2レベル到達まで:約600〜800時間
とされています。
でもこれ、ヨーロッパの言語(例:フランス語→英語、ドイツ語→英語)で近い言語間の場合の目安なんです。
母語によって「英語習得の難しさ」は違う
さまざまな指標によって「外国語としての英語力」
世界1位はドイツやオランダとされることが多いです。
これは、ドイツ語やドイツ語に似たオランダ語から見た場合、ドイツ語・オランダ語をパパとすると、「英語」は、実は「フランス人ママとの間に出来たハーフ」のような立ち位置なんです。
Hand(英語:ハンド。独語:ハント)
Name(英語:ネーム。独語:ナーメ)
Information(英語:インフォメーション。独語:インフォルマツィオーン)
Nation(英語:ネーション。独語:ナツィオーン)
など、英語とドイツ語の間でスペルや意味・音が共通する単語も多く。
ゲルマン語派だけではなく、ラテン語由来の語源まで入れると、ヨーロッパ言語の話者が他のヨーロッパ言語(またはそれ由来の英語)を勉強するときに、「わざわざ新しく英単語を覚えなくても、意味が推測できる」という単語があらかじめたくさん英語の中に存在するのです。
(もっと詳しく知りたい方は「コグネート(cognate)」という言語学の用語で調べてみてくださいね。
この項を書くに当たっては高専で2年間ドイツ語も勉強されたことのあるリアル孟母ベティさんのアドバイスを得ています)
わざわざ勉強しなくても単語の意味がわかっちゃう!なんて、
日本人にとっては良いなあ~って思いますよね。
反対に日本語話者から見た場合の英語は、何もかも共通する要素はなく、「言語と言語の距離が遠い」(=習得するにあたって長い時間と努力が必要)なのです。


米国合衆国国務省(United States Department of State)が公表した、言語習得難易度ランク(Language Learning Difficulty for English Speakers)によれば(英語話者にとって)5ランクあるうち、日本語は最高難易度の5に分類されています。習得に必要な時間数は2200時間。

日本語を母語とする私たちには、CEFR基準の倍の時間が必要だというのが私の10年間の英語教授経験からの体感時間です。
つまり、「仕事で使える」とされるB2に到達するのに1,200〜1,600時間。
さらに安定したC1レベルを目指すなら、2,500時間以上とも。
英語力を育てるには、「部活動」くらいの熱量が必要
文科省のカリキュラムに沿った英語教育を受けるとすると、
小学校:3–6年で約158時間
中学校:3年間で約350時間
高校:最低58時間20分(実態ではもっと長いが最低限の時間)~500時間
(高校を250時間として計算した場合)
小中高の合計は758時間。
さらに週1回の英会話教室(60分)に通っていた場合。
1年で約50時間。
10年間続けても500時間程度です。
758時間+500時間=1,258時間。
最低1,200時間とされる、B2にも届くかどうか。
「何年やっても英語が身に着かなかった」
「何年もやったのに・・・」
と自信を失うお子さん・ご家庭を私は少しでも減らしたい。
だからこそ私は、こう伝えたいんです。
英語教育は“習い事”ではなく、“部活動”並みにコミットが必要だと。
日々コツコツ取り組むことが前提。
1週間に1回60分よりは、1日10分を毎日!のほうが効果的です。
そして部活も週1ではなく、週3くらいでやりますよね?
英語も同じなんです。
そして「どこを目指すのか=出口戦略」が必要です。
18歳までに、何をプレゼントしてあげたいですか?
私が信頼している“英語子育ての大先輩”Sさんから、あるときこんな言葉をもらいました。
「親が子どもに責任を持てるのは18歳まで。
だからそれまでに、“どんなギフトを渡すか”が大事よ」
英語力もその一つ。
この「言語学上の言語習得の知識」に「出口戦略の知恵」を足せば、
小学校で英語が始まる前に、何百時間かを何年かかかって英語に触れさせておこう!という「逆算」という作戦が立てられます。
必要な分の“基礎体力”を18歳までにしっかりつけてあげることが、
将来の選択肢を広げる“ギフト”になるのです。
CEFRという“地図”を使って、未来を逆算しよう
もし、お子さんの将来像に英語が必要だとしたら
18歳でB2(海外大学進学・英語でのディスカッションが可能)
12歳でA2-B1(簡単な読み書き+会話)
6歳でA1(身の回りのことが英語で言える)
こんな風に、“逆算”してマイルストーンを置くことができます。
「うちの子はこのタイミングで何をやればいい?」
「このままの英語学習で間に合う?」
そんな問いに対して、CEFRはひとつの「地図」になってくれます。
「今、このくらい出来ていればいいのかな?!」と不安になる気持ちが減らせますよね。
幻想より、戦略を
インターに入れれば自然に話すようになる。
YouTubeや英語の歌で耳が育つ。
それでうまくいく家庭も、もちろんあります。
でも、うまくいっていないケースを100件以上見てきた私だからこそ、伝えたい。
「なんとなく英語」では、時間もお金も、子どものモチベーションも消耗します。
大事なのは、目指す未来から逆算する“英語子育て”。
「英語で人生を切り拓ける力を子に渡したい」
そう思ったら、まずは18歳時点での目標レベルを決めること。
そして、それに必要な時間と環境を、親子で一緒に組み立てていきましょう。

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